山崎 観千人 院長の独自取材記事
ひろすえ歯科クリニック
(大阪市鶴見区/今福鶴見駅)
最終更新日:2025/11/21
今福鶴見駅から徒歩約5分、大型ショッピングモールの3階に、「ひろすえ歯科クリニック」はある。大規模駐車場も備えた便利な環境にあり、平日は夜9時まで、土曜、日曜、祝日も診療していることから、子どもから高齢者まで幅広い年代の患者が受診する。院長の山崎観千人(みちと)先生は、患者の不安や緊張を少しでも軽減できるよう、問診など患者とのコミュニケーションに注力。症状だけでなく、患者の生活スタイルや歯科診療に対する希望なども総合的に判断し、一人ひとりの患者に適した治療の提供に努めている。「地域の方の歯の健康寿命に貢献したいです」と、語る山崎院長に、同院の診療ポリシーや注力している治療などについて聞いた。
(取材日2025年9月22日)
患者の希望も考慮して治療法を検討する
どのような患者さんが受診されていますか?

ショッピングモール内にあるので、老若男女の患者さんが来られます。お昼までは、子育て中の方やご高齢の方、夕方はお子さんや学生さん、夜6時を過ぎるとお勤めの方が多いですね。忙しいので通院回数を少なくしてほしいというご要望も多く、土曜日などにまとめて治療することも少なくありません。当院の場合、土曜・日曜・祝日も診療しており、平日は夜9時までです。診療は基本的に予約制ですが、急患にも極力対応するように心がけており、平日の夕方までの受診が難しい方や、かかっている歯科クリニックの休診日に歯が痛み出したと受診される方もおられます。予約なしで来られる方は、何かお困り事があって、受診できるところを探して当院に来られるのですから、そのご縁を大切にしたいですね。
診療の際はどのようなことを心がけていますか?
患者さんとしっかりとコミュニケーションを取り、治療を行う場合には、必ずメリットとデメリットを説明するように心がけています。エックス線検査をすると、患者さんが症状を訴えているところ以外にも、問題のある箇所が見えてきます。本来なら、そうした部分も含めてしっかり治療するほうが良いのですが、抜歯など大がかりな治療になることも多く、患者さんの中には、治療によって喪失感を覚える方や、そうした治療を望んでおられない場合もあるのが現実です。このため、治療が必要であることをしっかり伝えた上で、患者さんの意見やご要望も尊重するのが基本姿勢です。その後は、患者さんの状態を診ながら、適した時期に必要な治療をご案内します。当院には、複数の歯科医師が在籍しており、さまざまなケースに各自の得意分野を生かして対応できるのが強みです。
山崎先生のご経歴を教えてください。

歯科医師を志したのは、医療や健康の分野で手に職をつけたいと考えたからです。母親が学校で保健の教諭をしていたので、自宅でも体の健康について話をしてくれることが多く、医療に興味を持つようになったんです。歯科大学に進んで、卒業後は母校の附属病院の総合診療科で研修を受けました。歯科診療には、さまざまな専門分野があるのですが、実際に患者さんを診るとなると、あらゆる症状やお悩みに対応する必要があり、こういった症状に対しては、こうした治療を提供するという診査・診断力を高めたいと考えたからです。患者さんの全体の管理ができる力を養いたいという思いもありました。その後は、兵庫の矯正歯科医院や大阪の歯科医院などに勤務しながら、さまざまなセミナーに参加していたのですが、あるセミナーを通して当院の理事長とご縁をいただき、院長を務めることになりました。
治療の精度アップにデジタル機器を活用
力を入れている診療について教えてください。

予防に注力しています。近年は歯科の治療が進化して、虫歯はもちろん、歯を失った場合にも良い治療が受けられるようになりました。しかし、日頃の予防ケアができていないと、せっかく治療を受けた部分が長持ちせず、別のところに問題が発生するリスクがあります。大事な歯を守るためには、できるだけ削らないこと、可能なら治療の必要がない状態を維持することが大切なんです。治療が大がかりになると、歯のダメージが大きくなり、治療回数や費用も増えて患者さんの負担になってしまいます。とはいえ、現実には大きな治療が必要となる方や、かなり悪い状態になってから受診される方も多く、早期発見のためにも定期検診とその患者さんに合った予防ケアが欠かせません。
歯を失った方の治療にも注力されていますね。
歯を失くした、抜歯しなければならないという患者さんも多く、欠損補綴(ほてつ)といって、インプラント治療や入れ歯、ブリッジなど、失った歯の機能を回復させるための治療に力を入れています。私は、欠損補綴の治療については「入れて終わり」ではなく、噛み合わせをしっかり考えた治療を心がけています。インプラント治療については、診断の精度を高めるために歯科用CTを新しくした上、豊富な治療経験を持つ歯科医師も在籍しているため、骨が不足している患者さんの治療や、多くの歯を失ってしまった患者さんの治療にも対応しています。
他にも先進的な設備を活用しているそうですね。

歯の詰め物やかぶせ物、入れ歯、インプラントにつける人工歯などの型採りには、口腔内スキャナーを使います。従来のネバネバした素材を使う方法は苦手な方も多かったため、患者さんの負担軽減に役立っています。実際にかぶせ物などを作製する際にも、歯科技工所とデジタルデータをやりとりすることで、素材の変形などによる誤差が生じる心配がなく、よりスピーディーに仕上がるのが利点です。作製を担当する歯科技工士とも連携が取りやすく、双方でデータを確認しながら話し合えるので、よりこちらの要望に沿った技工物の作製が進められます。
入れ歯について、先生のお考えを聞かせてください。
何らかの理由で歯を失った場合、基本的にはインプラントや入れ歯などの欠損補綴の治療が必要です。しかし、それらによって噛み合わせのバランスが崩れ、他の歯に負担がかかったり、歯の位置や向きが変わったりすることも少なくありません。また、初めて入れ歯を使う場合、違和感を覚える方も多いと思います。そのため患者さんが入れ歯に何を求めておられるかによって、治療の方向性や入れ歯の設計を変えるようにしています。見た目の回復をめざすのが第一なのか、しっかりと噛める状態をめざすことを優先するのか、隣の歯が傾いたり、向かい合う歯が伸びてくるのを防ぐために入れるのか、患者さんの優先順位をきちんと把握して、それに見合った入れ歯を提供するのが基本姿勢です。かなりご高齢の方が、6番目や7番目の奥歯を失った場合などは、無理に治療を行わないケースもあります。
目標は地域の歯の健康寿命を延ばすこと
お子さんの受診も多いと伺いました。

小児歯科全般に対応していますが、矯正については近隣の矯正専門の歯科医院をご紹介しています。逆に、矯正歯科からのご紹介で、当院を受診されるケースも少なくありません。お子さんの場合、保護者同伴で診療を行うと、どうしても親御さんに頼ってしまい、なかなか治療へと進めないケースも多いため、厳しいと思われるかもしれませんが、基本的にお子さんだけで診療室に入ることをめざしています。もちろん、よほど急を要する場合以外は無理に治療を行うことはなく、お子さんの状態を見ながら進めます。
審美性を重視した治療についてはいかがですか?
白い詰め物やかぶせ物を使った治療に対応しており、セラミック素材の他に保険が適応されるものも提供しています。そして、白い詰め物やかぶせ物を装着すると、「もっときれいにしたい」と考える方もおられ、最近はご高齢の患者さんでもホワイトニングを希望されるケースが増えているんですよ。これまで、さまざまなホワイトニング剤を使ってきた経験から、しっかりと白さを出すことが期待でき、歯茎などに対するダメージが少ない国産の薬剤を使用しています。
休日はどのようにお過ごしですか?
院長に就任したばかりなので、地域のことをもっと知りたいと、都島区や城東区、鶴見区をあちこち散策しています。昼休みや仕事終わりに理事長に食事に連れて行ってもらうことも多く、この周辺のおいしいお店を見つけるのも楽しみです。
患者さんや地域の方にメッセージをお願いします。

予防が定着すると治療が必要となるケースが少なくなると思います。これからも、治療に通ってもらうというよりは、患者さんとのしっかりしたコミュニケーションを大切に、「地域の方の歯の健康寿命を延ばす」という気持ちで、定期検診などの予防ケアを中心に通っていただける歯科クリニックをめざします。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミックを用いた補綴治療/6万6000円~、インプラント治療/1本44万円~、GBR/5万5000円程度、4本のインプラントで義歯を支える治療/275万円程度、6本のインプラントで義歯を支える治療/385万円程度、ホワイトニング/2万2000円~

