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片岡 観精 院長の独自取材記事

カタオカ歯科医院

(豊中市/千里中央駅)

最終更新日:2021/10/12

片岡観精院長 カタオカ歯科医院 main

大阪市内と北摂をつなぐ大動脈「新御堂筋(国道423号)」が近いにもかかわらず閑静なたたずまい。「カタオカ歯科医院」は大阪モノレール線や北大阪急行電鉄の千里中央駅から南へ徒歩13~14分のマンション内にある。片岡観精(みよし)院長がめざすのは医療先進国・デンマークへの留学経験を生かした高度な診療だ。一般歯科をはじめ矯正、歯科口腔外科などを中心とした総合的な治療によってさまざまな症状に対応する。義歯やインプラント、移植などの最新の情報の収集・技術の反映に尽力。人それぞれ千差万別の虫歯・歯周病リスクなども見極めて予防や治療計画を患者と“二人三脚”で決める。患者にとって一生を通じた最善の方法の提案を心がけるという片岡院長に治療の方針や工夫などについて聞いた。

(取材日2017年8月7日)

さまざまな歯科医院で勤務をしながら大学院で研究

デンマークへの留学経験がおありなのですね。

片岡観精院長 カタオカ歯科医院1

2008年の2月から半年間です。予防では世界一といわれる北欧で勉強したくて母校の大阪大学と協定を結んでいるデンマークコペンハーゲン大学に行きました。北欧では唾液検査でわかる虫歯や歯周病などのリスクに応じて、保険料も変わる制度を採用しています。ちゃんと自分の口内をケアしていないと、保険料が高くなるというシステムが確立されているので国民も、歯の健康を保つためにすごく勉強しています。なので、予防のために歯科検診受診率は私が留学した当時でも60~70%を越えているそうですし、同じ北欧のスウェーデンでは90%以上というデータがあります。日本の場合、2016年の日本歯科医師会の調査では学校や企業での検診も含めて年1回以上検診受診率は49%。かつては20%前後ともいわれていたので改善していますが、まだまだです。厚生労働省の調査では30~50歳代で8割が歯周病ですしね。

海外と同じレベルの治療をされていますね。

そうですね。当院では世界水準の治療に合わせ、セレックシステムを使って金属を極力使用しないメタルフリーで治療をめざしています。以前、シンガポールの先生とお話をした際に、『日本は先進国なのに、なぜ詰め物に銀歯を使っているのですか?』と言われた経験があります。その言葉にショックを受け、改めて日本の歯科治療について考えさせられました。近年日本の保険制度も金属を使わない治療も一部認められていますが、世界的にみるとより金属レスの動きが目立ちます。当院でも、患者さんにしっかりと説明をすることを心がけ、選択肢の一つとして提案し、納得していただいた上で提供しています。

臨床現場での経験を経て大学院に進まれたのですね。

片岡観精院長 カタオカ歯科医院2

臨床医としてさまざまな勉強会などに参加させていだきましたが、情報が入り混じり、何を根拠として治療をしたらいいのかがわからなくなっていたのです。そこで、根拠のある治療をするにはどうすれがいいのかを考え、大学院への進学することを決めました。大学院で研究する方法を学ぶことで、歯科治療においての世界基準を知ることと共に、臨床にいて自分の治療に間違いがなかったかどうかを確認したくなったのです。私のモットーは、歯科すべての分野専門にすることで初めて口腔治療ができると考えています。虫歯、歯周病、矯正、審美、外科、インプラント、小児と総合的な知識や技術は大学時代から蓄積していました。それが正しかったかどうかを検証するための方法論を習得したかったのです。そしてすべての治療は診断から始まると考え、大学院では歯科放射線科を専門にしました。

「治療しない治療」をめざす

ここで開業した理由を教えてください。

片岡観精院長 カタオカ歯科医院3

実はたまたまなのです。大学院には留学期間も含めて4年在籍し、そのあと大阪大学歯学部附属病院に勤務していたのですが、もともと歯科医院だったこの場所が物件として出ていると同僚が教えてくれたのがきっかけだったのです。それを全面改装して2012年10月末に開業しました。地域柄なのか歯への意識の高い人が多く、私の治療方針についてもちゃんと耳を傾けてくださいますし、私の治療方針に賛同してくださる方が多くおかげさまで開業当初から順調に患者さんにも恵まれました。また多くの患者さんが知人友人などを紹介してくださるのも嬉しく思っています。

「治療をしない治療」とはどのような治療なのでしょうか?

留学中にデンマーク人の歯科への意識の高さを目の当たりしたことが大きく影響して、「治療をしない治療」「何度も繰り返すことのない治療」をめざしています。基本的には痛みなどで来院される方はまずその対応を優先します。主訴の解決後、唾液検査なども提案して口腔内の状況を診査します。歯周病、虫歯は細菌感染が原因です、口の中が汚れた状態でいくら治療をしても感染源が残ってしまうため治療を繰り返してしまいます。まず感染源を取り除かないと良い治療は絶対できません。繰り返さない治療をするため初期段階において口腔診断やエックス線写真、口腔内写真など説明しながら将来の予想をし“二人三脚”で治療計画を決めていきます。

細菌感染については、小さなお子さんにかなり気を配っている親御さんがいますね。

片岡観精院長 カタオカ歯科医院4

一時期、虫歯菌の感染予防のため、乳幼児に口うつしや食器共有禁止が言われていましたが、その影響で免疫力の低下した成人が多くなったとされる例もあり、今では対応が変わってきています。父母兄弟をケアして虫歯や歯周病の菌を減らし乳児に感染する細菌の量を減らすようになってきたのです。母親の唾液によって形成される免疫も大切なのです。歯周病で早産・低体重児出産の危険率は約7倍になると、日本臨床歯周病学会も報告していますから、妊娠中に歯科医院に通うのも大切です。生まれた子どもに感染する菌も少なくする効果もあるのですよ。

心がけるのは本当に“お得”な診療

歯科医師に頼らず患者自身だけでの予防やケアは難しいでしょうか?

片岡観精院長 カタオカ歯科医院5

もちろん、普段のご自身でのケアは大切です。しかし、台所やお風呂のヌメリや水アカと同じバイオフィルムという、菌の温床のようなものが口の中にもできます。これが歯周病の原因にもなりますが、歯と歯茎の隙間などの隅々まで自分でだけで除去するのは限界があるのです。また、当院は検査用装置を導入して唾液から「虫歯リスク」「歯周病リスク」「口内清潔度」など自覚しにくい口腔内の現状を客観的なデータにして視覚的にわかりやすく説明できます。自分の歯周病菌の量などが把握できるので、適切な検診の回数や注意点を納得してわかっていただけますよね。それは歯科医院へ通う大きなメリットだと思います。

普段の診察で心がけていることを教えてください。

口の中だけはなく全身をバランスよくトータルに診ることですね。例えば、骨粗しょう症の薬の中には服用していると、抜歯をした場合に顎が骨髄炎などになる恐れのあるものがあります。ですから、患者さんの体が今どのような状態なのかを知るための詳しい問診はとても重要で、口腔がんの有無も要注意です。それから早め早めの治療も重要になってきます。歯が1本なくなったときに、そこにすぐにインプラントをすれば周囲の歯が残る確率は高まります。天然の状態をなるべく保つことでバランスのとれた安定した噛み合わせになり。放置せずすぐに適切な治療をすれば長期的にもメリットがあるので、結局費用的にも健康においても“お得”だというのが私の考えです。

今後どのような診療をめざしていきたいとお考えでしょうか。

片岡観精院長 カタオカ歯科医院6

例えば、早ければ30分でフルセラミックを作成できるセレックシステムを導入していますが、セラミックシステムは金属と違って天然歯と同じ硬さにできます。それにより歯茎への負担を軽減できるため、天然歯にもインプラントにも使用し歯周病のリスクを減らすことができます。近年の小児は、顎の発育不全による不正咬合が多く、「拡大床」を使用した顎誘導による顎矯正、歯の移植など、「治療をしない治療」「何度も繰り返すことのない治療」のための最適な提案ができるよう努めていますし、今後も努めていきたいです。インプラントにしても「怖い」と、おっしゃる方がいますが、当然、以前よりは素材も技術も進化しています。とにかく気になることがあれば、気軽に何でも相談してほしいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

CAD/CAMシステムを用いたセラミック治療:3万5000円~
インプラント治療:25万円
マウスピース型装置を用いた矯正:25万円~
唾液検査:2万5000円 

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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