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鈴木 秀典 所長の独自取材記事

サンスター歯科診療所

(豊中市/千里中央駅)

最終更新日:2021/10/12

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北大阪急行電鉄・千里中央駅から徒歩約5分。駅から近いショッピングモールの中に「サンスター歯科診療所」はある。所長の鈴木秀典先生は1994年に岡山大学歯学部を卒業。同大学の歯学部附属病院第一補綴科を経て、1999年に当診療所に入社。現在、歯科医院はコンビニエンスストアよりも多いと言われ、多くの歯科医師が開業医になっていく昨今にしては珍しく、18年もの間、鈴木先生は同診療所で勤務し続けている。本人曰く、このまま骨を埋める可能性が高いと言うが、なぜそのような心境に至ったのか。また補綴治療にかける熱い思いについて、さまざまに話してもらった。

(取材日2017年8月9日)

オートバイの事故で前歯をすべて失って

歯科医師をめざそうと思ったきっかけを教えてください。

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実は、もともと歯科医師ではなく医師になりたかったんです。歯科医師をめざすようになったのは、ある出来事からです。大学に入る前のことなのですが、オートバイに乗っていたときに事故を起こしてしまい、そのダメージによって前歯を全て失ってしまったんです。そんな私に救いの手を差し伸べてくれたのがインプラント治療でした。当時はインプラントの存在を知らなかったのですが、この治療を受けたことで興味を持ち、歯科医師をめざそうと思うようになりました。インプラントには助けられました。このおかげで10代から入れ歯にならなくて済みました。

これまで歯科医師をされてきて印象的だったことはありますか?

研修医をしていたときの話です。私が所属していた岡山大学は大学病院と歯学部の附属病院が同じ敷地内にありましたので、大学病院に入院している患者さんたちの歯科診療については、私たちが往診を行っていました。毎日たくさんの診療や往診を行い、疲れ果てていた時、ある入院患者さんの入れ歯の修理を頼まれたんです。修理そのものは何事もなく終わったのですが、それから数日が過ぎたある日、その患者さんの奥さまとばったりお会いしたので、あいさつがてらお話をすると「おかげさまで最期の二日間は口から食べることができ、おいしいと言って亡くなることができました」と言われたんです。

それはなんとも複雑な気持ちになるお話ですね。

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いろいろな感情が入り混じります。医療に携わるものとして人の最期に関われることは価値のあることですし、自分が行った仕事に対して患者さんや、ご家族に喜んでいただけることはとてもうれしいことですが、あの疲れ切っていた自分の心境を思い返すと、その患者さんの容態を知らなかったとはいえ、あまりにも未熟で褒められたものではないとも思います。もう少しうまく仕事をすることができなかったかと、今も悔いが残っています。このことは教訓として今の私の中に生きており、いつも忘れないように心がけています。これが私に補綴をこだわらせる理由です。

補綴は人の人生を変えるかもしれない

補綴治療について思うことはありますか?

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インプラント治療にしても入れ歯、差し歯にしても補綴治療が特徴的なのは、虫歯などの治療に比べて、施術した結果が患者さんにとっても感覚的にわかりやすいということです。そのために医師がいくら出来栄えに自信があっても、患者さんが納得しなければ不満足な治療になります。入れ歯などは特にそうです。いくら見た目が美しく出来上がっていても噛めないものは噛めません。逆にうまく施術ができたときは、患者さんの喜びもとても大きなものになります。笑うことが苦手だった人が笑えるようになったり、ひいてはその人の人生さえも大きく変えてしまう可能性があります。そんなお手伝いができるのが補綴治療の魅力ですね。

歯周病の治療に対するスタンスを教えてください。

当院の母体であるサンスターはオーラルケアメーカーですので、歯周病の治療にも力を入れています。また、私の専門は補綴治療ですが、歯周病の学会にも参加していて、できる限り最新知識を身につけるように心がけています。あと、当診療所では総勢18名の歯科衛生士が在籍していますが、過半数が歯周病に関する専門的な知識や技術を身に付けています。また、歯周病というのは糖尿病との兼ね合いが悪い病気。4名の歯科衛生士が糖尿病の患者さんに向けた栄養指導が行えますので、当診療所では歯周病の治療を行いながら糖尿病についての相談もできます。このように、患者さんの歯だけでなく、体全体の健康についても目を向けて日々診療をしています。

どんな年齢層の方たちが通院していますか?

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当診療所に限らず、どちらのクリニックでもそうだと思うのですが、患者さんの主な層は子どもと高齢者です。逆に足が遠のいているのは20~30代の方たちです。これらの世代は子育てが始まったばかりで、自分の子ども歯に対する意識はとても高いのですが、自分たちの歯となると疎かになっている方たちが多いように思います。この世代あたりから歯周病に罹患する確率が高まってくるのですが、歯の病気の多くが症状を自覚しにくいために、気づかない方が多いです。そして、50~60代になってから病気を自覚するようになり、慌てて歯科医院に飛び込む人が多いように思います。この世代になってから治療を始めるのはあまり良いことではありません。治療が後手後手になってしまうためにうまく進まないからです。その前に手を打っていただくために、当診療所ではお子様と一緒に治療を受けていただけるファミリールームという家族向けの診察室を用意しました。

会社に所属することで、たくさんの人たちを救える

歯科医師で勤務医を長くされる方は珍しいのではないですか?

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そうですね。自分自身もこんなに長い間、お世話になるとは思いませんでした(笑)。当診療所で働いて、かれこれ18年になります。当初は開業するまでの準備期間のつもりだったのですが、ここで診療し続けたいと思います。その理由はサンスターの商品開発にも携わることができるからです。開業することで手の届く範囲の人々に貢献する魅力もありますが、会社に所属することで私個人ではフォローしきれない人々にも携われると思うからです。このあたりは会社に従事する期間が長くなるにつれて思うようになりました。

研究にも力を入れているそうですね。

スタディーグループを立ち上げ、皆で勉強しています。インプラントのメンテナンスについてのものなのですが、10年くらい前から定期的に開いています。実はインプラントのメンテナンスについてのエビデンスは足りず、まだまだ研究が進んでいないところがあります。だからといって何もせず、ただ単に手をこまねいているわけにもいかないので、スタディーグループをつくり、自分たちの手で調べてみてはどうだろうと思いました。当グループのメンバーは歯科医師だけではありません。歯科衛生士にも臨床研究についての論文などを勉強してもらい、自分たちでデータを集めて、ここから情報を発信していければと思っています。

QOLの向上について、どのようなことをされていますか?

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当診療所ではQOLについての新たな試みをしています。QOLというのはクオリティ・オブ・ライフ(生活の質)の略語で、医療現場でしばしば持ち出される観念的な印象のある言葉ですが、実は数値化することができるものです。私の学生時代の研究テーマでもあるのですが、患者さんからアンケートを取ることで体温や血圧を測るように数値化することができます。当診療所では従来の問診票と合わせて、QOL問診も用意しており、数値化したデータを集めることで、より満足度の高い治療が行えるようにめざしています。

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