骨との親和性や術後ケアまで考慮
インプラント治療
深野歯科医院
(堺市西区/諏訪ノ森駅)
最終更新日:2024/03/08
- 自由診療
失った歯の機能を補完するための方法の一つとして注目されているインプラント治療。従来の入れ歯やブリッジとは異なり、他の歯にほとんど負担をかけることなく実施できる治療法だが、「深野歯科医院」の深野秀明副院長は、インプラント治療では口全体のバランス、材料や施術方法、術後のケアのしやすさなど、さまざまな点が考慮された治療を受けることが重要だと話す。「一口腔単位を包括的に捉えた歯科治療」をモットーに地域医療に貢献する同院のインプラント治療では、深野副院長が選び抜いた材料を用い、自身が受けた治療経験をも生かして患者に寄り添った診療を行っている。今回は、インプラント治療の詳細から治療後のケア、治療の手順などを深野副院長に聞いた。
(取材日2023年10月5日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qインプラント治療とはどのようなものですか?
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A
インプラント治療は、失った歯の役割を補うための治療法の一つです。ほかにブリッジや入れ歯もありますが、インプラント治療の優れている点は、まず他の歯への負担が少ないことです。入れ歯やブリッジでは他の健康な歯に負荷がかかるため、長期的には周囲の歯を失う原因になる可能性は否定できません。ただし、インプラントには歯根膜というクッションがないため、噛んだときの衝撃が大きく、噛む力が強すぎる場合には顎関節や噛む相手の歯にダメージを与えてしまい、適さない場合もあります。治療へ進むときは、どれだけ長く治療後の状態を保つことができるか、ということも視野に入れて歯科医師とともに十分に検討しましょう。
- Qインプラント治療にもパターンがあるのですか?
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A
一人ひとりの症例や要望に合わせてアプローチの幅が変わります。例えば、従来は難しいとされていた土台の骨が足りないケースでは、骨造成を行ってからインプラント治療へ進みます。これは、インプラントを埋入する箇所の顎骨にボリュームが足りず、そのままでは手術が行えない場合の補助的な治療で、骨補填材を使用することで骨の再生を促し、骨量の確保をめざします。また、手術回数の少なさが特徴の抜歯即時埋入という、抜歯後すぐにインプラント体を入れる方法があります。その他、埋入の角度や深さを決めた個々の患者さん専用に作製するサージカルガイドを活用して、より患者さんの負担を軽減させるための手法などもあります。
- Q治療後のケア方法について教えてください。
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A
天然歯であっても歯磨きなどのケアをしなければ虫歯や歯周病になるように、インプラントもケアしなければ汚れが付着します。インプラントのための特別なケアは必要ありませんが、適切なホームケアと定期的な歯科医院でのメンテナンスは必須です。長い間適切なケアが行われないと、インプラントの周りが炎症を起こす「インプラント歯周炎」を発症してしまうことがあり、進行すると顎の骨が溶け、最悪の場合は埋入したインプラントが抜け落ちてしまうこともあります。当院の歯科衛生士はインプラントケアの知識が豊富で、技術の研鑽にも余念がありませんので、安心してメンテナンスについてご相談ください。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1口腔内の状況を総点検し、全身の状態も確認
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まず口腔内をチェックされる。天然の歯に勝るものはなく、歯を失った原因を突き止め、その原因の解決なくしてはインプラント治療後の長期的な健康維持は望めないからだという。また全身の状態の確認もされる。重度の歯周病やコントロールできていない糖尿病、骨粗しょう症の治療中であることなどがある場合や、治療に適さない生活習慣やメンテナンスが難しいなど、インプラント治療の適用とならないケースもあるという。
- 2CTや口腔内スキャナーによる検査シミュレーション
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歯科用CTと口腔内スキャナーから得たデジタルデータをもとに詳細なシミュレーションが行われる。同院ではインプラントを埋入する位置や角度、深さなどを事前に細かくシミュレーションすることで、より安全性と精度の高い治療をめざしている。
- 3インプラント埋入手術
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手術は麻酔下で行われる。一般的なインプラント治療では抜歯後からインプラント埋入までに傷口の治癒期間として3~6ヵ月待つが、条件を満たせば、抜歯当日にインプラントを埋入する抜歯即時埋入が可能。その場合は切開をしないため、患者の負担は少なくなるという。また、同院ではサージカルガイドを使用し、精度を保ったまま手術時間を短縮することで患者の負担軽減に努めている。
- 4人工歯を装着
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通常はインプラント手術後、1〜2ヵ月で仮の人工歯を装着し、噛み合わせなどの調整を行う。抜歯即時埋入を行った場合は、最短当日に仮の人工歯を装着できる場合もある。噛み合わせなどの機能はもちろん見た目も重視され、最終的な人工歯の色は、違和感がないよう歯科技工士が直接見て微調整を行うことも。
- 5メンテナンス開始
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治療後の状態を長持ちさせるには、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けることが肝心。メンテナンスの間隔は口腔内の状況により異なるが、通常は1~3ヵ月ごとに行う。インプラント治療を機にメンテナンス意識を高めよう。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/38万5000円~、骨造成/5万5000円~