遠藤 昌樹 院長の独自取材記事
遠藤歯科診療所
(吹田市/江坂駅)
最終更新日:2022/08/04

大阪メトロ御堂筋線・江坂駅からすぐ。企業のオフィスやホテル、飲食店、マンションの並ぶ通りから、一筋入った場所に開院する「遠藤歯科診療所」を訪ねた。ビルの1階で入りやすく、受付スタッフが温かな笑顔で迎えてくれて緊張もほぐれる。地元で生まれ育った遠藤昌樹院長が、地域に貢献したいと1988年に江坂で開業。以来、子どもから高齢者、仕事帰りの会社員など幅広い年齢層の患者が訪れている。遠藤院長は歯科医師になって42年。長い年月、歯科診療を続けてきてなお、新しい技術を学び先進機器の導入に意欲的。それはすべて、患者の痛みや悩みを取り除き、患者への負担の少ない治療にこだわるからなのだそう。そんな熱いハートを持った遠藤先生に、今注力する治療と今後の展開についてじっくり聞いた。
(取材日2022年6月28日)
予防には正しい歯磨きの習慣が大切
どのような治療を心がけておられますか?

まず患者さんの負担を減らすこと、そして歯科を嫌いにならずに長く通っていただけるような治療をしていきたいと思っています。例えば治療時の痛みを極力減らすこともそうです。歯の治療で特に痛みを感じるのは、麻酔を打つときでしょう。麻酔さえ効いていれば、歯を削っても痛みを感じることはほとんどありません。痛みをあまり感じさせずに麻酔を打つために、痛点の少ない部位に適切な速さで針を刺す技術を磨きました。また、歯周病の治療に関しても、できるだけ外科手術に頼らない治療をめざしています。歯周病の治療では、歯茎を切開して悪い部分を切除したり深い部位の汚れを取り除いたりするのが一般的で、学校でもそう教わります。しかし、私たちは歯磨きの指導から始め、正しい口内ケアの方法を身につけていただき、時間をかけてでも手術に頼らずに治していけるような治療をめざしています。
何か、そう考えるようになられたきっかけはありますか?
若い頃は、学校で習ったとおり手術をしたほうが早く治ると思っていました。しかし、手術によって一時的に改善に向かったとしても、また悪くしてしまう患者さんがいました。手術を重ねると、最悪の場合、最後は歯を抜かなくてはならなくなってしまいます。どうして習ったとおりにいかないのだろうと考え、歯磨きなど歯をケアする習慣を身につけなければ、歯周病を根本的に改善させていくことはできないのだと気づいたのです。学校で習う知識と現実の治療は違うのだとも感じましたね。当院では、歯周病の患者さんに対し、まずは4ヵ月ほど一緒に歯磨き方法の改善や食後のケアの習慣づけなどに取り組みます。改善には1年ほど期間がかかることもありますが、根気よくアプローチしていくことが大切なんです。
毎日の歯磨きが大切だということですね。

歯周病にせよ、虫歯にせよ、予防には正しい歯磨きの習慣が大切です。いくら治療を受けても、歯や口の中を自己管理できなければいずれ再発してしまいます。それでは歯や歯茎は弱る一方です。ですから、当院では歯や歯茎の状態を確認しながら、歯磨きや食べた後のケアの方法を歯科衛生士が丁寧に指導します。口の中を清潔に保ち、歯周病や虫歯を予防することが何より大切で、歯や口の中を適切に自己管理できれば、口内環境は格段に良くなって自己治癒力も上がるはずです。そうして、日々の適切なケアとご自身の持つ治癒力を軸に、歯を守っていっていただきたいのです。
一人ひとりの希望に合わせた適切な処置を行う
新しい技術や、先進の治療提供にも熱心でいらっしゃいますね。

インプラント治療やホワイトニングなど先進的な技術を勉強していますし、できるだけ新しい機器をそろえるようにしています。例えばCAD/CAMシステムもすでに導入済みですが、今年中に新しい機器に変更する予定です。CAD/CAMシステムで作製する補綴物は今、保険適用が進んできていて、さまざまな症例に対応できるようになってきました。このままいけばおそらく、すべてのノンメタルの補綴治療が保険診療でも可能になるのではないかと思います。患者さんの口腔内を撮影してデータを取りこみ、ミリングマシンにかければ1時間程度でできあがりますから、予約さえ取れれば、最短で当日に補綴物が完成します。この機器の導入による患者さんへのメリットはとても大きいと思います。
顎関節症の相談や他院からのご紹介も多いと伺いました。
ご自身で気づいていない人は意外に多いのですが、口が開きにくい、痛い、物が食べられないという人は、顎関節症の可能性があります。私は、まず歯の治療を行った上でその症状が改善するかどうかを見極めます。それでも「痛い」という人には、姿勢についてもチェックします。最近はパソコンで仕事をする人も多く、つい猫背になりがちです。そんな姿勢や生活習慣からくる体の凝りが原因で、顎から下の筋肉が硬くなって、口が開きづらくなり顎関節症になりやすいんです。
患者さんとの接し方で気をつけていることはありますか?

この地域の患者さんは非常に意識の高い方が多いと感じますね。高齢の方も、できるだけ長く自分の歯で食事をしたいという意識を持って、歯のケアにも関心を持っていらっしゃいます。そうした患者さんの希望をしっかり聞くために、診療所の雰囲気にも気を配っています。スタッフ全員が優しい話し方や接し方で、患者さんに安心感を抱いていただけるよう心がけています。特に小さなお子さんは治療を嫌がることが多いのですが、一緒に風船で遊んだりして時間をかけて打ち解け、できるだけ恐怖心を取り除くようにしています。歯のケアの習慣づけには父親や母親の協力が欠かせないので、親子で歯磨き指導を受けていただいています。
常に新しい技術や機器を取り入れ、患者に還元する
先生のご経歴も教えてください。

父も歯科医師をしていましたので、自然と「自分は将来、歯医者になる」と決めていました。大阪歯科大学を卒業後、すぐに父のクリニックで働くことも考えたのですが、知人の紹介で箕面市の歯科医院で働くことにしました。情熱と意欲を持ち、常に研鑽を怠らない先生で、多くのことを学ばせていただきました。今では当たり前ですが、1つの悪い歯を治すだけではなく、噛み合わせや全体の歯のバランスを考えながら治療するという考え方も、そこで学びました。「開業医である以上、どんな歯でも治療できなければならない」という信念を持った方で、「知識や技術はトップでなくてもいい、さまざまな治療を平均よりちょっと上の水準でできるよう努力しなければならない」ともおっしゃっていて。「ちょっと上」というのがどれくらいなのか、というのは難しいのですが(笑)、その教えを守り、常に最新の技術を学び、何でもできる歯科医師でありたいと考えています。
今後も先進の治療を追求されるのですね。
最近の医療の進歩はめざましいものがあります。新しい治療法や機器を取り入れていくために勉強を怠ることはできません。そうしたものを取り入れることによって、治療の選択肢も増えていくでしょう。私たちは、常に患者さんのニーズに合った治療を提供したいと考えています。スタッフの中には歯科技工士が2人おりますので、義歯などについて直接、希望を伝えていただくこともできます。何より皆さんに健康的な口内環境を長く保ってほしい。そして、高齢になっても自分の歯で食事をしていただきたい。それが、私を含めスタッフの願いです。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

最近、歯周病に関する本を読みました。大阪大学歯学部歯学研究科で予防歯科学をされている、天野敦雄先生が書かれた本です。口の中には細菌がいっぱい広がっていて、その細菌をどうコントロールするかが大事で、そのためには歯磨きが重要です。歯周病で炎症を起こした部分を切り取ったとしても、治ったことにはなりません。これまでの予防歯科から一歩進んだ、口腔内細菌のコントロールが大切です。患者さんに、ご自分の歯を「自分で守りたい」とどうしたら思ってもらえるか、これからも一生懸命考え続けて、当院のスタッフとチーム一丸となり、診療を続けていきます。
自由診療費用の目安
自由診療とはホワイトニング/12万1000円、インプラント治療/埋入:20万4600円~、オールセラミック/11万円~ ※症例によって費用が異なる場合がございます。詳しい費用に関しては当院までお問い合わせくださいませ。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供を行っております。
カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)については、効果・効能に関して個人差があるため、 カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)を用いた治療を行う場合は、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。