全国のドクター9,295人の想いを取材
クリニック・病院 158,642件の情報を掲載(2024年4月20日現在)

  1. TOP
  2. 大阪府
  3. 大阪市中央区
  4. 心斎橋駅
  5. のい歯科クリニック
  6. 野井 晃正 院長

野井 晃正 院長の独自取材記事

のい歯科クリニック

(大阪市中央区/心斎橋駅)

最終更新日:2021/10/12

野井晃正院長 のい歯科クリニック main

にぎやかな心斎橋筋の中心部にある「のい歯科クリニック」。2015年4月に、34年間続いた前歯科医院の後を受け継ぐ形で野井晃正先生が開業した。「前院長が大切にしてきた患者とのコミュニケーションをしっかり継承していきたい」と、丁寧かつ適切な治療を心がけている。院内は白とベージュがメインのインテリアで、2つある個室診療室の1つからはベランダの坪庭が見えるなど、落ち着いた環境。診療室を個室にしたのは、子ども連れの保護者が、子どもの泣き声などで周囲に気を使わなくていいようにとの思いからだそう。小児・障害児の歯科治療経験もある、野井院長らしい温かな視点だ。そんな野井院長に、開業のいきさつやクリニックの特徴、歯周病予防と歯磨きについてなどの話を聞いた。

(取材日2017年7月10日)

尊敬する前院長の志を継ぎコミュニケーションを重視

以前からあったクリニックを引き継ぐ形での開業だったそうですね?

野井晃正院長 のい歯科クリニック1

歯科の団体からお話があったんです。東歯科医院の東先生が、引退にあたって患者さんを引き継いでくれる人を探していると。私は、父が淀屋橋で歯科医院をやっているので、継承しようか悩みもあったんですが、よく「父親のところに息子が入るとけんかになる」というので(笑)、父もまだ元気で現役を続けるというし、だったらこちらをやらせてもらおうかなと思ったんです。東先生は患者さんとのコミュニケーションをとても大切にされていた先生で、患者さんも治療というより先生とおしゃべりをしに来ているようなところもあったそうなんですが、私もそういう東先生の思いを大事にしながら診療していきたいと思っています。現在も患者さんの半分は東歯科医院時代からの患者さんです。東先生には親切に、息子のように接していただいて感謝しています。そんな東先生は硝子切子作家になり、診療所で定期的に展示するなど今でも親交があります。

心斎橋の商店街の真っただ中にあるという立地がとてもユニークですね。

このビルは、大阪では有名な呉服屋さんのビルなんです。若い世代は知らないかもしれませんが、大阪で私より上の世代の人ならみんな知っている老舗の呉服屋さんです。そんな有名なお店のある場所に歯科医院を開けるなんていうことは、なかなかありませんよね? 周囲にはファストファッションのお店や有名な洋菓子屋など、有名なお店や飲食店がたくさんあって、昼夜を問わずにぎやかです。外国人も多く、活気がありますよ。それから、この診療所は心斎橋商店街のアーケード内にあり、地下鉄の駅から近いので、雨に塗れたり日差しが嫌な方でも、濡れずに、焼けずに来られますよ(笑)。

先生のクリニックの特徴は?

野井晃正院長 のい歯科クリニック2

患者さんがなるべく歯科医院にいることを意識しないで済むクリニックでありたいと思っています。それは、前院長の東先生のお考えと一緒です。だから治療器具もあまり目立たないようにしているんですよ。あと、診療は1時間に2人と決めています。あまりバタバタしていると、患者さんが、私やスタッフに聞きたいことがあっても聞きづらいと思うからです。私が以前勤めていたところは非常に忙しく、朝から晩まで患者さんが押し寄せていました。そうするとなかなか患者さんの本音も聞けないし、根本的な治療というより痛み止めの処置しかできないので悩んでいたんです。今のスタイルで開業してから、そういう悩みはなくなりました。今後、さらに新しい機械を導入しながら頑張っていきたいと思っています。

患者個人の事情に合わせ、無理のない治療計画で

先生の診療方針を教えてください。

野井晃正院長 のい歯科クリニック3

「患者さんにとって最良と思われる治療を、一人ひとりの患者さんの立場に立って検討する」ということです。治療の内容や進め方については、患者さんと相談しながら決めていきます。患者さんには、みんなそれぞれに違った生活背景がありますから、どんな仕事をしてどのように暮らしているのか、いろいろとお話をしてみないと、治療もそうだし費用の面でもちゃんとした提案ができません。例えば、患者さんに「ローンを組んで治療する」と言われた場合、そこまでする必要がなければ、はっきりそう言います。また保険診療の場合でも、ブリッジなどで大きな金属だと、1万円を超える場合があるんです。それを知らせずに治療したら、患者さんはびっくりしてしまいますよね? だから治療計画をつくって「これだけかかりますよ」と、きちんとお伝えするようにしています。

患者さんの治療に対するモチベーションをアップするために、工夫されていることはありますか?

治療の過程を一つ一つ画像に撮って、患者さんにも見てもらいながら進めるようにしています。治療の過程が見えないと、なぜそこが虫歯になったのかということがわからないんです。普段、どこが磨けていないのかということですね。虫歯といっても細菌ですから、きちんと磨いて歯垢がなければ虫歯になることもありません。患者さんにはそこを一緒に勉強していただかないと、また虫歯ができてしまいます。悲しいのは、私たちは歯を元どおりに再生しているわけではなく、詰め物をして修復しているだけです。そういうところはまた必ずほころびが出るんです。だから、痛くなってから歯科医院に行くんじゃなくて、普段の予防をしっかりして、二次的な虫歯をつくらないようにしていただきたいですね。

虫歯や歯周病を予防するため、歯磨きで気をつけたほうがいいことは何ですか?

野井晃正院長 のい歯科クリニック4

歯周病は、なかなか意識しにくい病気です。とにかく「食べたら磨く!」これが大切です。市販の歯ブラシをただなんとなく使っているだけでは歯垢は取れていませんよね。自分に合った歯ブラシや歯間ブラシを歯医者さんで相談すれば選んでもらえ、磨き方と一緒に指導してもらうことが予防につながります。

子ども、障害児の歯科治療経験を生かして

診療室が個室になっていますが、どのようなメリットがあるのでしょうか?

野井晃正院長 のい歯科クリニック5

小さいお子さんを連れていらっしゃるお母さんたちは、皆さん、子どもの泣き声が周りの人の迷惑にならないか、とても気を使っていらっしゃるんです。個室で診療できれば、お子さんがいくら泣いたり騒いだりしても、お母さんが周りを気にしなくて済むので気が楽なんじゃないかと思ったんです。小児・障害児の歯科治療経験もありますので、少しでもお子さんや保護者が伸び伸びと診療に臨める環境にしたいという思いもありました。それからもう一つ、個室だと、患者さんが私には話しにくいことを、私が出て行った後でスタッフに話しやすいんです。外に聞こえませんからね(笑)。

子どもの虫歯予防に関して、親の意識も変化してきたと思われますか?

現代は共働きの家庭も多く、親御さんはみんなとても忙しいです。でも、まず親御さんが「予防が大切」という意識を持つことが大事なんです。親御さんの意識が変わらないと、子どもも変わりませんから。逆に親御さんが変われば子どもも自然とついていきます。忙しい親御さんには、「朝の仕上げ磨きができないのなら夜やってみましょう」とか、やりやすい方法を一緒に考えていくようにしています。今の親御さんたちは歯医者に行くとお金がかかることがわかっていますから、自分の子どもには小さいうちから歯を守る方法を教えて、将来、歯に余計なお金を使わなくて済むようにしようと意識されているようです。「今の親御さん方、よく考えている。さすが!」と思います。

ところで、そもそも先生はなぜ歯科医師になられたのですか?

野井晃正院長 のい歯科クリニック6

父が歯科医師でしたが、だから自分もなりたいと思ったわけではないんです。私は中・高・大のエスカレーター学校へ入学しましたが、弟や妹が医学部志向で父から「後継ぎだけが医療系に進まなかったらみじめだぞ」と言われ、ギリギリになり慌てて歯科大学をめざしました。周りからは「もったいない」と言われましたが、今ではそれが幸いしています。中・高時代の友人が来院してくれていますからね。父に影響を受けたのは歯科医師になってからです。

どんな影響を受けましたか?

診療理念です。父の歯科医院で掲げている理念「なきたいわ歯科からの脱却」を私も踏襲しています。な:長くかかる治療、き:汚い、た:高い、い:痛い、わ:わからない治療内容のことを示し、これらの脱却をめざしている父の背中を見て、私も患者さんにとって有益な治療を行う歯科医院にしようと思っています。また、尊敬する東先生の志を継ぎ、この地で20年、30年と頑張っていく決意です。

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

Access