池尻 良治 院長の独自取材記事
池尻歯科医院
(大阪市淀川区/東三国駅)
最終更新日:2025/04/02

大阪メトロ御堂筋線・東三国駅の5番出口から徒歩1分の場所にある「池尻歯科医院」。院長の池尻良治先生は、虫歯や歯周病をはじめ、小児歯科、顎関節症や噛み合わせの治療など、幅広い診療を行いながら、小児矯正、いびきや睡眠時無呼吸症候群の診療にも力を注ぐ歯科医師。口腔や健康に対する独自の哲学を持つ池尻院長は、ベテランとなった今も積極的に学び、書籍出版やセミナー、講演会などパワフルに活動を続ける。そのすべてはただ「患者さんの健康」のため。患者への深い愛情ゆえに時に厳しさをのぞかせる池尻院長に、診療への思いや信念を聞いた。
(取材日2025年3月13日)
患者を健康にするための歯科医院をめざす
まずは貴院の診療スタンスについて聞かせてください。

当院は歯科医院ですが、ただ歯科治療を提供するだけでなく「患者さんの健康」のためになる大切なことをきちんとお伝えしたいと考えています。虫歯や歯周病のことを軽く考えている人は少なくありませんが、口腔と体はつながっているもの。例えば食生活や生活習慣が乱れると免疫力が低下し、体調を崩しやすくなるだけでなく、口腔内にも不調が起こります。歯茎から出血したり、口内炎ができたりするのは細菌が繁殖しているサイン。そういう状態が続けば、糖尿病や循環器疾患、認知症などさまざまな全身疾患の原因にもなっていくでしょう。私は、自分の体は誰かに治してもらうものではなく自分の意識で治すものだと考えています。ですから、患者さんには厳しいことも言いますし、治療の前に本当に頑張れるのかを確認することもあります。「虫歯だけ削ってほしい」という人には不向きな歯科医院ですね。
中でも食事指導に注力されているそうですね。
食事は、生きていくために必要なエネルギーを取り入れる大切な行為です。しかし、食事を大切にしている人は残念ながらそれほど多くありません。今は朝ごはんを食べずに学校へ行く子どもたちが多いという調査結果も出ていますから、一人でも多くの人に食事の大切さを伝えたいと思っています。「早寝、早起き、朝ごはん。雑穀米、みそ汁、納豆」は、私が患者さんに伝え続けている生活の基本。よく噛んで食べれば唾液の量が増え虫歯や病気になりにくくなりますし、顎も発達しやすくなります。顎が発達すれば良い歯並びを得られることにつながり、呼吸にも良い影響が出る。呼吸がしやすければよく眠れますし、よく眠れたら目覚めも良くなる。朝日を浴びて体内時計のサイクルを整えれば精神も安定し、仕事や勉強もじっくり楽しめるようになりますよ。
患者さんの健康に真摯に向き合っていらっしゃるんですね。

私は「患者さんを健康にするためにはどうしたらいいか?」と考えることがすごく楽しいのです。楽しいから勉強もまったく苦にならないし、学んだことは伝えたくなる。真摯に伝えればまっすぐに受け取ってくださる患者さんが増えたら、生活が変わっていくとともに元気で生き生きした表情になると思っていますし、そのような患者さんの様子が見られたら、とてもうれしいです。だから私は患者さんを健康にすることに徹底的にこだわります。当院の治療においては「このくらいで大丈夫だろう」は厳禁です。カルテには患者さんの細かな情報も書き残して治療に役立てています。患者さんとは、歯科衛生士も含めた皆で最善を追求できる関係を築き、どのようなときでも「うそのない医療を提供する」のが私の信条です。
小児矯正や睡眠時無呼吸症候群の治療にもこだわりを
小児矯正にもこだわっていると聞きました。

未来をつくっていく子どもたちには健康に育ってほしい。それは私だけでなく、皆の願いだと思います。そのために必要なことの一つは、成長に合わせて正しい口腔機能を獲得していくことだと思います。矯正治療は審美面が注目されますが、実は正しい口腔機能を獲得するための治療。そこで当院では永久歯を抜歯せず取り外しのできる機能矯正装置を使用して、噛み合わせや口腔機能の獲得にこだわった矯正治療を行っています。装置の装着は就寝時を含む10時間なので、勉強や遊び、食事や歯磨きの邪魔になりません。また、自分の舌や噛む力を利用して自然にじっくりと治していくので、痛みが出にくいのも特徴です。治療期間は約4年と長くかかりますが、将来的に大人の矯正をする必要がなくなることにつながるため、トータルで見るとお子さんにかかる負担は少ないと思います。
機能矯正装置を採用した理由はありますか?
当院で矯正治療のやり直しを希望される患者さんの中には、小児矯正経験者がたくさんいらっしゃいます。「わが子に苦労をさせたくない」と、両親が愛情を持ってプレゼントした治療であるにもかかわらず、顎関節症に悩んだり、歯が並んでいるようでもうまく噛めなくなったりする人がいる。ものすごく残念ですよね。私はこうなる大きな原因は抜歯をして治療をすることと、噛み合わせを合わせてないからだと考えています。そこで何か方法はないかと学んでいる時に出合ったのが機能矯正装置を利用した矯正治療。これは噛み合わせに非常にこだわった治療法ですし、基本的には非抜歯で行える点も素晴らしいと思っています。治療後に前よりも良くなっていることや、治療したことを後悔しなくて済むような矯正治療を希望するなら、ぜひ相談してほしいです。
睡眠時無呼吸症候群の治療にも熱心に取り組まれていますね。

歯科医院でなぜ睡眠時無呼吸症候群の治療をしているのか? と思う人もいるかもしれませんが、睡眠時無呼吸症候群は歯並びや顎の形態などが症状に深く関わっている歯科と関係性が深い病気です。日本人は欧米人に比べると首が短く、顎の骨格も小さいことが多い。そのせいで歯並びが悪く、舌が正しい位置にないことがとても多いのです。睡眠時無呼吸症候群は太っている中高年期以降の病気だというイメージが強いかと思いますが、これらの条件がそろうと、痩せている人や若い人が発症することも珍しくありません。それどころか小児で発症しているケースもあります。いびきや無呼吸が気になる場合はもちろんですが、集中力の低下や慢性的な疲労を感じる場合は一度ご相談いただけたらと思います。
これからも自分の歯と健康を守りたい人とともに
睡眠時無呼吸症候群の治療法についても詳しく教えてください。

当院では就寝時にマウスピースを用いる方法で治療を行っています。寝ている時に空気の通り道である気道を塞いでしまっている大きな原因は、舌の落ち込み。マウスピースで、気道を塞がないように顎を前に出した状態を保つことで、いびきや無呼吸がなくなることにつながり、睡眠の質改善が図れます。実は当院のマウスピースには私のこだわりが詰まっていて、通常就寝時に使用されるマウスピースとは違い上下が固定されていません。睡眠時の顎の自然な動きを妨げないため使用中の違和感も少なく、顎関節へかかる無駄な力も少なくなると考え、使用しています。管理も簡単ですから気軽に始められますよ。
口腔の健康が、全身にも多くの影響を与えているのだと伝わってきました。
本当にそうなんですよ。私は「歯医者だから歯だけを治していたらいい」とは思わない。もちろん、虫歯を治す、歯周病を治すことは大切です。でも、ただ治したら終わりじゃない。それだけだと、結局は再発してまた治療をすることになると思いませんか? お金もうけをするならそのほうがいいのかもしれないけど、私はそのようなことのために歯医者をやっているわけではありません。私は治療を通してその人の考え方や意識が変わり、食事や生活習慣が変わり、自分のために歯を磨いて、健康になってほしい。患者さんが元気になることがうれしいから勉強もするし、ときにはネガティブなことだってまっすぐ伝えているのです。
それでは最後に、今後の展望についても聞かせてください。

睡眠時無呼吸症候群へのマウスピース、小児矯正装置について社会に認知してもらうことです。歯に関しては「なんでも治します」という気構えです。できる限り痛みの少ない治療をすること、安易な抜歯をしないこと、噛み合わせをきちんと合わせることに関しては歯科医師としてこれからも責任を持ってやり続けていきます。また、より良い情報を皆さんに発信します。正しい口腔ケアの方法や食事まで、スタッフと協力して丁寧に詳しくご説明します。歯の治療を通して元気になりたいと願う人たちに寄り添っていきます。ご自分の歯を守りたい人、わが子の健やかな成長を願う人はぜひ来てもらいたいですね。一緒に健康で明るい未来をめざせたらうれしいなと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正/40万円~、睡眠時無呼吸症候群治療/11万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。