全国のドクター9,284人の想いを取材
クリニック・病院 161,114件の情報を掲載(2020年10月20日現在)

  1. TOP
  2. 大阪府
  3. 大阪市中央区
  4. 北浜駅
  5. 中村歯科診療所
  6. 中村 功 院長

中村 功 院長の独自取材記事

中村歯科診療所

(大阪市中央区/北浜駅)

最終更新日:2019/08/28

108120

大阪市営地下鉄御堂筋線・淀屋橋駅より徒歩1分、オフィス街のビル6階に「中村歯科診療所」はある。院長である中村功先生は、米国人歯科医師であるドクター・ビーチ氏が提唱した「ゼロコンセプト」の考え方を取り入れた診療を行う。口腔内を治療を必要としない「ゼロ」の状態に保つべく、予防に力を入れている。忙しい合間を縫って休日は趣味のサッカーに汗を流すというバイタリティあふれる中村院長。先代である中村院長の父がこの場所に同院を開院した経緯から、今後の展望までさまざまな話を聞いた。
(取材日2017年6月19日)

患者の時間を尊重し、一人ひとりに向き合う医療を提供

お父さまが開院されたとのことですが、この場所を選ばれた理由は?

1

父は戦争の時にシベリアに抑留されて、ラーゲリ(収容所)に入っていたんです。その時に「もし生きて帰ることができたら、大阪のど真ん中で歯医者をしよう」と思ったそうです。ここは、向かいに市役所があって一応大阪の一等地だと思うので、この場所を選んだんです。診療所は独自に給排水の設備を整えないとできないので、このビルが建つ時に、その工事もしてもらいました。できた当初は看板も何もなくて、入り口にある古い看板は、このビルの管理会社の人が、「歯科医院があることが外からだとわからないから、置いて」と言って1階に置いてくれたものなんです(笑)。

何をきっかけにしてこちらに来られる方が多いですか。また、主な患者層を教えてください。

さきほどお話した規制の関係で、ビルの1階には看板もなかったんです。なので、こんな6階に歯医者があるなんてだれも気づかない。ですから、新しい患者さんを呼び込んでいたのは「クチコミ」だけ。知り合いや会社からの紹介が主です。こういう場所だからそれしかないんです。今は、インターネットを通して来てくださる方も多いです。患者層ですが、ビジネス街なので患者さんの90%以上はビジネスパーソンです。余談ですが、父からここを引き継いだ頃はまだバブル景気で、財閥のグループ会社や証券会社がたくさんありました。当時、隣がたまたま空いたこともあり、面積を倍の広さにして対応していたんです。

診療において大切にされていることは?

2

「わかりやすく丁寧に」を大切にしています。それから「できるだけ天然の歯を残すこと」、「一人ひとりと向き合うこと」。僕の性格上、複数の患者さんを同時に診ることができず、1人の患者さんが終わるまではその人しか診ないんです。それから「お待たせしないこと」。仕事を抜けて来られる方が多いので予約制にしていますが、例えば11時の予約なら、僕が11時にいるという約束です。でも歯科医院は、意外とそれが守られていないことも多くて、12時や1時になる。それはもう予約ではないと思うんです。処置によってどうしても時間がかかることはありますが、そういうときは直接待合室に出向いて謝るようにしています。あとは、講習会に参加して「勉強を継続すること」。皆さんビジネスパーソンなので経済新聞を隅々まで読んでいて情報通なんです。それに最低でもついていけないとですね(笑)。

治療の必要のない「ゼロ」状態を維持すべく予防に注力

「ゼロコンセプト」でつくっている医院だと伺ったのですが。

Cs3 3

父が随分昔に導入したのですが、ドクタービーチという人の考え方です。原点、0(ゼロ)でやるということで、治療もそうなんですが、機器なんかも無駄を一切省く。例えば、当院のユニットは水平になっています。これは最初から最後まで寝ている形なんですが、結構起伏があってぐうぐうと気持ち良く眠れるものではありません。だから、一層できるだけ治療時間を短くしようということにつながるんです。それに「うがい」をするところがない。うがいをする時間も短縮できるんです。アシスタントが横にいて口の中を洗うシステムなので、びっくりされる方もいらっしゃいますが、ほとんど文句を言われたことはないです。ただ、残念なのは日本ではあまりこの考え方が広まらなかったことです。

なぜ広まらなかったのですか?

ゼロコンセプトって、治療の必要のない状態「ゼロ」をめざす、つまり「予防」につながるんです。日本は健康保険制度がありますよね。あれは疾病保険で「予防」に取り組んでもお金にならないのです(笑)。それでも父はドクター・ビーチの考え方に賛同して早くから取り入れたんです。今もグループ的には少ないんです。うがいができないのを受け入れにくい患者さんもいらっしゃいますし、医師側も「受け入れられなかったらどうしよう」と心配に思うのでしょう。このユニットは自分で起きてもらうのですが、それで腹筋の弱い方ってわかるんです。そんな人は支えて起こしてあげるんです。また、普段は大丈夫な人が起き上がれなくて「どうしたんです?」と聞くと「この前ぎっくり腰になって」なんて話をしてくれる。自然とコミュニケーションが取れるので、医師にとってもいいんですけどね。

患者さんと真剣に向き合っておられる印象を受けます。

4

そうだといいですね。ただ先ほどもお話しましたが、やはり「説明」が大切だと思っています。歯科医院では、とにかく何か削ってもらわないと気が済まないという方もいらっしゃるんですが、それでも説明は重要。まだ話し合うことが必要だなと感じる患者さんには話だけをしにここへ来ていただくこともあります。

父から受け継いだものを守りつつ自身のポリシーも貫く

歯科医師になったのはお父さまの影響ですか?

Cs1 5

はい、祖父もそうでしたから影響は受けました。3人きょうだいのうち男は僕だけなので、強要されはしなかったのですが、そうなるものだと思っていました。それを見越して、卒業してしばらくは同じゼロコンセプトを取り入れた愛媛の歯科医院で勤めていました。叔父といとこは医者で、周囲に医療関係者が多いというのもあったかな。昔はそうやって代々というのが多かったのですが、今は違いますよね。実際にこの仕事をして僕が感じるのは、世襲制の難しさ。環境的に自然になじめるというのは確かにあるのですが、考え方や、手の器用さなどは個人個人で違いますからね(笑)。

お父さまもすごいですが、先生もご活躍されていますよね。

スタッフにも僕にも、父は厳しかったです。仕事に関してとても真面目で、ゼロコンセプトのユニットを出している歯科用医療機器メーカーの昔のパンフレットに父が載っているんです。もともと携わった人間でした。僕もそれを引き継いでいかないといけないなという思いはありましたが、全然超えられていないです(笑)。ただ、父の頃のスタッフに比べると、労働環境は良くなったのではないかなとは思います。たくさんの給料を出せないけれど、有休はしっかり取っていただくなどの配慮はしているつもりです。「予防」は重要なのですが、予防関係も僕が全部やるというのはやはり難しく、歯科衛生士さんの力が必要なんです。そういった意味で患者さんに安心していただける医療を提供するためにも、スタッフの働きやすい環境を整えられるよう心がけています。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

6

僕ももう今年61歳になるので、辞め時をどうするか。それが一番の展望です(笑)。このビルも50年近く経つので、建て替えの話も出ているんです。そうなると、いろいろ考えなくてはいけないことができて……。現役時代周辺の企業でお勤めされていた方が、奈良や神戸からわざわざ検診に来てくださったりしているんです。長らく来てくださっている大切な患者さんを最後までどうやって責任を持って診ていくかなど考えています。国の方針もあって訪問診療も始めたので、そちらもどうしようかと思っています。メッセージですが、女性は化粧品とかにはお金をかけたりしますよね。それと同じ感覚で、ぜひ歯ブラシや口腔内の手入れのためにも、もう少しかけてほしいなと思います。インプラントなどがいくら良くなっても、やはりご自身の歯にはかなわない。正しい歯の磨き方などを歯科医院できちんと指導を受けて、しっかりと予防することが大切だと思います。

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供を行っております。
カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)については、効果・効能に関して個人差があるため、 カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)を用いた治療を行う場合は、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

Access