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阿座上 志郎 院長の独自取材記事

あざがみクリニック

(横浜市青葉区/たまプラーザ駅)

最終更新日:2023/11/29

阿座上志郎院長 あざがみクリニック main

1999年の開業以来、子どもたちの健康を見守り続けてきた「あざがみクリニック」。2018年に小児だけでなく大人も気兼ねなく来院してもらえるようにと、もともとの院名にあった「小児」の文字を取り除いたと教えてくれたのは、包み込むような温かい笑顔と、人との縁を大切にする誠実な人柄が魅力の阿座上志郎院長。自然光の降り注ぐ明るい院内は、スタッフの笑顔とアットホームな雰囲気であふれている。常に新しい医療情報を獲得しながら時代に合ったサービスを追究してきたという同院の歩みや専門的な外来について、阿座上院長の地域への思いを交えながら、じっくり聞いた。

(取材日2023年6月16日)

子どもも大人もかかれるファミリークリニック

まずはクリニックの歩みと特徴を教えてください。

阿座上志郎院長 あざがみクリニック1

横須賀共済病院で新生児やNICUを担当していた頃、後輩から「青葉区にクリニックビルを建てて小児科をメインに据えてやろうという話があるのですが、先生、いかがですか?」と、この場所を紹介されました。それからはトントン拍子で話が進み、1999年に「あざがみ小児クリニック」を開院。地域に根差した小児クリニックとしてやってきました。小児科で診るのは15歳くらいまでが基本なのですが、開院から時間がたつにつれ、中高校生になった患者さんから、たまに風邪をひいた時などに診てもらえないかと相談を受けるようになり、その程度だったらうちで対応できると考え、2018年に院名から「小児」の文字をなくしました。それ以来、保護者の方をはじめ、成人の患者さんが格段に増えましたね。あくまでも小児科がメインですが、ファミリークリニックとしてこれまで以上に地域に貢献していけたらと思っています。

幅広い年齢層の患者さんが来院されているのですね。

お子さんが風邪をひいた時、お父さんやお母さん、あるいはおじいちゃんおばあちゃんも具合が悪いことも多く、そんな時に家族みんなで診てもらえると助かるよねというお声はいただきます。最近は子どもの頃にかかっていた方がお母さんになってお子さんを連れて来てくれることが増えてきたのですが、お父さんになった患者さんが赤ちゃんを一緒に連れてきてくれた時はさらにうれしかったですね。地域に根差したかかりつけ医として、小児科冥利に尽きる思いでした。もちろん、症状や病気によっては当院で診るより大きな病院で診てもらったほうがいいケースもあります。重篤な病気が隠れていないか、病院に送るタイミングを見逃さないよう、常に適切な診断を心がけています。

先生の診断力には皆さん安心されているのではないでしょうか。

阿座上志郎院長 あざがみクリニック2

かかりつけ医は、医療の最初の窓口です。適切な診断をすることはもちろん、患者さんにとって最善の選択ができるよう、患者さんがどんなことを不安に感じ、何を求めて当院に来られたのか、しっかりお話を聞くよう心がけています。何度も発熱で来られるお子さんでも、「何かいつもと違う」という感覚はとても大切です。また、これくらいならクリニックで対応できるなという状態でも、お母さんがかなり不安に感じているようなら、早目に大きな病院を紹介することもします。スムーズな医療連携につなげるため、当院では迅速で精度の高い検査装置を導入。診察時は今の状況を説明するだけでなく、必ず今後の見通しについても説明するよう心がけています。

多彩なアプローチで子どもたちを笑顔に

夜尿症や低身長の外来にも対応しているそうですね。

阿座上志郎院長 あざがみクリニック3

当院では大学病院で外来を担当している先生に来ていただき、金曜日に低身長専門の外来も行っています。夜尿症はお子さんの精神面も大きく関わっているため、きめこまやかなフォローが重要です。当院ではスタッフも相当時間をかけて夜尿症について学んできました。「早くなんとかしてほしい」と焦るお母さまの気持ちもわかりますが、治療の一歩にはお子さん自身に「なんとかしたい」「治したい」という自覚が芽生えることが必要です。当院では、お子さんの自尊心や心の成長を見守りながら、よりよい結果につながるようサポートしています。6歳を過ぎて夜尿でお悩みの方は、気軽にご相談ください。

先生は感染症の専門家でもあると伺いました。

小児科の医師は基本的に誰でも感染症の専門家といえますが、特に日本感染症学会感染症専門医の立場でコロナ禍では先進の医療情報にも留意し、エビデンスやガイドラインに基づく診断や治療、感染症対策を心がけました。初期の頃は、ワクチン接種や発熱者の診療を受け入れるかかりつけ医が少ない状況でしたが、おじいちゃんやおばあちゃんがお孫さんに会えない状況がかわいそうで、少しでもお役に立てればと、院内感染症の予防対策を徹底し、高齢者の集団接種を受け入れられる体制を早くに整えました。また、さまざまな情報が飛び交う中、遠方に引っ越したり、海外にお住まいの患者さんも少しでも安心できるような医療情報をメールで配信し続けたりもしました。

メール配信サービスも提供しているのですね。

阿座上志郎院長 あざがみクリニック4

縁あってこの地で開業して24年余り。おかげさまで多くのご家族との出会いに恵まれました。このエリアは海外に赴任されるご家庭も多く、思うように受診できない遠方の患者さんから、メールで相談を受けることも少なくありませんでした。もともと休診や診療時間の変更などクリニックや予防接種に関する情報をメール配信していたのですが、コロナ禍ではさまざまな情報が飛び交う中、エビデンスにもとづく信頼できる医療情報の発信を心がけました。また、どうしても受診するのが怖いという方にはオンライン診療にも対応しました。診療時間は限られていますが、さまざまなツールを活用しながら、今後も患者さんため、地域のためにお役に立てればうれしいですね。

小児科は子どもに関する心配事のゲートキーパー

印象に残るエピソードはありますか?

阿座上志郎院長 あざがみクリニック5

数年前、入院が必要な病を患い、診療を代診の先生にお願いした時期があるのですが、その時、患者さんたちから励ましのお手紙やお子さんが一生懸命作ってくれた作品などいろいろ頂いたんです。ああ、自分は皆さんのお役に立てているのかな、地域で必要とされているのかなと胸が熱くなりました。また、遠方に引っ越された方からお礼の手紙が届いたりすると、地域のかかりつけ医として患者さんの人生の一部に関われたのかなと本当にありがたいですね。ご縁を大切に、これからも地域のために頑張ろうと思います。

今後の展望をお聞かせください。

発達障害の勉強もしていきたいですね。というのも、疑いのあるお子さんがいても、相談窓口はどこも予約が埋まっていて数ヵ月先でないと予約が取れません。その間、不安な気持ちで過ごされる保護者の気持ちを思うと、何かお役に立てないかと思うんです。もちろん、本格的な診断や治療は専門家でないと対応できませんが、不安な思いを抱えた親御さんが気軽に相談できる場所が地元にあったらいいなと。ましてや通い慣れたクリニックなら、お子さんに余計な負担をかけることなく、お子さんとお母さんをサポートできればと考えています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

阿座上志郎院長 あざがみクリニック6

小児科を長くやってきたこともあり、最近は思春期前後のお子さんの心身的なご相談を受けることも増えてきました。わが家は子育てに関しては、妻が頑張る姿をずっと見てきたので、お母さん方にはいつも「どんなことでも相談してください」とお伝えしています。いつも言っているのですが、私は小児科はお子さんに関するすべての心配ごとのゲートキーパーだと思っています。決して上から目線ではなく、保護者と同じ目線で気持ちに寄り添い、話に耳を傾け、必要な治療や窓口につなげていくことが、私たちかかりつけ医の役目。ともにお子さんの成長を見守り、命を守るゲートキーパーです。どんな些細なことでもかまいません。お子さんに関する心配ごとなら何でも気軽にご相談ください。

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