全国のドクター8,986人の想いを取材
クリニック・病院 161,453件の情報を掲載(2020年2月18日現在)

  1. TOP
  2. 大阪府
  3. 大阪市中央区
  4. 大阪ビジネスパーク駅
  5. 医療法人双幸会 ツインデンタルクリニック
  6. 呉 沢哲 院長

呉 沢哲 院長の独自取材記事

ツインデンタルクリニック

(大阪市中央区/大阪ビジネスパーク駅)

最終更新日:2019/08/28

108184

長堀鶴見緑地線大阪ビジネスパーク駅から徒歩3分。MIDタワーと名付けられた地上38階建て、2棟のビルなどから構成されるツイン21。この超高層ビルMIDタワー21階に「ツインデンタルクリニック」が開業したのは、2006年のことだ。以来、歯科、矯正歯科、小児歯科、歯科口腔外科、咬合治療、訪問診療を行ってきた。平日は診療、休日は学会やセミナーに時間を割くという呉沢哲(オウ テッチョル)院長。休む時間が無いのでは、と問うと、「私を始め、当院のスタッフは、働けば働くほど元気になるのです」と、いたずらっぽい微笑みを浮かべる。なぞかけのような言葉の意味、職場づくり、注力したいことなどを聞いた。
(取材日2017年6月21日)

訪問診療での経験から、健康のトータルサポートを実践

歯科医師を志したきっかけについて、聞かせてください。

1

手に職を持て、という両親のアドバイスで、歯科医師を志しました。ルーツを朝鮮半島に持っていたことから、親の世代は、日本での生活において大なり小なり苦労をしたようです。その経験をふまえてのアドバイスと、自分自身が文系よりも理系が得意だったことを鑑みて、医師の資格を得ようと思いました。志したこと自体に、こだわりはありませんでしたが、結果として歯科医師を選んで良かったと感じています。それは、口腔の健康と全身のそれとの関係性が、この10~20年でだんだんと解明されてきたからです。言うまでもなく、口は体の一部。健康を考えていくならば、医師がサポートに当たったほうがいいと考えていますし、すでにそのための取り組みも始めています。

口腔の健康と全身の健康とが関係しあうということは、どういうことでしょうか。

大阪大学歯学部を卒業してから、居宅や施設で約10年、訪問診療を行ってきました。現場では、さまざまな理由で身体機能が弱くなり、車いすを使っていたり、猫背に悩んだりしている方と出会い、お話をさせていただきました。口腔の健康状態がすべての原因では無いですが、まったく歯が無い方の口腔環境を、入れ歯で改善したことで、車いすに頼ることなく移動できるようになった例があります。他にも、認知症のために不明瞭だった発音が、入れ歯をしてから徐々に改善したり、胃ろうをしていた方が食べ物を口から摂取できるようになったり、という場面を目にしてきました。こうした経験から、口腔の健康と全身の健康とは切り離せないものだと考えています。

働けば働くほど元気になる、という職場づくりについてお聞かせください。

2

超簡単生活習慣「若さこそ星」の実践です。ワは笑い、カは家事、サは茶話(会話)、コは呼吸、ソは咀嚼、ホは歩行、シは姿勢です。患者さんに生活習慣を見直してもらう際にお願いしていることですが、自分が良いと思っていないと、重要性が相手に響きませんよね。ですから、私が見本となって、スタッフにも習慣を見直してもらっています。特に家事のテキパキした動きは、情報保持と情報処理能力を司る仕事脳を鍛えます。これを鍛えると、抗疲労作用があることもわかっています。働くほど元気になるとは、こうした作用に基づくものです。スタッフは医院の宝ですから、全員の有休取得など、やりがいや休暇、健康には気を配っています。

患者の健康は、スタッフの健康から始まる

歯科医師による健康サポートとは、どのようなものでしょうか。

3

当院では、この取り組みをヘルスコーチングと呼んでいます。目標は、病気にならない生活習慣をつくるために、現在の行動パターンを見直し、変えていただくことです。1日パソコンと向かい合い、通勤はエスカレーターや電車を使うため、歩く機会が少ない、これが、現代の主な生活習慣でしょう。運動をすることが少ない環境で、知らず体は弱くなっています。こうした生活を続けて、病気になってから対処するよりも、病気にかからないよう習慣を見直していただくほうが、時間的にも経済的にもご負担が少ないです。ただ、虫歯などを治療にいらした患者さんに、口腔内以外の健康の重要さをお伝えし、ご賛同いただくことは容易ではありませんね。

患者さんに伝えることもしていらっしゃいますね。

はい。健康増進型歯科医院と称して、さまざまな環境づくりをしています。ひとつは、待合室に健康本を置いて、無料で貸し出ししたり、ホームページ内に健康ブログを設けて、2週間に1回程度、健康情報を発信しています。また、健康度を測る精密体組成分分析器を設置して、定期検診の患者さんを中心に、ご希望に応じて無料で測定や説明をさせていただいて、健康のきっかけづくりをしています。このような健康増進型の環境づくりのもとに、患者さんの関心度に合わせて、ヘルスコーチングをするわけです。

ご自身の健康維持のために行っていることがあれば、教えてください。

4

患者さんに行動を変えてもらう前段階としてスタッフにも行動を見直してもらっています。提唱者である私が、身体と向き合い、理想の健康状態をめざしていなければ、説得力がありませんよね。ジム週2回、ランニング5キロを週1回、それから家事ですね。ここ5年、洗濯と食器洗いを済ませてから出勤するようにしています。家事は仕事脳を鍛える作用があるとお話ししましたが、純粋な身体活動としても毎日無理なく行える点で、とても良いです。

歯科医院から、健康に対する意識を変革していきたい

口腔以外の健康へ目を向けてもらうことは難しいとのことでしたね。

5

ヘルスコーチングは、人生において大切な役割を果たします。難しいからと、ご提案を止めることはありません。関心を持っていただくために実施していることをご紹介しましょう。一つは、問診票で現在の健康状態を認識していただき、その上でなりたいご自身像をイメージしていただくものです。慢性的に疲れている今の自分が、未来ではどうなっていてほしいですかと問いかけるわけです。また、ご自身の健康は二の次三の次、という方も多いですね。そうした方には、会社勤めができる健康状態でいることが、奥さまやお子さんなど、身近な人のためになっていることをお伝えしています。このようにして、健康に対する再認知を促しています。

習慣改善の必要性を知った方に、具体的にどんな提案をするのですか。

習慣改善の重要性を自覚しておられても、家事をテキパキやろう、毎日一万歩歩こう、と決めただけでは、すぐに止めてしまいます。継続のためには、いつ・どこで・何を・どうする、を明快にし、課題を生活導線に落とし込むことが大切です。ここ最近は咀嚼をテーマに、「毎食、一口食べ物を口に入れたら、箸を箸置きに置く。飲み込んでから箸を手にとる」という提案をしています。ただ、これはとても簡単なことだと言っても、あくまで院長である私の主観です。例えば、どうしても笑顔を作れない方もいらっしゃるでしょう。そうした方には、健康習慣の7項目に固執せず、その方が簡単にできることを一緒に探し、それを生活導線に落とし込んでもらうようにしています。

今後の展望をお聞かせください。

6

あらゆる世代の人が、半年に一度通う場所が歯科医院だという事実を、ご存知でしょうか。全国に7万軒近くある歯科医院が、訪れる人に健康について考えていただくきっかけを提供できるようになれば、健康に対する意識を、広範囲で高められると思いませんか? ヘルスコーチングを実施している歯科医院は、まだ数えるほどでしょう。ですが、当院の取り組みをセミナーとしてシェアしてほしいというご依頼をいただくなど、関心は強くなってきています。もっと全国の歯科医師に向けて情報を発信し、ヘルスコーチングの輪を広げ、歯科医院を健康ステーションとして機能させていきたいですね。

Access