中村 輝夫 院長の独自取材記事
中村歯科クリニック
(横浜市青葉区/あざみ野駅)
最終更新日:2026/07/23
東急田園都市線・あざみ野駅から徒歩約3分の場所に位置する「中村歯科クリニック」。中村輝夫院長が1988年に開院して以来約40年間、地元の発展を見つめ続けてきた歯科医院だ。現在の場所には、2009年に移転した。一般歯科、予防歯科、歯周病治療、矯正歯科、インプラント、入れ歯、歯の移植など幅広い診療内容を掲げ、小児から高齢者までさまざまな年齢層の患者が訪れる。診療のコンセプトとして「ヒューマニティに根差した技術と知識」を掲げる中村院長は、好奇心旺盛で年齢を重ねても学び続け、論文執筆や講演なども精力的に行う。中村院長に、地域歯科医療への思いや診療で大切にしていることなど、じっくりと話を聞いた。
(取材日2026年6月26日)
患者が「今一番困っていること」を解決したい
1988年に開業された、歴史ある歯科クリニックなのですね。どのような患者さんがいらっしゃいますか?

当院は1988年に開業し、2009年に現在の場所に移転しました。開業以来、あざみ野地域で地域密着型の歯科医療を提供しています。患者さんは、年齢層では60代、70代の方が一番多いですが、小さいお子さんから90代の方まで、本当に幅広いですね。開業当初から通ってくださっている方や、中には以前勤務していた五反田のクリニックの頃からのお付き合いの方もいて、40年近く通ってくださっている患者さんもいらっしゃいます。なお、睡眠時無呼吸症候群に対するマウスピースの作製を希望されて訪れる患者さんは男性が多く、50代以上が中心ですが、30代の方が奥さまに「いびきがひどいよ」と言われて受診されることもあります。
診療において大切にしていることを教えてください。
私が一番大事にしているのは、まず患者さんが「今、一番困っていること」を解決することです。学問的には「これが良い治療」と思えるものがあっても、患者さんにはそれぞれ生活があります。仕事が忙しい方もいれば、ご家族の事情を抱えている方もいる。ですから、その方の生活背景も含めて「この人にとって何が一番現実的なのか」を考えながら治療方針を決めています。診療のコンセプトとして掲げる「ヒューマニティに根差した技術と知識で人々の生活を豊かにする」とは、まさにその人が持っているバックグラウンドを大切にするということなのです。以前、うつ病がきっかけで食事も十分に取れなくなり、その後認知症も進んでしまった患者さんがいらっしゃいました。そういう場合、理想的な治療を一から進めるよりも、まずは「噛める状態をめざす」ことを優先します。
患者さんとのコミュニケーションで意識していることは、どのようなことですか?

同じ言葉でも、伝え方によって相手に届くものは全然違うと思うのです。例えば声優さんでも、同じセリフを言っているのに、心に響く人とそうでない人がいますよね。それは声の大きさや抑揚、話すスピード、間の取り方など、いろいろな要素があるからだと思います。この前、音に関する本を読んだのですが、音には人の感情を動かす力があるという話がとても印象に残りました。ですから、患者さんと話す時も言葉だけでなく、声の調子や話す速さ、トーンにも気を配るようにしています。大事なのは「あなたのことをちゃんと考えていますよ」という気持ちが伝わることだと思うのです。
睡眠時無呼吸症候群や顎関節症のケアに注力
睡眠時無呼吸症候群に対するマウスピースの作製に力を入れていると聞きました。

睡眠時無呼吸症候群の治療を始めたきっかけは、患者さんから「先生、睡眠時無呼吸症候群の装置は作れませんか」と相談されたことでした。ちょうどその頃、妻から「寝ていると呼吸が止まっているよ」と言われていて、自分も睡眠時無呼吸症候群であることがわかりました。そこで、自分自身の手で、本当に使いやすい装置を作りたいと思ったのです。市販されているものや一般的な装置も含めて比較し、最終的に「これなら違和感なく使えるだろう」というものにたどり着いたのが、7つ目の装置でした。装置を変えては比較し、また改良するということを数ヵ月繰り返しました。「これなら患者さんにも勧められる」という自信を持って、現在の装置を使って治療に臨んでいます。
顎関節症についてもお詳しいそうですね。
顎関節症の研究は私のライフワークでもあり、長年診療してきた経験やデータをもとにまとめています。顎関節症は、いろいろな説があります。噛み合わせが原因だという先生もいれば、そうではないという先生もいます。私は、噛み合わせだけが原因ではないと考えています。ただし、「噛み合わせはまったく関係ない」とも思っていません。顎関節症は、時間の経過とともに自然に改善する方も少なくありません。だからこそ必要以上に治療を加えるのではなく、その方の状態に合わせて適切な対応をすることが大切だと思っています。急性期で痛みが強い方にはマウスピースを使い、慢性的な症状の方には生活習慣や食いしばりなどについてお話を伺い、必要に応じてカウンセリングを行います。それでも改善しない場合は、患者さんの症状に合わせたマウスピースを処方しています。
歯科における全身の健康維持のための取り組みについて教えてください。

歯科医師として全身の健康という点で特に気にしているのが、歯周病とアルツハイマー病との関連です。歯周病の原因菌の1つにPG菌という細菌がありますが、この菌はアルツハイマー病との関連が研究され、注目されています。もちろん、歯周病が直接アルツハイマー病を引き起こすと断言できるわけではありませんが、歯周病はできるだけしっかり治療しておくことが大切だと考えています。歯周病がかなり進行している患者さんは、歯周ポケットが深くなっています。特に6mm以上の深いポケットが複数あるような場合は、PG菌が存在している可能性も考えながら診ています。本来であれば菌を直接調べる方法もありますが、日常診療では簡単に行えるものではありません。そのため、歯周ポケットの状態などを診ながら必要に応じて抗菌薬を使用することもあります。
年に1、2回は歯科検診を受けてほしい
クリニックの雰囲気が温かいですね。スタッフ体制はどのようなものですか。

診療は、基本的には私がほとんど担当しています。今は研修中の若い歯科医師が週2回来ていて、他の歯科医院で勤務しながら勉強したいということで、一緒に診療しています。スタッフは歯科衛生士が4人いて、助手や受付のスタッフもいます。小さいお子さんがいるスタッフも多いですね。子どもが急に熱を出したりすると、お休みや有給の調整が必要になることもありますが、それはお互いさまですから、皆で協力しながらシフトを調整しています。スタッフ同士のチームワークは、とてもいいと思います。私たちが着けているバンダナは、新型コロナウイルスの流行中に髪の毛をしっかり覆う必要があった時に、スタッフが作ってくれた物なのです。一人ひとり柄やデザインが違い、それぞれ気に入った物を使っているのですよ。
お忙しい日々の中、診療以外の日の過ごし方を教えてください。
以前は旅行に行って写真を撮るのが一番の趣味だったのですが、今はテニスですね。週に2回くらい、休みの日には2~3時間プレーしています。この間、運転免許の高齢者講習を受けたのですが、動体視力の検査をしたら「30代、40代くらいの数値ですよ。何か運動をされていますか」と言われたのです。それで「テニスをやっています」と答えました。テニスや卓球、野球のように、速く動くボールを追うスポーツは、動体視力が衰えにくいそうですね。おかげで体力も維持できていますし、目もまだしっかり動いてくれています。これからも健康に気をつけながら、できるだけ長く診療を続けていきたいですね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

歯科医院というと、「痛くなったら行くところ」と思われがちですが、本当は何も症状がない時こそ定期的に受診していただきたいですね。お口の中は自分ではなかなかわからないことも多いですし、歯周病のように自覚症状が少ないまま進行してしまう病気もあります。年に1~2回は検診を受けて、ご自身の健康状態を確認する習慣を持っていただけるといいと思います。私自身も、これからは歯だけを診るのではなく、地域の皆さんの健康を支えるかかりつけの歯科医師として、健康づくりに貢献していきたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とは歯列矯正/小児:6万6000円〜、大人:27万5000円~、インプラント/33万円〜
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

