歯並び・噛み合わせの改善をめざす
3歳から始める口腔育成
高端デンタルクリニック
(堺市堺区/堺東駅)
最終更新日:2024/01/17


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食習慣や生活習慣が変わった現代では、子どもの顎が十分に成長しにくくなっているといわれている。小児矯正を数多く手がける「高端デンタルクリニック」の高端淳也院長は、そんな現状を痛感し「顎が十分に発達しないと、歯並びの悪さや姿勢の悪さ、呼吸のしづらさにもつながります」と警鐘を鳴らす。特に呼吸の問題は睡眠の質にも直結しており、いびきや歯ぎしり、夜泣きなどの原因にもなるという。そこで注目を集めているのが、これらの症状の改善をめざし、理想的な口腔状態へと導く口腔育成。何歳からでも取り組めるが、特に乳歯列が生えそろった3〜6歳でスタートすれば成長の力を利用することができるため、得られる効果も大きくなると期待できる。そこで今回は、口腔育成とは何なのか、どのような流れで行われるのかを詳しく聞いた。
(取材日2022年9月27日)
目次
子どもの成長に合わせた習慣で、正常な口腔機能を育てる
- Q口腔育成とはなんですか? 取り組むメリットも教えてください。
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A
▲口腔の正常な発育は脳や体の成長・発育にも良い影響が望める
口腔育成とは、お口が持つ「食べる」「話す」「呼吸する」という機能を十分に発揮できるように育てることです。どれも当たり前にしていることのようですが、これらの機能は生活習慣や舌の使い方の癖などの影響を受け、正常な発達ができない恐れがあります。口腔機能の異常は、歯ぎしりやいびき、口呼吸、滑舌の悪さやくちゃくちゃ食べなどの原因にもなります。口腔が正常に発育することで夜の口腔トラブルがなくなればよく眠れるようになるので、成長ホルモンの分泌もスムーズになると期待でき、脳や体の成長・発育にも良い影響が望めます。また、歯並びや噛み合わせの改善も期待できますし、姿勢の良さにつながるのもメリットだと思います。
- Q口腔育成は何歳から始めれば良いですか?
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A
▲乳歯列が生えそろう3歳での受診を勧めている
どの年齢からでも構いませんが、乳歯列が生えそろう3歳頃で一度チェックしていただくことを特にお勧めしています。また、上顎の成長は平均で9〜10歳、下顎の成長は平均で11〜12歳で止まります。顎の成長が止まると、口腔育成の効果は出にくくなりますのでその前、特に3〜6歳頃は神経系の発達と合わせて最も重要な時期です。お子さんのいびきや歯ぎしり、寝起きの悪さやお口周りの癖などなど、気になることがあったら早めに相談していただきたいと思います。なんでもそうだと思いますが、身についた癖を改めるのはとても大変なこと。早めの対処は改善までの期間も短くできると見込めます。
- Q口腔育成とはどのようなことをするのですか?
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A
▲口周りの筋肉バランスを整える、舌のトレーニングを推奨している
当院ではお口周りの筋肉のバランスを整えるためのトレーニングを行います。特に舌の位置は重要ですので、舌のトレーニングをします。難しいものではなく、べろで歯の周りをぐるっと触るようなトレーニングです。簡単だと思われるかもしれませんが、これができない子がとっても多いんですよ。また、この舌の運動を歯磨きの後に行えば、歯をきれいにツルツルに磨けたかどうかのチェックにもなります。また、食事の仕方へのアドバイスもしています。前歯でガブリ、そして奥歯でよく噛んで食べることができれば、食事も楽しくなります。一つ一つは難しくないので、小さな子でもできるようなことばかりですよ。
- Q口腔育成装置もあるそうですね。
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A
▲就寝時に着用するオーダーメイドのマウスピース型装置
当院ではさらに、就寝時に下の歯につけるマウスピース型装置を使用していただくことで、正しい呼吸ができる噛み合わせへと導いていきます。ただし、この装置は完全オーダーメイドなので、歯型を採る必要があります。ですから、歯型を採ることができ、乳歯20本が生えそろっている3歳頃が目安です。型採りがうまくできなかった場合には、チューイングブラシというマウスピースのような歯ブラシを使用して1〜2ヵ月練習するとスムーズに型採りがしやすくなります。大人でも苦手な人がいるのですから、スムーズにできないからといって心配する必要はありません。慌てずその子のペースで取り組んでいきましょう。
- Q家庭での取り組みも重要なのですね。
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A
▲ポジティブな習慣として親子で取り組むことが大切だという
まずは、マウスピース型装置の使用や舌の体操を、ポジティブな習慣にしてもらうことが大切だと考えています。そのためには、ご両親の声かけも重要です。明るく、楽しいこととして一緒に取り組んでほしいです。「まだ小さいのにマウスピース型装置なんてかわいそう」と感じる方もいらっしゃいますが、マウスピース型装置の使用に痛みの心配はなく、それどころか「なんだか顎が気持ち良い」と感じ、自分で進んで装着するお子さんもいますよ。私もわが子に使用しています。お口の健全な発育は、お子さんの心身に良い影響があります。ぜひ親子の習慣の一つとして、取り組んでもらえたらなと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児用・就寝時に下の歯につけるマウスピース型装置/7万7000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。