和みのクリニック

和みのクリニック

丹羽和賀美 院長

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ピンクやクリーム色のクラシックなバラが咲き誇り、緑豊かでエレガントなフレンチジョージアン様式の建物がひときわ目を引く。あざみ野駅から徒歩5分という好立地にある「和みのクリニック」は、院名のとおり、訪れる者の心を和ませてくれる。院内も、丹羽和賀美院長が自らセレクトしたというセンスの光るインテリアで、まるで素敵な友人宅に遊びに来たようだ。待合室は患者同士の目線が合うことのないよう、窓から外を見渡すような造りになっている。そんなきめ細かな配慮は診療スタイルにおいても同様で、丹羽院長は『人と人の間の“空気”』を大切にした真のオーダーメイド医療を提供。近年は運動療法としてのヨガー自律訓練法も導入している。また院長のエッセイ集『徒然花』を読んで、その世界観に共感し来院する患者も少なくないそう。診療の合間を縫って世界中を旅するというパワフルな先生の人生哲学に、とことん迫った。
(再取材日2014年6月5日)

運動療法としてのヨガ‐自律訓練法に注力

―診療の一つとしてヨガを取り入れているとお伺いしました。


5年程前から、治療の一環としてヨガを取り入れています。もともとは私自身の健康のためにと始めたのですが、実際にやってみると精神医療に通じる大きな発見があり、これはぜひ運動療法として導入したいと考えたんです。近年、精神医療では何かあるとすぐに薬を出すことが多いのですが、私はそれに疑問を感じていました。もちろん、どうしても薬を使わなくてはいけない患者さんには使用しますが、お薬を飲んだという安心感の方が大きい場合や、まずは休養とか環境変化から入っても良いのではないかと思われる場合があるのです。また精神療法、カウンセリングについて、魔法のように“チチンプイプイ”と何の痛みもなく治してもらえるというイメージをお持ちの方が多いようですが、本当にきちんとカウンセリングを受けると、心にズキッとくる自分の急所をつかれ、それを受け止めなければならないので、実はきついものなのです。しかし最近、カウンセリングを「話をたくさん聞いてもらうだけで心地良いもの」と勘違いなさっている方が多いように感じます。そういうわけで、お薬や精神療法以外の方法で治療できれば、とヨガ―自律訓練法を導入しました。

―「心身回復ヨガ」は具体的にどのように行うのでしょう?


中川にあるヨガスタジオ・リーバで、SAORIインストラクターの指導の元、緩やかなヨガに自律訓練法を加えた「心身回復ヨガ」というクラスを開催しています。通常、ヨガでは最後にシャバアーサナという完全リラクゼーションのポーズをとるのですが、「心身回復ヨガ」では、シャバアーサナの前に自律訓練法を入れています。人間には自分で動かせる神経(=随意神経)と自分では動かせない神経(=不随意神経)があるのですが、例えば、パニック障害や不安神経症、過呼吸症候群などで来院される患者さんの場合、初めは「原因が思い当たらない」とおっしゃっていても、じっくりとお話を伺っているうちに、「そういえば過去にこんなことが……」と思い出されるケースがよくあります。つまり、パニック障害や過呼吸症候群といった症状は、自分ではコントロールできない不随意神経が勝手に起こしているのではなく、無意識の葛藤のようなものが随意神経を動かして起きていることがほとんどなんです。体の不調で内科などの他科を受診された方が、各種検査をしても何も異常がなく、精神科・心療内科の受診を勧められて来院された時などは、患者さんと会話のキャッチボールをしながら少しずつ心を開いてもらえると、このような無意識の葛藤が根っこにあることが徐々にわかってきます。自律訓練法はこのような病態の患者さんに有効といえます。

―自分の体は自分でコントロールできるのですね。


自律訓練法ができるようになると、例えば電車の中でパニックを起こしてしまったとしても、「これは自分で起こしているのだから、自分で解除もできるから大丈夫! 」と、ご自身を落ち着かせることが可能になるでしょう。それから大事なのは呼吸です。これは普段の生活においてもいえることですが、特に呼気(=吐く息)が大切。パニック発作を起こしてしまった時など、多くの方は不安のあまり息を口から大きく吸います。過呼吸症候群も同じで、胸式呼吸でどんどん口から吸って苦しくなってしまう。でも本当は、吸う前に全部吐き出して肺を空っぽにした後鼻から吸えば、お腹、胸、背中まで楽に酸素をいっぱい入れることができます。呼吸は、“呼”を先に、“吸”を後に書きますので。吐き出して全部空になってから、鼻で吸うことがポイントです。実は「吸う」ことは交感神経が優位になるので興奮系、「吐く」ことは副交感神経優位になるので鎮静系に働きます。人間は力を入れることと・息を吸うことは得意ですが、力を抜くこと・息を吐くことは苦手です。鍵となるのは、力を抜くことと入れることのメリハリなんです。人生もそうですよね、パンパンに張っていてはダメ。いかに力を抜くかが肝心なのです。



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