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本城 範典 院長の独自取材記事

本城歯科医院

(大阪市中央区/天満橋駅)

最終更新日:2019/08/28

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大阪市中央区大手通。天満橋駅と谷町四丁目駅の中間辺りにある「本城歯科医院」は、戦前より長く歯科医院を営んでいる。待合室には花や絵画が飾られ、リラックスできる空間。スリッパ収納箱も歯の形がデザインされ、インテリアにもこだわりがうかがえる。家族経営のアットホームな歯科医院には、先代の時代から長く通っている患者も多いそうだ。「基本に忠実に丁寧に」をモットーとし、患者とのコミュニケーションを大事にしている本城範典先生に、歯科医師としてのこだわりを聞いた。
(取材日2017年5月16日)

地元で90年続く、アットホームな歯科医院

こちらの医院は開業されて長いのですか?

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私で3代目になります。祖父の頃から歯科医師をしておりますので、もう90年くらいになります。戦前はここから少し離れた場所でやっていましたが、戦後にこちらに移転して70年余りになりますので、患者さんは父の代からの地元の方が多いです。私はこの町で育ち、大学は大阪歯科大学に進学しました。大学院では、歯周病と口腔内細菌の研究をしていたので、歯周病をメインに仕事をしたくてこちらに戻ってきたのです。大学院を卒業した後、1984年にこの医院を継ぎました。

先生が歯科医師をめざしたきっかけは何だったのでしょう?

祖父も父も歯科医師でしたが、私自身は、当時日本でも人気だったアメリカの総合病院が舞台のテレビドラマに憧れて医師をめざしました。今、私が着ている白衣も、そのドラマの主人公と同じ名前がついています。大阪歯科大学で5年生になった時、歯周病学教室で臨床実習があり、当時の教授が「この患者の抜髄(ばつずい)をしなさい」と神経を取る処置を私に任せてくれました。何時間もかかって抜髄をしたのですが、教授は時々様子を見に来て「まだやっているのか?」と声をかけられ、私は「はい、もう少しです」と答え、最後まで教授は私に患者を任せてくれたんです。そのときに私は卒業したら「この教授の元で勉強しよう、この教室に残りたい」と思いました。その患者さんは私が大学院の頃も定期的に通って、今も当院に通院されているので、かれこれ40年近いお付き合いになります。

長く通われている患者さんが多いのですね。

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当院の持ち味はメンテナンスが多いことです。歯の治療で歯石だけを取って、その後の経過を診ない医院もありますが、せっかく治った以上、管理をきちんとしないといけないと思うんです。日々の歯磨きはもちろん大事です。それから歯が痛くなってから来院される患者さんは多いんですが、虫歯や歯周病は痛くなっているときには、すでに症状がかなり進行しています。歯の健康を考えるなら、痛くなってから歯科の診察を受けるのではなく、痛くなる前に治療を行うことが大切です。ですから、ぜひ定期検診を受けていただきたいと考えています。虫歯や歯周病の治療をして治った後でも、口内環境が悪くなればまた再発しますよね。定期的にメンテナンスをしていれば、少しの治療で済みます。面倒に感じる方もいるかもしれませんが、年に1~3回程度で十分ですから、歯科医院できちんと定期検診を受けてほしいですね。

虫歯や歯周病などの疾患から歯を守るため定期検診を

先生は歯周病の治療に力を入れているそうですね。

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歯周病は、歯の表面に歯垢や歯石が付くことで、その中の細菌が繁殖して炎症を起こし、歯を支えている歯肉と歯槽骨が侵される病気です。歯周病菌は血管を通って全身を駆け巡り、あらゆる疾患を引き起こしています。歯周病治療をすることは全身の健康を守る上で重要です。治療としては、まずは検査で歯周ポケットの測定、レントゲン撮影、口腔内写真の撮影、それを資料として集めて、患者さんに状況と治療法を説明します。歯磨きや歯石を取る基本的な治療をし、それでも治らない部分は、歯周外科処置が必要です。治療終了後は歯周ポケットを測定して定期的なメンテナンスとなります。

歯の健康の上で基本的なことですが、歯の磨き方なども指導されていますか?

基本的な治療の中にブラッシング指導も含んでいます。歯周病の治療中でも歯茎が悪いときの磨き方と、歯茎が引き締まってきたときの磨き方は違います。歯茎が腫れているときは毛足のやわらかい歯ブラシを使わなければいけないし、それぞれの状況や段階に応じて、磨き方も、口の中に対するアプローチも変わってきます。例えば歯茎が急にやせたらしみますので、しみない磨き方も考えなければいけないですよね。口の中の状況に合わせて「今の段階ならこのような歯ブラシを使う」と指導も変えていきますので、最初にやったことがずっと続くわけではありません。また、定期検診ではPMTCという管理方法でフッ素を塗布を行います。フッ素は歯面にプラークが付着するのを阻止し、歯のエナメル質に作用して歯を丈夫にして、酸に溶けにくい抵抗力のある歯質にします。また、初期の虫歯では再石灰化を誘導します。

「歯牙移植」など口腔外科の治療もされているのですか?

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歯が抜けたときの治療として「自家歯牙移植」と「インプラント」の2つの選択肢がありますが、インプラントはチタンで出来た人工の歯根を骨の中にねじ込んで骨と一体化させる方法です。残念なことに手入れが悪いと天然歯と同じように歯周病になるリスクもあるので、治療後のケアも大事になってきます。5、6年前くらい前からは、インプラント治療を専門としている後輩医師に患者を依頼し、私は治療後の管理のみ行っています。「自家歯牙移植」は、親知らずや骨の中に埋まっていて機能していない自分の歯をドナー歯として移植する方法です。歯根膜があるので移植後も自然な形で再生して自分の歯として噛むことができます。移植後にきちんと定着するまで洗浄しなければいけないし手間暇はかかりますが、保険が適用になりますし、インプラントほど治療費が高額でないので、条件さえ合致すれば自家歯牙移植には十分メリットがあります。

「基本に忠実に丁寧に」が診療のモットー

「いびき治療」もされているそうですね。

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実は私自分がいびきをかくことから、10年くらい前に着目し、当院でも「いびき治療」を始めました。「習慣性いびき症」など睡眠時呼吸障害の患者さんが増加しています。寝たときに舌が沈下し気道が狭くなり、そこに空気が通ると周囲の組織が振動していびきが起こります。これを防ぐために、マウスピースを勧めています。呼吸器の外来で「いびき」の診断書があれば保険診療が適用されます。歯科のみで治療するのではなく、医科と連携をしてよりスムーズな診療をめざしています。

診療の際に心がけていることは何でしょうか?

患者さんに症状と治療方針を十分に説明し、治療の大切さを理解していただき、少しでも痛みの少ない治療を心がけています。「基本に忠実に丁寧に」が私のモットーです。歯を丈夫に長持ちさせるために、期間をかけて丁寧に治療していきます。奇抜なことよりも安定が大事ですね。それから、スタッフ全員患者さんとのコミュニケーションを大切にしています。歯科衛生士で1時間と、1人の患者さんに対する時間をたっぷり取っています。長く時間がかかってもきちんと治療して安心して通ってもらえる医院をめざしています。家内は大学の同級生で、いわば同志です。矯正治療、小児歯科、う蝕装置、歯牙移植などを中心に仕事をしています。判断が早く、テキパキとした性格なので治療のスピードが私より早いです。相談して私の患者さんを診てくれることもあります。

今後の展望はありますか?

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若い頃ならいろいろチャレンジしたいこともあったでしょうが、私も家内も60代後半となり、いずれは引退するときが来ると思います。3人の息子もそれぞれ自立して生活しています。長男は千葉県で消化器外科の医師をしています。三男は製薬会社の有機化学の研究員として徳島県に住んでいます。次男が週に3日当院で診療していて、他には週に1日、大阪歯科大学で歯周病の手術講師を、週に2日、火曜と土曜に訪問診療をしています。彼は絶対音感を持ち、音楽の専門学校に通いながらアレンジの仕事をしていました。その後の歯科技工士の資格を取り、大学に入りなおして歯科医師になりました。多才だと感心しています。今は親子でマッチングしているところですね、いずれは家内も私も引退する時期が来ますので、いい形で息子に引き継いでいきたいと思います。歯科医師は、私にとって天職だったと思いますよ。

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