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楢山 知明 院長、楢山 知紗 副院長の独自取材記事

知産婦人科

(横浜市青葉区/たまプラーザ駅)

最終更新日:2024/04/08

楢山知明院長、楢山知紗副院長 知産婦人科 main

たまプラーザで長年親しまれたクリニックを引き継ぎ、2022年3月に継承開業した「知(とも)産婦人科」。楢山知明(ならやま・ともあき)院長は、前身である「レディースクリニック服部」の良さを継承しつつ、無痛分娩をはじめとした医療を推進。2023年4月には分娩棟を新設し、少子高齢化を迎えて難局面にあるエリアの産科医療を支えている。妻の楢山知紗副院長とともに、産婦人科領域全般はもちろん、婦人科系がんや女性ヘルスケアなど、それぞれの専門を生かした診療ができることが大きな強みだ。「たくさんのお産より、きちんとした丁寧なお産を心がける」と真摯に話す知明院長と、「世代に応じた医療を提供したい」と優しい笑顔を見せる知紗副院長に、同院の診療について話を聞いた。

(取材日2023年5月11日/2024年4月2日更新)

分娩のバリエーションを広げ、幸せな出産をサポート

日々のご診療のなかで、どのような実感をお持ちですか?

楢山知明院長、楢山知紗副院長 知産婦人科1

【知明院長】驚くほどのスピードで出生数が減少する現代、住み慣れた地域で安心して産みたいという妊婦さんの思いに応えたいと、30年以上続く前院を2022年3月に継承し、開業しました。日々妊婦さんと向き合うなかで、無痛分娩を希望される方の多さに、あらためてお産のバリエーションの必要性を実感しています。自然分娩、計画分娩、無痛分娩と多様な分娩スタイルがあり、産後も長く入院して安心を得たい方、早く自宅に戻られたい方などさまざまです。それぞれの要望に応える選択肢をご用意し、妊婦さんご自身にお選びいただくことが、幸せなお産につながると感じています。このため当院では、妊婦さん一人ひとりのニーズに合わせたお産の姿を「たまプラバース」と銘打ち、たまプラーザの地から広げていきたいと考えています。

隣接する新分娩棟を開設されたそうですね。

【知明院長】2023年4月、主に分娩を行う施設として現クリニックの隣に新分娩棟を開設し、外来診療をメインとする本館と機能を分ける体制が整いました。手術室には総合病院レベルの機材をそろえ、緊急時にも対応がかなう動線を確保。緊急帝王切開などが求められる際にもこれまで以上のスピード感を持ってあたれます。限られた広さを最大限に活用し、快適に過ごせる空間づくりを実現しました。和洋の個室やテラスなども備え、産後も心地良く過ごしていただける環境づくりにこだわりました。

力を入れていらっしゃる無痛分娩について、お考えをお聞かせください。

楢山知明院長、楢山知紗副院長 知産婦人科2

【知明院長】日本の無痛分娩の普及率は10%弱とかなり少ないのが現状です。「おなかを痛めて産むのがお産」という考え方もまだあるようですが、お母さんにとってお産は終わりではなくスタート。本当は出産後に授乳や沐浴などを学んでいただきたいのですが、お産で疲れきっているとなかなか難しいでしょう。準備が足りないまま家に戻ると、授乳などに苦労され、赤ちゃんの体重が増えないことにもつながりかねません。無痛分娩には、ご夫婦やご家族と落ち着いて分娩の瞬間を体感できるというメリットがあります。無痛分娩の選択が可能な限り、希望に沿ったお産となるようサポートできる場合も多いです。
【知紗副院長】分娩前に、分娩方法について一人ひとりに説明する機会を設け、ニーズに沿った選択をしていただくようにしています。また、費用面でも負担がかかりにくいように配慮しています。家族で幸せの瞬間を実感できるお産の提供をめざしています。

それぞれの専門性を生かし、生涯に寄り添う医療を提供

診療では「妊婦・患者さんをよく知ること」を大切にされているとか。

楢山知明院長、楢山知紗副院長 知産婦人科3

【知明院長】診療理念である「誠実で最善の医療を提供し、次世代につながる分娩施設を創る」を達成するためには、皆さんの「想い」を知ることも大事だと思っています。高齢出産が増える中、ようやく妊娠がかなった方など、患者さんにはそれぞれのバックグラウンドがあります。一人ひとりの背景を理解し、「たくさんのお産より、きちんとした丁寧なお産を」ということを常に念頭に置いています。
【知紗副院長】患者さんの性格を知っていると「今日は少し様子が違うな」と感じやすくなり、問題の早期発見につながることもあります。そのためにも診療時にお話しする時間を大切にしています。

お2人のご専門を教えてください。

【知明院長】私は周産期医療における母体を専門とする医師であり、日本婦人科腫瘍学会婦人科腫瘍専門医、また妻は日本超音波医学会超音波専門医の資格をそれぞれ持っており、専門分野が異なります。産婦人科という共通部分をもとに、さまざまな分野に特化した2人で診ていけるところが当院の強みですね。若い方は女性医師を希望されることも多く、その点でも協力し合えます。私の専門の一つでもある婦人科系のがんに関しては、検診で異常が見つかり手術が必要になった場合、近隣の病院と連携して治療することが可能です。「自分の家族だったら最善の医療を受けてほしい」という考えで、術後のフォローまで担当させていただきます。

知紗副院長は超音波に加え、「女性ヘルスケア」の専門家でもあると伺いました。

楢山知明院長、楢山知紗副院長 知産婦人科4

【知紗副院長】女性は思春期から老年期まで世代ごとに悩みや疾患が違います。若い女性の月経困難症などをはじめ、妊娠・出産を経て、更年期にはさまざまな症状が出やすく、老年期でも子宮脱や骨粗しょう症などに注意が必要です。患者さんごとに治療を選択していく際には女性ヘルスケアの知見が役立ちます。またもう一つの専門である超音波については、妊娠12週、20週、30週の検査で精密スクリーニングして、必要があれば高次施設に送るようにしています。

一人ひとりに寄り添い、産み育てやすい地域へ

チーム医療も大切にしていらっしゃるそうですね。

楢山知明院長、楢山知紗副院長 知産婦人科5

【知明院長】産科は24時間365日休みがありません。それでも開業を決意したのは夫婦で分業できると思ったからです。看護師、助産師など前院から引き継いだスタッフたちとのチーム医療を進めることで、仕事をシェアできる環境です。休みが取れれば先端の医療を学びに行くこともできます。患者さんのためにもわれわれが生き生き働けることが重要ですし、チーム医療を通じて次世代につながる継続可能な産婦人科をつくりたいと考えているのです。
【知紗副院長】患者さんそれぞれで話しやすい相手は違うので、スタッフ数が多いと相談しやすくなる面もあるでしょう。相談を受けたスタッフからのフィードバックに助けられていますし、やはりチーム医療は大事だと感じます。

そもそもお2人が産婦人科の医師をめざされたきっかけは何だったのでしょう。

【知紗副院長】大学に入る前から興味があり、1年次に緊急の帝王切開術を見て、「やっぱり産婦人科はいいな」と実感しました。弟を小さい時に亡くした経験も大きいですね。
【知明院長】私は医師が少ない地域で育ち、「24時間365日医療を提供する救急科の医師になりたい」と思っていました。急な帝王切開ではすぐに赤ちゃんを取り出さないといけない時もあります。自分の代わりがいない開業している産科医は24時間365日、常に気が張っており、究極の救命救急は産科にあるのではないかと大学時代に考えるようになったのです。その一方で、帝王切開術は外科のほかの手術と比べて年齢を重ねても対応できるので、長く手術に携われる点も魅力に感じました。

今後の展望とメッセージをお願いします。

楢山知明院長、楢山知紗副院長 知産婦人科6

【知紗副院長】誰もが安心して産める地域社会のために、少しでもお役に立ちたいですね。当院はベテラン助産師も多く在籍しており、産後に生じやすいさまざまな相談にも、こまやかに指導できる体制を整えています。お一人お一人の人生に長く寄り添える存在になれたらと思っています。
【知明院長】産みやすく子育てしやすい世の中をつくることが私たちのミッションだと思っています。個々のニーズに沿ったお産の実現のため、多様な選択肢があることをご説明するとともに、おなかの中にいる赤ちゃんについて妊娠初期からしっかり向き合うきっかけづくりも大切にしています。患者さんのご希望に応じて、遺伝に関するカウンセリングも行っております。専門性は高く、受診ハードルが低い産婦人科として、気軽にご相談いただければと思います。

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