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山口 葉子 院長の独自取材記事

美しが丘眼科

(横浜市青葉区/たまプラーザ駅)

最終更新日:2023/09/11

山口葉子院長 美しが丘眼科 main

たまプラーザ駅から徒歩5分のところに、山口葉子院長が1988年に開業した「美しが丘眼科」。35年にわたって地域に根差した診療を継続してきた眼科クリニックだ。ビル2階の院内に入ると、美しい花々が咲き乱れるフランスのボルドーの風景を描いた絵が出迎えてくれる。「開院時に贈られた絵は私のお気に入り。患者さんたちに心からの歓迎を伝えるため、ずっとここに飾っています」とほがらかに笑う山口院長。温かな人柄がにじむ笑顔が魅力だが、診療のこととなると、熱く、力強くその思いを語る。小児から高齢者まで、どんな時でも患者をウェルカムの気持ちで迎え、真心のこもった診療を提供する山口院長に、めざす医療や患者への思いを語ってもらった。

(取材日2023年5月11日)

新鋭検査設備と地域連携で患者のメリットを追求

開業から35年と聞きました。

山口葉子院長 美しが丘眼科1

あっという間と感じていますが、振り返れば30年以上を経て、私の診療スタンスも変わってきたように思います。眼科の一次医療機関として地域に根差した診療を続けるうち、徐々に皆さんが求めていることや、必要とされている診療がどのようなものかわかるようになり、順応できるようになりました。例えば、当院ではさまざまな検査機器をそろえて入念な検査を行っています。手術など専門的な処置が必要であれば、速やかに対応いただける先生へ紹介する体制です。「何もかも自分自身で」という姿勢ではなく、患者さんのメリットを最優先に考え、得意分野を生かす方向へとシフトしてきました。

地域の病院やほかのクリニックとの連携にも積極的なのですね。

青葉区には大きな病院がたくさんありますし、たまプラーザ駅の周辺には、7軒の眼科クリニックがあります。土日や夕方遅い時間の診療を行っていらっしゃる先生や、専門治療に力を入れていらっしゃる先生、日帰り手術を多く手がけておられる先生などさまざまです。平日の休診日も少しずつ異なりますから、患者さんには上手に使い分けていただけると思います。当院の患者さんにも、万一休診日に具合が悪くなった場合に備えて、他院の情報を提供させていただくことがあります。当院単体ではなく、街全体でお一人お一人の患者さんを支えていければと考えているのです。

新しい検査機器も積極的に導入されているとか。

山口葉子院長 美しが丘眼科2

新しいものであればなんでも入れるというわけではく、それを導入することで患者さんに利益があるものであれば、積極的に採用しています。最近では、室内の照明を落とさず両目を開いた状態で視野検査が行える視機能評価機を導入しました。少しでも患者さんの負担が軽減できればと導入を決めたものです。ほかにもスピーディーに精密な検査が行えるOCT(光干渉断層計)もあります。眼科診療では診断時はもちろん、治療の成果を測定するためにも、定期的に繰り返し検査を受けていただく必要があります。少しでもおっくうに感じると、クリニックに来るのが嫌になってしまいますよね。高精度な検査が楽に受けられるのであれば、新しい機器もどんどん導入して、患者さんの快適さを追求していきたいと考えています。

患者の不安に寄り添い、一人ひとりに合わせて対応

患者さんの受診傾向に何か変化は感じられていますか。

山口葉子院長 美しが丘眼科3

患者さんの高齢化が進み、緑内障の方が増えてきたように思います。緑内障は初期では自覚症状が見られませんから、人間ドックや健康診断のタイミングで指摘を受けて受診されるというケースが多いですね。また、近年は働く女性が増え、お子さんを連れて来院される時間帯の要望が幅広くなりました。こうしたニーズの変化にもできる限りご希望に沿うかたちで対応できるようにしています。あとは、新型コロナウイルス感染拡大を受けて受診を控えられた方も多かったことが、最近の一番大きな変化でしょうか。

引き続き、感染症対策にも力を入れているそうですね。

コロナ禍は終わったわけではないですし、眼科は診察の際の距離も近いので、今も感染症対策に注力し、患者さんにも院内ではマスクをしていただいています。また、来たい時にいつでも来られるクリニックであるために、あえて予約制にはしていないのも当院の特徴です。天候不良や体調悪化などがあっても、「予約があるから」と無理して来院していただくようなことは避けたいと考えています。状況によっては患者さんをお待たせしてしまうこともありますが、皆さんにご理解いただけているようでうれしく思っています。

診療する上でどのような点を大切にされていますか。

山口葉子院長 美しが丘眼科4

初診の方や、久しぶりに受診された方は「視力も落ちているし、何か病気ではないか」などと不安だと思います。そういう方に、いきなり病名を伝えてドキッとさせるようなことはしないように心がけています。検査結果をお伝えするときも、まずは問題のないところから説明していきます。最初に「悪い」と言われると聞く耳を閉じてしまわれますからね。できるだけ冷静に診断を聞いて、これからどのように治療に取り組んでいくのか、納得して帰っていただけるようにと配慮しています。ゆっくり説明することで、患者さんもゆとりを持って理解してくださるのではないかと思います。

子どもの患者さんを診る際はいかがでしょうか。

お子さんは、高い位置から声をかけられたり、のしかかるように近寄られたりすると怖さを感じて目をつぶってしまうものですから、お子さんを診る時は、私がしゃがんで、目線を低くすることを心がけています。眼科は目を開けてもらわないと何も診察できませんから、恐怖を感じさせないことが大切なんですね。スタッフも自然に私を見習って、視力を測るときもお子さんの目線より下からアプローチしていますし、高齢の患者さんに対しても下から話しかけてくれているので安心しています。

温かく迎え親身に寄り添う診療で、地域との縁を大切に

眼科医師を志した理由をお聞かせください。

山口葉子院長 美しが丘眼科5

私たちの世代では、女性が大学に進学して手に職をつけるのは珍しいことでした。それでも私は一生仕事を続けたいと考えていて、研究者として大学に残るか、教職に就くか、医師になるか、悩んだ結果、医師の道に進みました。眼科を選んだのは、その可能性に惹かれたからです。目は機械を使うと計測できて、すべてのぞくことができます。とても美しいんですよ。観察できるということは記録に残せますし、そこからどんな病気か推測し、外科的な治療もできます。そういったところに魅力を感じました。

思い出に残るエピソードはありますか。

小学生の頃から通ってくれていた女の子が2人、「私も先生のような医師になりたい」と言ってくれていたのですが、その約束どおり、医学部に入ったことを報告しに来てくれた時はとてもうれしかったです。大学病院時代に小児眼科の診療も多く手がけたので、今でも子どもたちと話をするのが大好きです。当院では弱視検査を含むお子さんの検査にも力を入れており、興味を持って楽しんで検査を受けてもらえるように工夫しています。大人でも子どもでも、病気になるのは本人の責任ではありません。なりたくはないのに病気を抱えてしまうのですから、なるべくストレスなく検査を受けてもらって、病気が見つかれば一緒に向き合い方を考えていけたらというのが、私の願いです。

眼科の立場から、気になることはありますか。

山口葉子院長 美しが丘眼科6

コロナ禍で受診を控えている間に視力が落ちていたり、病気が進行していたりする可能性があります。在宅勤務による目の不調だと思っていたら、実際は加齢による病気が始まっていた、ということも。また、疲れ目の症状が、実は食生活の乱れや運動不足による糖尿病が原因だったということもあります。心配事があったら怖がらずに、目を含めて、体のチェックも受けていただきたいですね。高齢になって視力を失うと、預金通帳の数字が見えないなど、生活の管理が難しくなります。便利なところに住んでいても、ある程度の視力を維持することは重要ですから、若いうちから気をつけていただきたいですね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

当院は、皆さんを温かくお迎えし、困り事があれば親身にお助けするクリニックです。よく患者さんに言われるのが「ここはみんな親切だ」という言葉。私のことだけでなく「みんな」という言葉が入るとうれしくなります。当院には長く勤めてくれるスタッフが多く、たくさんの患者さんの名前と顔を覚えてくれています。35年間、本当に、患者さんにもスタッフにも恵まれてきました。これからも長年積み重ねてきた経験値を大事にして、地域の方々とのご縁を大切にしていきたいです。お困りの際は気軽にご相談ください。

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