今川 裕貴 院長の独自取材記事
イマガワ歯科クリニック
(大阪市淀川区/西中島南方駅)
最終更新日:2024/11/12

1986年の開業以来、地域のかかりつけ歯科として多様な歯科診療を提供してきた「イマガワ歯科クリニック」。院長を務める今川裕貴先生は、大阪大学歯学部を卒業し、大阪市内の歯科医院で研鑽を積んだ後、2021年に同院へ入職。長年院長を務めてきた父の今川佳光先生から2024年4月に同院を継承した。勤務医時代には特に小児歯科や矯正歯科、インプラント治療の経験を多く積んできた裕貴院長。同院でも患者の要望に応じたさまざまなスタイルの矯正や、精密なインプラント治療を提供している。また、2児の父でもある今川院長は赤ちゃんや幼児の対応にも慣れているため、同院で歯科デビューさせる保護者も多いという。佳光先生と同様「患者ファースト」の診療を大切にする裕貴院長に、クリニックの特徴や診療にかける思いなどを聞いた。
(取材日2024年9月5日)
患者ファーストの姿勢で、専門性に基づく治療も提供
継承にあたり大切にしたことや変えた部分はありますか?

当院には30年以上の歴史があり、開業当初から通ってくださっている患者さんも多くいますので、引き続き安心していただけるよう診療体制を大きく変えることはしていません。治療も「歯科医師主体ではなく、患者さんの希望に寄り添った治療を」という前院長の考え方を継承しています。ただ、より良い治療を提供するために進めるべき所は進めようと、僕が入職してからは先進機器の導入やマウスピース型装置を用いた矯正、インプラント治療、ホワイトニングやセラミック治療などの審美歯科にも力を入れています。
診療する上で大切にしていることを教えてください。
第一は患者さんが何を望んでいるのかを引き出し、それに沿った治療を提供することですね。こちらから治療を押しつけることは決してしません。そのために、治療前に治療内容や今後の見通しをきちんと説明し、患者さん自身が治療方法を選択できるようにしています。中には自分で選択するのが苦手な患者さんもいらっしゃいます。その時はメリット・デメリットを説明した上で、歯科医師の目線から適切と考える治療法を提案します。診療も、随時相談しながら進めることを大切にしています。歯列矯正の際、痛みに敏感な患者さんであれば、少し矯正期間は延長の可能性はありますが、痛みが少なくなるよう装置の調整を弱めるなどしていますね。
どのような症状で通われる患者さんが多いのでしょうか?

基本は一般歯科で、虫歯治療と歯周病治療が中心です。当院の虫歯治療では詰め物やかぶせ物を作る際に使う印象材は、一般的なものに加えてより精密に型採りができる材料も準備しています。詰め物やかぶせ物は、選びやすい価格帯が良い方もいれば、高くても精密で強度のあるものをお求めの方も最近は多くいらっしゃるので、保険適用のコンポジットレジン製のほか、自由診療のセラミック素材もいろいろなタイプをそろえています。歯周病治療では歯科病検査やレントゲン撮影に加え、必要な場合には歯科用CTを活用し、問題点を詳しく調べた上で治療にあたっています。ご高齢の患者さんでは、失った歯を補うための治療も多いですね。当院では通常の入れ歯やブリッジの他に、ばねが目立ちにくい入れ歯やインプラント治療も提供しています。
豊富な経験と精密な検査で安心できる治療を
こちらでのインプラント治療について教えてください。

インプラント治療は、他の歯を傷つける工程がなく天然歯のようにしっかり噛めることが見込めるといったメリットが大きい治療です。当院で大切にしているのは、まずは患者さんが納得して治療に向き合えるよう面談の時間をしっかりと取ること、また精密な治療を提供するために歯科用CTで埋入する部分の骨の厚みや高さなどをしっかりと検査し、骨の状態を適切に把握することを重視しています。また、インプラントの素材もこだわったものを採用しています。勤務医時代に培ったインプラント治療の技術や診断力を生かして、遠くからもわざわざご来院してもらえるような歯科医院をめざしています。
他に注力されていることはありますか?
矯正歯科とホワイトニングなどの審美歯科ですね。矯正はワイヤー矯正とマウスピース型装置を用いた矯正の両方に対応しています。ワイヤー矯正は見た目を気にされる方も多いので、目立ちにくいものを使うこともあります。マウスピース型装置を用いた矯正は僕が勤務医時代にちょうど広まり始めた方法で、多くの症例に対応してきたため、メリット・デメリットを熟知しています。マウスピース型装置を用いた矯正は手軽にできる一方、適応できる限界があります。ワイヤー矯正のほうがより良い治療結果が見込める場合もありますので、その見極めが大事です。患者さんに寄り添いつつ、適切と思える方法を提案しています。
小児の矯正にも対応されていますね。

お子さんの場合は、指しゃぶりや口を開いたまま食べるなどの癖が骨格的な要因を誘発し、その結果、歯並びが悪くなってしまうことも多いのです。当院ではその癖を改善するための指導を行うことで本格的な歯列矯正が必要にならないように導ければと思っています。それでも矯正が必要となった場合には、ワイヤーをつける前に骨格的な問題を改善するための装置を提案するなど、最終的な負担が少なくなるよう努めています。
ホワイトニングはどのような施術を提供されていますか?
当院で提供しているのは、当院の指導のもと患者さんがご自身で施術するホームホワイトニングです。海外から取り寄せたホワイトニングジェルを数種類用意し、患者さんの口腔内の状態やご希望の色味に適したジェルを提案しています。市販のホワイトニング剤に比べ、歯科医院で取り扱えるものは薬液の濃度が高く、自己判断で使うと逆に歯を傷めてしまう可能性があります。だからこそ、事前の口腔内の状態チェックが大事なんです。虫歯や歯周病などがあるとホワイトニング剤がしみる感覚が強く出やすいので、その場合は治療後にホワイトニングに進んでいただきます。また、実際にホームホワイトニングをされて痛みがあるようであれば、ご連絡をいただければ適切な対応ができることも、歯科医院でホワイトニングをする強みだと考えています。
自分で口の健康を保てるようになることが最終目標
小さなお子さんの受診も多いそうですね。

はい。赤ちゃんもご来院していただいております。乳歯が生えた時から虫歯リスクがありますからね。赤ちゃんの場合は、親御さんへの衛生指導が大切。歯磨きの仕方や食生活などの指導をしています。診察中に赤ちゃんが泣くこともありますが、僕も2児の父で下の子は6ヵ月。慣れているので問題はありません。最後まで治療ができなかったことはほとんどなく、嫌がるお子さんにはいきなり治療をすることはなく、歯が痛んだ原因や治療する必要性を本人に説明するだけで終わることもあります。小さいお子さんでもしっかり説明すれば理解してくれて、来院時は皆さん治療を素直に受け入れてくれますね。
今後の展望をお聞かせください。
メンテナンスにも力を入れていきたいですね。治療したら終わりではなく、健康な状態の維持をめざすことが大事。開業当初から通われているご高齢の患者さんでも、メンテナンスをきちんとされている方はしっかりと噛める状態を維持されています。当院では、メンテナンスの際にご自宅でどのようにケアをされているかを確認するとともに、今後めざす口腔内の状態や今ある問題点への対応方法についてお伝えしています。そうすることで日々のケアがうまくできるようになっていただければと思います。当院のメンテナンスの最終目標は、自分で口の健康を保てること。一般的にメンテナンスの目安は3ヵ月に1回とされていますが、半年ごとでも大丈夫なくらいご自身でケアできるようになってもらうのが理想ですね。
最後に、読者へメッセージをお願いします。

特に虫歯や歯周病ではないのに、歯がしみる、噛んだら痛いと不調を訴える患者さんが、性別問わず幅広い年齢層で増えています。この原因の一つは、食いしばりや歯ぎしりです。日常生活のストレスのほか、スマホ操作でうつむく時間が長いと食いしばりがちになってしまうんですよ。放置していると、歯が欠けたり、歯茎が一部分だけ下がったりするほか、歯周病や顎関節症を誘発してしまうこともあります。高齢者の方は、結果として食事が食べづらくなる可能性があるので、予防する意味でも、不調を感じたら早めにご来院ください。就寝時のマウスピース装着や顎のストレッチをするなど、食いしばりや歯ぎしりの症状を軽くするための対応ができます。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミックの白い歯/5万5000円~、インプラント(1歯)/50万円~、ワイヤー矯正/77万円(部分矯正/11万円~)、マウスピース型装置を用いた矯正/77万円~(部分矯正/16万5000円~)、小児矯正/3万3000円~、ホワイトニング/3万3000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。