中島 崇志 院長の独自取材記事
中島歯科医院
(大阪市中央区/谷町六丁目駅)
最終更新日:2026/09/28
100年以上の歴史を持つ「中島歯科医院」は、大阪メトロ谷町線谷町六丁目駅の近くにある。周辺には高層マンションやオフィス、古い民家も残っており、子どもから高齢者まで、さまざまな年齢層の患者が訪れる。中島崇志院長は、2016年に同院の4代目院長に就任した。さまざまな場所で豊富な経験を積んできた中島院長は、丁寧な説明と、患者一人ひとりに合わせた適切な治療の提供に努めている。「適切だと感じた治療については、患者さんが納得してくれるまで、じっくり時間をかけて説明します」と語る中島院長に、歯科医療にかける想いや、今後の展望などについて聞いた。
(取材日2026年8月20日)
歴史ある歯科医院でかかりつけとして地域を支える
歯科医師をめざしたきっかけを教えてください。

当院は、開業してから100年以上がたっています。曽祖父がこの地で開業し、祖父、母と続いて私で4代目になります。歯科医師を志したのは、祖父や母が診療している姿を見て育ったため、小さい頃から歯科医師になるものだと思っていたからです。子どもの頃から細かい作業や考えることは好きだったので、歯科医師に向いていたのかもしれませんね。
歴史あるクリニックを継承されて、いかがでしたか?
この辺りは現在、高層マンションやオフィス街になっていますが、古い民家も残っています。地域に長く根づいて診療しているため、親子で通っている患者さんや、祖父の代から来院されている患者さんもいらっしゃいます。患者層は幅広く、お子さんからご高齢の方まで来院されます。2016年11月の、院内の改装を機に院長を引き継がせていただきました。現在の歯科医院を建てたのは祖父ですが、しっかり考えて造られていたので、いろいろと間取りを考えた結果、今までどおりが一番良いと思ったんです。機器や内装は新しくなりましたが、診療室や待合室、歯科技工室などの配置は、昔と変わっていません。また、患者さんとの向き合い方や地域の歯科診療所としての役割は、初代から続いて継承できていると思います。
前院長であるお母さまから学んだことはありますか?

私は大学病院に勤務した後、医療機関を複数箇所かけ持ちして働いていました。その後、当院に入り、母とは2年間一緒に働きました。患者さんとの接し方や、患者さんの話をよく聞くことが大切だということは、母から教わりました。患者さんに親しまれる一方、治療に関する話は、しっかりと説明する姿が印象に残っています。母と2人で診察していたことと、親子で通える歯科医院ということから、当院のロゴはカバの親子のマークです。歯だけのロゴだと抜けた後の歯のイメージになってしまうため、カバの口の部分を歯のマークにデザインしたものを、知り合いの方に作製していただきました。
丁寧な説明と個々に合った治療で健康な歯をめざす
診療の際、大切にしていることを教えてください。

患者さんの希望を聞き、納得してもらった上で治療を行うことを大切にしています。患者さんの希望は変わってきます。最初はとにかく「痛みをなくしてほしい」から始まっても、それがクリアされると、次は「ある程度ちゃんと噛めるようになりたい」に変わる。その後「見た目もきれいなほうがいいな」とか「使い心地を良くしたい」というように、治療が進むにつれて変わっていく時があります。だから、患者さんの本当の望みを読み取ることは、すごく難しいなと感じています。時には治療の途中で、治療計画を柔軟に変えていかなければならないこともありますからね。そこが難しいところなのですが、できるだけ患者さんの望みを尊重したいと思っています。
患者さん一人ひとりに対し、真摯に向き合っているのですね。
患者さんの本当の望みを対話の中から見つけ出し、良い方向へうまくナビゲートするのが、私の役割なのかなと思っています。必ずしも理想の治療計画どおりでなくても、患者さんにとって納得できる選択となり、満足いただけることがあります。そのために、患者さんが本当に悩んでいる核心がどこにあるのかを、じっくり探りながら進めていきたいですね。お口の悩みは、自分だけで考えていても解決できません。「アレルギーがあるから診てもらえないかも」と1人で悩んで、数年も受診できずにいた方がいました。そういった「歯医者さんに行く踏ん切りがつかない悩み」にも答えたいと思っていますし、一緒に解決していけたらうれしいです。
普段の診療の中で、やりがいを感じる場面はありますか?

私のモットーは「お口の中のことで困っている患者さんを助けること」です。歯が痛い・入れ歯が合わない・詰め物が取れた・歯と歯の間に物が詰まって取れないなど、患者さんそれぞれに困っていることがあります。例えば、応急処置だけしてほしいと希望される方には、「今後こういう症状が出る場合は来院してください」と説明するようにしていますし、治療後には「気になったら、いつでもご連絡ください」と声をかけるようにしています。仮に後日症状が出た場合も、患者さんに気兼ねなく受診していただきたいからです。現在の症状やエックス線写真などから診査・診断し、できる限り患者さんにとって適切な治療方法を提案し、説明します。お互いに納得できてから治療することを心がけています。そういった診療をしていく中で、信頼していただき、患者さんがご自身の家族や親類、同僚などを紹介してくださることがうれしいですね。
予防や長年通えていなかった方の窓口となる歯科医院
予防歯科に対しては、どのようなお考えをお持ちですか?

当院は、虫歯になってしまった方や長年歯医者から足が遠のいていた方でも気兼ねなく受診できる医院であることを大切にしています。ただ、やはり症状が出る前に防いであげたい思いはありますね。痛くなってから来られる方が多く、自覚症状がないまま悪くなってしまうこともあるので、何もトラブルがなくても、気軽に検診に来てほしいです。でも、何もないのに通ってもらうための動機づけって本当に難しいんですよね。1回痛い思いを経験し、そこから定期的に通うようになることもあると思いますし、本当に人それぞれだと思います。だからこそ、足が遠のいてしまった方でも気まずくならずに、いつでも戻ってこられるような場所にしていたいですね。
患者さんには、どのようにクリニックを活用してほしいですか?
当院では、病気のある患者さんの治療にも対応しており、現在、歯科治療を行うにあたって適切な配慮が必要な方も来院されています。例えば、チェアに長く座っていられない、院内の機械を触って遊んでしまうようなお子さんもいらっしゃいます。全身麻酔を使った大学病院での治療や専門の歯科医院での治療が必要な方でも、当院でフッ素塗布やクリーニングなどの定期検診や口腔ケアができる場合があったりと、専門機関との役割分担も行っています。専門的な治療ができる医院には限りがありますし、距離が遠く、頻繁に通うことが難しい方もいらっしゃると思うので、他の医院では対応が難しい場合にもぜひ当院に相談していただきたいです。もし治療が困難な場合は大学病院や専門の歯科医院に紹介しますが、当院でもできることがあれば、積極的に手助けをしていきたいと考えています。
読者へのメッセージをお願いします。

定期検診は3~4ヵ月に1回が理想ですが、お忙しい方は1年に1回でもいいので、見せてもらいたいです。「自分は虫歯になりにくいから検診はいらない」という方もおられますが、お口の環境や唾液の量は年齢とともに変化します。虫歯に強くても実は歯周病が進んでいたり、歯がすり減ることで噛み合わせが変わったりすることもあるんです。ご自身で何ともないと思っていても、油断は禁物だと思っています。地域のかかりつけとして、どんな些細なことでも相談に乗りますので、どうか気軽に頼ってください。

