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牛久 尚彦 院長の独自取材記事

うしく整形外科クリニック

(横浜市青葉区/たまプラーザ駅)

最終更新日:2023/08/25

牛久尚彦院長 うしく整形外科クリニック main

リハビリによって筋力や関節の可動範囲を広げ、患部の痛みや違和感の改善を図る運動療法に力を入れている「うしく整形外科クリニック」。スポーツ医学を専門に、アスリートの治療を数多く手がけてきた牛久尚彦院長は、その豊富な経験を生かし患者のニーズに合わせたオーダーメイドの治療を実践している。加齢に伴う筋肉や骨、関節などの機能低下を補い、アクティブに年を重ねたいと願う中高年向けの「姿勢評価・筋力トレーニング」というプログラムや、今後ますます進む超高齢社会を見据えた予防医療にも意欲的だ。院内に骨密度測定器も備え、骨粗しょう症の予防にも力を入れている。穏やかな人柄と明快でわかりやすい説明を診療の持ち味とする牛久院長に話を聞いた。

(取材日2023年5月18日)

患者一人ひとりに合わせた運動方法を具体的に指導

こちらにはどのような方が来院されているのですか?

牛久尚彦院長 うしく整形外科クリニック1

赤ちゃんからお年寄りまで幅広い年齢層の患者さんがいらっしゃいます。お子さんですと、部活やクラブチームでけがをしたというケースが多いですね。一回の外傷に限らず、野球肘や野球肩、サッカー選手の捻挫など、繰り返し起こるスポーツ障害で通院されることもあります。それでもやはり、患者さん全体の7割近くを占めるのはご高齢の方々です。腰や膝の断続的な痛みに悩む中高年の女性が圧倒的に多いですね。その一方、今のお年寄りは本当にパワフルで、70代でハーフマラソンの大会に出場する方もいらっしゃいます。若い頃の感覚で動いてしまうこともあるようで「今までは60~70代の方がこんなところを痛めることはなかった」というようなけがも増えています。また、当院には大学のバスケットボールやバレーボール、野球などのスポーツチームでトレーナーを務める理学療法士が在籍しており、アスリートの患者さんに対応しています。

クリニックの特色である「運動療法」について教えてください。

運動療法とは、リハビリによって患部を動かしながら、筋力をつけたり関節の可動域を広げたりして、痛みや違和感の改善を図っていく方法です。腰痛を例に挙げると、エックス線を撮って湿布を処方するのが通常の診療ですが、当院では、患者さんが訴える症状を緩和するために適した運動を具体的に指導していきます。リハビリというと、毎日続けなくてはならない過酷なイメージがあると思いますが、週1~2回の通院で無理なく継続して取り組んでいただきます。痛みが強い場合は、注射などで緩和を図ってから患部を動かしていくことで負担を少なくします。リハビリは、理学療法士が中心になり担当制で行いますし、導入に無駄な時間がかからないので効率的です。運動療法は保険診療の範囲内で受けられる治療法なので、より多くの方にメリットを知ってもらいたいですね。

ロコモティブ症候群の予防と治療にも力を入れていると伺っています。

牛久尚彦院長 うしく整形外科クリニック2

筋肉や骨、関節などの運動器に障害が起こり、歩行や日常生活に何らかの障害を来した状態を「ロコモティブ症候群」というのですが、進行すると要介護となるリスクが高まります。当院では、その予防に運動療法を取り入れた「姿勢評価・筋力トレーニング」を行っています。まずは問診で患者さんの生活習慣や日常生活で多い動作を調べ、そこから改善点を探り、適切な姿勢の維持や適したストレッチ法などを順次指導していくものです。実施のタイミングは早いに越したことはありませんが、女性なら更年期障害が現れ始める50代が一つの目安となるでしょう。骨粗しょう症の検査と同時に受診するのもお勧めですね。家庭でも気軽に続けられる運動なので、男女問わず、将来寝たきりになるのではと不安に思っている方や歩行機能に衰えを感じ始めたという方には、ぜひ一度受けてみてほしいと思います。

幅広い年代の身体機能を支援するさまざまな取り組み

こちらは「介護保険事業所」でもあるそうですね。

牛久尚彦院長 うしく整形外科クリニック3

ここ青葉区も高齢化が進んでいますが、70代、80代でも自分でどんどん動ける活発な方が非常に多いのが特徴です。そうした地域の変化を見守ってきた当院は、これまで推進してきた介護予防により一層注力するためにも、「介護保険事業所」に適した体制を築きました。デイケアやデイサービスとは違う、元気な高齢者のさらなる健康をアシストする立場で、心身の機能低下の予防・改善をサポートするプログラムを用意しています。メニューは理学療法士が考えており、ゴムバンドやボールを利用した筋力・バランス訓練、反射神経を養うゲーム形式の訓練など、自宅でも簡単に行えるものばかりです。ケアマネジャーさんたちの理解も深まってきており、患者さんを紹介してくださることも多々あります。多くの方に利用していただき、需要の大きさを感じますね。

地域での啓発活動にも注力されているのだとか。

スポーツクラブと提携し、変形性関節症や椎間板ヘルニアなどの疾患や、水中ウォーキングなどトレーニングの話をテーマにセミナーを開催しています。新型コロナウイルス感染症の影響でしばらく休止していましたが、今後の開催については随時お問い合わせください。また必要に応じて、当院で治療を終えた方が次の段階の運動を始められる際に、その方に適した、運動メニューのアドバイスなども行っています。

オリジナルのインソールも作っていらっしゃると聞きました。

牛久尚彦院長 うしく整形外科クリニック4

2003年の開院当初より、スポーツ障害の患者さん向けにインソール作製を手がけてきました。インソールには種類がたくさんあって、どんな靴にでも合うような汎用性のあるタイプから、その靴、その足型にしか合わないものまでさまざまです。当院では、患者さんの使用用途に合わせてどちらのタイプも作っています。痛みの発生要因を解消することにこだわった技術で、ただ足の形に合わせるのではなく、足首のやわらかさや歩き方を測定して、左右ぞれぞれの歩行バランスを考えながら作製しています。

予防から痛みの原因・改善策まで専門的な視点で診療

先生が医師を志した理由をお聞かせください。

牛久尚彦院長 うしく整形外科クリニック5

外科の医師である父の影響が大きいと思います。整形外科は命に関わる領域ではないものの、日常生活に大きな影響を及ぼす治療分野です。私たち人間は足をくじいただけでも不便な生活を強いられますよね。ですから「治療によってその方に合ったハイクオリティーライフをどう取り戻していくか」ということを常に意識して診療にあたっています。大学ではスポーツ医学を専攻し、特に膝関節の治療を専門としていました。膝の疾患は運動中のけがによるものが多いため、実際にアスリートが練習をしている現場に行く機会が非常に多かったですね。

診療の際、大切にしていることは何ですか?

「この疾患にはこの治療法」という紋切り型の診療でなく、患者さん一人ひとりに合わせたオーダーメイドの医療を実践しています。そのためにもまず、患者さんが何を求めて来院されたのかを素早く把握することが欠かせません。問診では患者さんから仕事や趣味など日常の多彩な話題を引き出しながら、痛みや疾患の原因を探っていきます。つらい膝の痛みの原因が、毎日当たり前のようにしていた正座にあったなんていうケースもあるんですよ。普段の何げない習慣に、自分では気づかなかった治療のヒントが隠されていることも意外と多いんです。ですので、患者さんが話しやすい雰囲気づくりも大切にしています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

牛久尚彦院長 うしく整形外科クリニック6

当院では、痛みがある方には治療のための運動療法に力を入れています。また骨密度測定器を備えており、寝たままの楽な態勢で全身の骨密度を測ることが可能です。骨密度を把握することは、骨粗しょう症の予防、ひいては介護予防につながります。そして痛みは、いわば体が発する信号です。専門的な視点で原因を探り、根本的に解決するための手立てをアドバイスしています。ここ数年の新型コロナウイルス感染症の影響で運動不足になり、体力の衰えを感じている方も増えています。運動の頻度や強度、適切な運動方法を一人ひとりの症状に合わせて指導させていただき、皆さんの健康をサポートしていきたいですね。

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