中野 雅誉 院長の独自取材記事
中野歯科医院
(堺市北区/堺市駅)
最終更新日:2026/08/20
堺市駅から徒歩5分。1953年の開業以来、70年以上にわたり地域の歯科医療を支えてきた「中野歯科医院」。祖父が興し、父が継ぎ、2023年に3代目として院長を継承したのが中野雅誉(まさたか)先生だ。就任後は外構のバリアフリー化や診療チェアの全台新調、ホームページのリニューアルやウェブ予約など、患者が利用しやすい環境づくりを着実に進めている。歯が3本並んだかわいらしいクリニックのロゴマークも誕生。院内を彩る患者手作りの雑貨の数々は、クリニックが親しまれている証しだ。「ここは私が生まれ育った場所。これからも変わらず地域の皆さんのお口の健康を守っていきたいと思っています」と穏やかに話す中野院長に、予防歯科への思いや診療で大切にしていることを聞いた。
(取材日2026年8月4日)
1953年から3代、地域とともに歩み続けて
まずはクリニックの成り立ちについて教えてください。

1953年に祖父がこの地で開業した歯科医院です。祖父はもともと高知の出身で、曽祖父は船大工をしていました。祖父自身は戦争を経験し、帰還した後に歯科大学へ進んで歯科医師の道を歩み始めたと聞いています。祖母も受付や診療の手伝いを担って、二人三脚でこの場所にクリニックを立ち上げました。祖父は「すごく優しい先生だった」と周りからよく聞きますし、その後を継いだ父も真面目で穏やかな人柄で、きっちり丁寧に仕事をしてきました。2023年の4月にその父から院長を引き継ぎ、私で3代目になります。今も父は副院長として週に数日出勤して長年の患者さんを診ており、新しい患者さんは主に私が担当する体制を取っています。
先生はこの堺市のご出身なのですか?
まさにここが実家です(笑)。1階が診療所、2階と3階が住居という造りで、子どもの頃から父が働く姿を身近に見て育ちました。小学校の卒業文集には「歯医者になりたい」と書いていて、祖父と父の影響から自然とこの道をめざすようになっていたのだと思います。2006年に大阪歯科大学を卒業し、大学の付属病院で歯科麻酔の分野を1年間経験した後、2007年の4月に当院に戻って父と一緒に診療を始めました。もっと多くの患者さんを診て学びたいという思いから、約9年間は土曜日に別の歯科医院でも勤務していました。結婚した今もクリニックのすぐ近くに住んでいまして、生まれてからずっとこの地域で暮らしてきました。
院長就任後、新たに取り組まれたことはありますか?

高齢の患者さんが多く来てくださっているので、まずは入り口周りの改善から手をつけました。玄関の段差をスロープに変え、重い内開きのドアをスライドドアにしています。塀を壊して自転車置き場も新しく設けました。院内では診療チェアを3台すべて新調し、壁掛けモニターも取りつけて治療内容の説明に活用しています。また、ホームページのリニューアルやウェブ予約の導入、クレジットカード対応なども進めました。SNSでの情報発信なども行い、地域密着の歯科医院としての取り組みをきちんと届けていきたいですね。
優しく、丁寧に。自分の歯で食べる喜びを守る
診療で特に力を入れている分野を教えてください。

治療はもちろん大切ですが、これからはやはり予防がメインになってくると考えています。定期的な検診やメンテナンスで悪くなる前に気づくことができれば、適切な対策を取ることができます。長い目で見ると、検診を続けることが歯を残すことにつながると感じており、予防の大切さを実感しています。自分の歯でしっかり噛むことが健康で長生きするためには大切だと思いますので、早期発見のためにもぜひ定期検診を習慣にしていただきたいですね。当院では子どもから高齢者までを対象に、一般的な歯科治療のほか、審美歯科、ホワイトニングにも対応しています。矯正やインプラントについては提携先をご紹介する形を取っており、木曜日には通院が難しい方のための訪問歯科診療も行っています。
入れ歯の製作にも注力されているとか。
はい。入れ歯を作るとき、一般的には既製の枠を使って型採りを1回行い、そのまま歯科技工所に依頼することが多いのですが、お口の大きさや形は患者さんごとに違いますから、1回では精密な型が採りにくいことがあります。そうすると隙間ができやすく、合わない入れ歯になりがちです。当院では、まず1回目の型採りで模型を作り、その模型をもとに患者さんのお口に合った専用の枠を私自身が作製します。それを使って2回目の型採りを行うという、ひと手間を加えることで、よりぴったりフィットする入れ歯をめざしています。きっちり合う入れ歯は噛みやすく、おいしく食べることにもつながります。それもまた健康を支える大事な一歩です。
患者さんと接する際、どんなことを心がけていますか?

患者さんは何かしらの悩みや不安を抱えて来てくださっていますから、まずはその話をしっかり聴くことを大切にしています。どんな細かいことでも構いませんので、遠慮なく話していただきたいと思っています。説明の際は、口腔内カメラで撮影した写真をモニターに映し出しながら、患者さんが納得してくださるまでわかりやすくお伝えするようにしています。歯科に怖いイメージを持つ方は少なくありませんが、正直なところ、私自身もあの診療チェアに座ったらちょっと怖いです。だからこそ威圧的にならず、「大丈夫ですよ」という気持ちをお伝えしたい。信頼して任せてくださるような関係を築いていきたいですね。当院の診療方針は「優しく、丁寧に、わかりやすく」。その根底にあるのは、患者さんと同じ目線に立つということだと思っています。
患者と家族が彩る、温かなかかりつけ歯科医院
クリニックを支えるスタッフについて教えてください。

実は妻が歯科衛生士として一緒に働いてくれています。子どもが2人いるのですが、2人とも小学校に上がったタイミングで歯科衛生士学校に通い始め、子育てをしながら資格を取りました。今は検診やクリーニングを中心に担当してもらい、検診の主役は歯科衛生士、私は最後にチェックするという体制を整えているところです。新しいクリニックロゴの原案を描いてくれたのは妻で、私にはない発想力で当院を支えてくれる存在です。私はどちらかというと安定志向なタイプですが、妻は「変えていこう」という力のある人で、うまく補い合えていると感じます。父との2人体制に妻が加わった家族運営で、患者さんをお迎えしています。
患者さんとの関わりで、印象に残っていることはありますか?
患者さんが手作りの雑貨をいろいろ作って持ってきてくださるんです。待合室にある座布団は、102歳のおばあちゃんが作ってくれたものですし、新しくできたロゴマークをお見せしたところ、別の患者さんが羊毛フェルトでそのロゴを再現して届けてくださったこともありました。趣味とはいえ、気持ちがなければわざわざ作って届けてはくださいませんよね。そうやって皆さんが思いを込めて持ってきてくださることが本当にうれしく、私たちにとって何よりの励みになっています。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

歯が痛いとき、何か困ったことがあるとき、まずは気軽に相談していただける場所でありたいと思っています。そしてこれからも予防歯科を大切にしていきたいですね。定期検診を通じて悪い所を早めに見つけて対処していくことで、少しでも多くの方に自分の歯でしっかりご飯を食べ続けてもらえたら、それが一番うれしいことです。クリニックのロゴマークは3本の歯が並んでいますが、それは祖父、父、私という親子3代続く歯科医院という意味のほかに、お父さん、お母さん、子どもの家族みんなで通っていただきたいという思いも込めています。1953年に祖父が開業してから受け継いできたものを大切にしながら、変えられるところは少しずつ変えていく。まだその途中ではありますが、地域の幅広い世代の皆さんの歯の健康を守り続けていけるよう、これからも日々の診療に向き合ってまいります。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミッククラウン/9万9000円~、セラミックインレー/6万6000円~、ホワイトニング/1万1000円~

