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南 卓 院長の独自取材記事

南歯科診療所

(大阪市住吉区/東粉浜駅)

最終更新日:2021/10/13

南卓院長 南歯科診療所 main

昔ながらの住宅街の一角にたたずむ「南歯科診療所」。その歴史が始まったのは、今から70年以上前のことだ。初代院長が戦後にこの地で同院を立ち上げて以来、長年地域に根差した診療を続けてきた。「おじいちゃんが歯科医師の免許を取得したのが1930年で、2030年にはそれからちょうど100年が経過します。南家が歯科医師になって100年の記念すべき節目となりますので、より一層頑張っていきたいですね」と穏やかな笑顔を見せるのは、3代目院長の南卓先生。2010年より父である2代目院長の南弘先生とともに同院での診療に携わり、2020年には3代目院長に就任。現在は、南先生とともに日々診療にあたっている。今回、南院長に豊富な話題でたっぷりと語ってもらった。

(取材日2021年9月30日)

70年以上の歴史と意志を受け継ぎ、患者に寄り添う

この地で歴史のあるクリニックだと伺いました。

南卓院長 南歯科診療所1

ありがとうございます。父から聞いた話ですが、祖父が歯科医師免許を取得したのは1930年のことです。最初は難波で開業したそうですが、空襲で焼けてしまい、終戦後に住吉区に移転しました。最終的に、祖父が築き上げてきた歴史と意志を父と私が受け継ぎ、現在に至ります。この地で70年以上も診療を続けていることになるんです。私自身も物心ついた頃から歯科医師になるものだと自然と思っていましたし、今こうやって歴史ある診療所を継ぐことができてうれしく思っています。2030年には南家が歯科医師になって100年が経過しますので、これから100周年に向けてより一層体制を整えていきたいと考えているところです。

大学卒業後の経歴についてお聞かせください。

卒業後は父の知り合いの先生のご紹介で、新大阪にあるクリニックで経験を積みました。比較的大きなクリニックでしたので、小さな子どもからお年寄りの患者さんまで幅広い症例を診ることができたと思っています。当院での勤務を開始したのは2010年のことですが、これは仕事というよりもプライベートな理由からなんです。ちょうど一番上の子どもが幼稚園に入園するタイミングだったのですが、もっと子どもたちと過ごす時間をつくりたくて。そこで勤務医を辞めて、当院に戻ることにしました。当初、父は細々と診療を続けていましたので、「どうして戻ってきた?」という感じでしたが(笑)。子どもが小さいうちに一緒に過ごしておきたかったので、ほぼ独断でしたね。それから父と2人で、長年勤めてくれている助手さんたちと患者さんも巻き込んで、アットホームな診療を続けています。

子ども思いのすてきなお父さんですね。

南卓院長 南歯科診療所2

子どもの幼稚園では、保護者会の会長を6年間務めました。自分の子どもだけでなく、他の子どもたちの成長を見守ることができて良かったと思っています。3歳で入園した頃にはお母さんの横で落ち着きのなかったお子さんが、6歳の卒園の頃にはきちんと座っている姿を見ると、よそのお子さんでもうるっとしますよね。当院はご高齢の患者さんが多いですが、ファミリーで通院される方もいらっしゃいます。これからは日本のこれからを支えていく子どもたちの健康もサポートしていきたいと思っています。

未来ある子どもたちに向き合い、自信につながる診療を

患者の主訴で多いのは何でしょう?

南卓院長 南歯科診療所3

ご高齢の患者さんは、やはり入れ歯治療のニーズが高くなっています。昔は歯磨きの方法など教育されていなかったこともあって、歯を失っている方が圧倒的に多いんです。長年、父は入れ歯治療に取り組んできましたので、父の職人的な技に学ぶこともたくさんあります。また、「昔からもっとちゃんとやっておけば良かったわ」といった患者さんの声もよく聞きます。だからこそ、今の若い子どもたちが同じ思いをしなくて済むように、予防歯科に力を入れていきたいと考えています。

予防歯科について詳しく教えてください。

「カリオロジー」という概念をもとに、予防歯科に取り組んでいます。これは虫歯になるたびに歯を削って詰め物など治療を行うのではなく、虫歯をつくらない・進行を止めるために「虫歯の原因となる生活習慣の改善する」ことを重視した考え方です。虫歯にならない環境をつくることを主眼に、患者さんに意識を変えていただけるように努めています。例えば、歯が酸で溶けてしまわないように、糖を含む飲食を1日4回までに抑えるなど、患者さんとともに虫歯にならないよう歩んでいきたいと思っています。そのために、今後は歯科衛生士や管理栄養士などを採用し、診療体制の充実化を図っていく方針です。

子どもの診療で工夫していることなどはありますか?

南卓院長 南歯科診療所4

ここに来る時点で、怖がっている子どもが多いですよね。しかし、そのまま怖い治療を行ってしまうと、それが歯科嫌いにつながってしまいます。当院では、まずは鏡を持ち、口の中を見せながら説明を行うことから始めます。「ここに歯石があるでしょう」とか「虫歯で穴が開いているのわかる?」とか、丁寧に伝えるように心がけているんです。その上で、どんな治療を行うか説明します。無事に治療を終えることができれば、子どもの「できた!」という自信にもつながるはずです。つい最近まで治療が進まず苦労した子どもでも、ある日突然成長して治療を受けられるようになることもあるので、子どもの治療は楽しいですね。歯科治療を通じてしっかり自信をつけさせてあげて、その子の成長につなげてもらいたいなと。未来ある子どもたちなので、丁寧にお口の健康を見守っていきたいですね。また、子育てへの不安を抱えるお母さんにも寄り添っていきたいと思っています。

100周年に向けて、診療体制の充実化をめざす

患者さんとは温かな関係を築かれているとか。

南卓院長 南歯科診療所5

患者さんには丁寧な説明を心がけていますし、無理強いをすることもありません。一方、患者さんから質問はたくさんされます(笑)。たぶん聞きやすいんだと思いますが、この雰囲気を大切にしていきたいですね。中には、治療中に寝てしまう患者さんもいらっしゃいます。リラックスして治療を受けてくれているのかなと思うと、なんだかうれしいですね。また、新大阪のクリニックで勤務していた頃に診ていた患者さん数人が、今でも当院に通ってくださっているんです。クリスマスに子どもたちにプレゼントを頂いたり、私も誕生日に贈り物をしたりと、長いお付き合いが続いています。こういった温かい関係を築いていけるようなお付き合いは、なんだかうれしいですね。患者さんの人生に少しでも寄り添うことができているのかなと思います。

お忙しい毎日だと思いますが、休日はどのようにお過ごしですか?

子どもと釣りに行ったり、最近はコロナ禍でできていませんが、家族と愛犬でBBQに行くのが楽しみです。また運転が好きなので、子どもの塾の送り迎えも意外とリフレッシュになっています。

先日、新型コロナウイルス感染症にかかったと伺いました。

南卓院長 南歯科診療所6

そうなんです。院内では感染症対策を徹底的に行い、僕自身も2重マスクや手袋、ゴーグルなど対策を図っていますが、子どもの習い事の送迎時に感染してしまったみたいで……。ほんの15分くらいの接触でしたが、車内で空気感染してしまいました。幸い軽症で済みましたが、保健所をはじめ、いろいろな方々が頑張ってくれていることを実感しましたよ。ホテル療養やホテルまでのタクシーの手配などもすべて行政が行ってくれましたので、元気になった今、しっかり働いて、しっかり納税しようと思います。たくさんの方に助けられたので、これからはより一層働いてお返ししていきたいなと、決意を新たにしました。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

まずは100周年に向けて、診療体制の充実化に取り組んでいきたいです。歯科用CTやマイクロスコープなど先端機器を導入し、歯科衛生士や管理栄養士など人材も採用していきたいなと。ちなみに、当院は長く働いているスタッフが多く、中には親子で勤務しているスタッフもいるんです。スタッフにとっても、心地良いクリニックであり続けたいですね。また、これからは予防歯科に力を入れて、患者さんと一緒により良い口腔環境をめざしていきたいです。歯のことで困ったことなどがあれば、気兼ねなく来院していただけるとうれしいです。必要に応じて、専門の医療機関や医師も紹介させていただきます。

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