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松井 重文 院長の独自取材記事

まつい歯科医院

(大阪市北区/天神橋筋六丁目駅)

最終更新日:2026/05/22

松井重文院長 まつい歯科医院 main

複数路線が乗り入れる天神橋筋六丁目駅から徒歩約3分。にぎやかな商店街の近くに建つ「まつい歯科医院」の院長である松井重文先生は、1991年の開院以来、30年以上にわたって地域に根差した診療を続けてきた。痛みの背後にある噛み合わせの不調和や顎のずれといった根本原因を探り、各専門分野を横断して一体的に解決するための「総合診断」を行っていることが特徴だ。何でも根本から追求したくなるという松井院長は、咬合器の考案に携わるほど、歯科診療が楽しくて仕方がないといった様子。「患者さんのストレスを取るために治療をして、私のストレスも患者さんを治療することで取れるので、まったくストレスがない」と笑う。松井院長に、こだわりの治療方針から咬合治療の話まで、じっくりと聞いた。

(取材日2026年4月8日)

何でも根本を知りたいという探究心で総合的に診断

歯科医師を志したきっかけや、この仕事につながったと思うことはありますか?

松井重文院長 まつい歯科医院1

私は医師の家系ではありませんし、就きたい職業についてあまり考えたことはありませんでしたが、自分の能力を生かせる仕事をしたいとは思っていました。私は昔から、一つのことに興味を持つと、とことん掘り下げる性格でした。例えば歴史の勉強をするときでも、さまざまなことが気になって調べ始めるため、弥生時代からなかなか先に進まないということもありましたね。数学は得意で好きでしたが、答えにたどりつく過程に面白さを感じていました。何事でも「根本を知りたい」という探求する精神が、今につながっていると思います。

診療において、患者さんはどのような悩みを抱えて来院されることが多いですか?

最初に来院される際は「歯が痛い」といった急性の痛みを訴えて来られる方が多いです。患者さんとしては早く痛みを取ってほしいと思うのが当然ですが、実は痛みの原因はさまざまです。虫歯などの細菌感染だけでなく、噛み合わせの不調和や顎のずれが原因となって、歯や神経に過度な負担がかかり、痛みとして現れているケースも少なくありません。当院では、まずは痛みを和らげるための処置を行いますが、それだけでは根本的な解決にはなりません。多様な視点から「総合診断」を行い、なぜその痛みが起きたのかという原因を探り、それを取り除くための治療をすることを心がけています。

先生が重視されている「総合診断」とは、具体的にどのようなアプローチなのでしょうか?

松井重文院長 まつい歯科医院2

口の中は、わずかなミクロン単位のずれでも違和感があったり痛みが出たりする、非常に繊細な世界です。例えば、歯が抜けたまま放置すると、顎は低い方向へと適応してずれていき、一部の歯に強く当たる早期接触が生じます。そこで、当たって痛いからと削る対症療法を繰り返すと、結果的にどんどん噛み合わせが悪化する悪循環に陥ってしまいます。そのような事態を防ぐため、保存・補綴・矯正といった各分野の治療すべてを統合して考えるのが「総合診断」です。お口全体を一つのシステムとして捉え、長期的に安定した環境を再構築するために治療を提供するのが私たちの役割です。

3次元的に顎の動きを捉え、噛み合わせを踏まえて治療

先生の歯の治療についてのお考えを教えてください。

松井重文院長 まつい歯科医院3

歯科医師として、歯をよく知らなければいけないと思えば思うほど、「歯はどう進化してきたのだろうか?」と考え始めました。人がこの地球上に誕生した時から、現在の歯の状態であったわけではないですから、治療する際も、その歯の進化の流れに逆らってはいけない、というのが私の考え方です。そして、歯には「噛む」という役割もあります。漢字で書くと「噛む」「咬む」など、他にもたくさんあります。歯の役割や機能も、この漢字の数に匹敵するぐらいある、ということだと思うのです。これらを維持するのも、歯科医師の仕事です。噛んで咀嚼して、体にエネルギーを取り込む。熱すぎてすぐに飲み込めないものは、歯で挟んで少し冷めてから噛む。人と一緒に進化を続けてきた大事な歯に、仕事として関われることをいつも感謝しながら、治療をしています。

仕事や治療を進める上で、大事にしていることは何ですか?

当院には歯科衛生士と受付スタッフがいまして、それぞれがきちんと自分の仕事の役割を果たすことを、まず大事にしてもらっています。私が専門とする咬合治療では、歯に機能づけしていくことが大事です。例えば、かぶせ物を入れた際に「高いから削って低くしよう」ということではないのです。歯は動きますし、顎も適応する。その人の歯が治療後にどうなっていくのか、自分がどんなお手伝いができるのかなど、難しい診断と考え方が必要な部分です。これがもし数学なら、ルールに従って解けば「ゼロ」という数字になり完成、終了かもしれません。でも歯科では「これが絶対に正しい」という治療はないので、ゼロもありません。しかし、そのようなことを私がいろいろと話して、患者さんが不安になってはいけませんからね。歯科衛生士がわかりやすく説明してくれて、帰り際に受付スタッフが言葉をかけて、患者さんを安心させてくれます。これも役割分担の一つです。

オリジナルの咬合器を作られたそうですね。どのようなものでしょうか?

松井重文院長 まつい歯科医院4

咬合器とは、義歯を作製する際などに使用する道具です。一般的な咬合器と違う大きな点は、顎の動きや今ある歯の動きを、必要な3次元的方向で再現できることです。顎の関節を、回転運動と滑走運動に分けて考えることで生まれました。複雑な顎の動きを、より忠実に再現できるので、患者さんがその場にいなくても3次元的に考えることができるのです。また義歯を作るときには、顎をより適切な位置に決めるのに役立ちます。患者さんの多くは、ご自身の顎が後ろ側に動くことを意識されませんが、治療する側は後ろへの動きも計算することが必要なんです。本来の動きを制限せず機能的に動かせるように、また不正咬合を減らすためにも、この咬合器は役立ちます。どういった場合に不正咬合が生じるかの検証にも使えますし、治療のゴールを見極めることにもつながります。

機能美を備えた治療のゴールに向けて、一生の歯を守る

診断後の実際の治療では、どのような工夫をされているのでしょうか?

松井重文院長 まつい歯科医院5

診断で導き出したゴールに向けて、必要な場合は3DCAD/CAMシステムを活用しています。口腔内の情報を3Dデータとして取得して「この位置で歯を当てたい」という理想的な接触関係を、パソコン上で精密に設計します。一人ひとりの顎の運動や歯列の条件に合わせて、適切な位置で機能するよう修復物を作製し、1本の歯の治療であっても、お口全体の噛み合わせを正しい軌道にすることをめざします。ただ欠損部を補うのではなく、なぜそこが悪くなったのかという根本的な原因を断ち切る設計をめざすのです。症例に応じ、かぶせ物や矯正、詰め物などさまざまな手段を柔軟に組み合わせながら、ミクロン単位の精密なコントロールを行っています。

先生がめざす治療の最終的なゴールとは、どのような状態ですか?

私がめざしているのは、歯が互いを守り合い、顎関節の動きと歯の形が相補して、長期的に安定する口腔環境の構築です。歯の噛み合わせが整っていると、上下の歯が正しく機能して、自然と唾液の分泌が促進され、口の中を清潔に保つ自浄作用がしっかりと働きます。また、生理的な歯ぎしりができるようになり、歯への過度な負担も減らすことができるのです。機能がきちんと整った状態をめざすことで、下顎の前歯の露出が自然に増えることが見込め、ひいては審美的にもおのずと整うことが期待できます。痛みなどの症状を取ることをめざすだけではなく、機能美を備えた状態まで到達することをめざすのが真のゴールだと考えています。

良い状態を維持するためには、メンテナンスが欠かせませんね。

松井重文院長 まつい歯科医院6

そのとおりです。患者さんの中には、一時的な痛みを取るための治療を終えると「治った」と判断し、通院をやめてしまう方もいます。しかし、根本的な原因が残ったまま放置すれば、また顎がずれたり、別の部位に負担がかかったりして、結局は痛みがぶり返してしまいます。私たちは、痛みを和らげるために治療をしつつ、患者さんとしっかりと対話を重ねながら、最終的なゴールへと導く努力をしています。治療が完了した後は、せっかく整えた環境を崩さないよう、1ヵ月、3ヵ月、半年と間隔を空けながら、問題が起こる前に定期的なメンテナンスに来ていただくことが何よりも大切です。一生機能するご自身の歯を守るために、長くお付き合いしていきたいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

矯正/15万円~