中矢 紘嗣 院長の独自取材記事
なかや歯科医院
(高槻市/高槻駅)
最終更新日:2025/01/23

JR京都線高槻駅から車で10分、緑豊かな住宅地に位置する「なかや歯科医院」。院長の中矢紘嗣先生は2024年4月から父である中矢健二前院長から継承し、2人で診療にあたっている。平日21時までの院内での診療や訪問歯科診療など、地域のニーズに応える歯科医療を提供。父から受け継いだ「なるべく歯を削らず、抜かない」という治療方針と、先進の歯科医療の知見を組み合わせ、予防を重視した診療を心がけている。現在は3世代にわたって通院する患者も多く、長年の信頼関係を大切にしながら、父子二人三脚で地域に根差したクリニックをめざしている。継承の経緯から今後の展望に至るまで紘嗣院長に話を聞いた。
(取材日2024年12月16日)
地域とともに歩む、親子2代の歯科診療
2024年4月にクリニックをご継承されたそうですね。

父の診療姿勢を受け継ぎながら、新しい歯科医療も取り入れていきたいと考えていました。神戸で6年間、勤務医として経験を積んでいた時期に、父から「早く戻ってきてほしい」と言われたんです。その後、私が高槻市の大阪府三島救急医療センターの休日診療をしていた時に父が病で倒れ、人生の転機となりました。2024年4月に院長を引き継いでからは、患者さんの診療はもちろん、スタッフの働く環境づくりにも力を入れています。現在も父には診療に携わってもらい、それぞれの経験や知識を生かしながら、より良い医療を提供できるよう心がけています。長年通院いただいている患者さんにも安心して通い続けていただけるよう、自然な形での移行を考えてきました。
いつ頃から歯科医師をめざされたのですか?
父の姿が私の原点ですね。高校生の頃、父は大学病院での診療を終えた後も夜遅くまで患者さんと向き合う日々を送っていました。父の献身的な姿を間近で見て育ち、「人々の健康に寄り添える歯科医師になりたい」と考えるようになりました。学生時代は、父の助手として診療に携わり、人とのつながりを大切にする診療姿勢を学びました。その後、勤務医として働いた神戸のクリニックでは、インプラント治療や訪問歯科診療など、先進の治療技術も習得。その経験は今の診療にも大いに生きています。
地域におけるクリニックの役割についてお聞かせください。

父とともに地域の皆さまの健康を支えるかかりつけ医をめざしています。特に訪問診療は、長年通院されていた患者さんが高齢となり、来院が難しくなられた際に、何とかしたいという思いから始めました。訪問診療がある時は、父に院内で診療にあたってもらい、必ず院内での対応ができるような体制を取っています。また、より専門的な治療が必要な場合は、大阪医科薬科大学や矯正歯科専門のクリニックとの連携体制も整えています。患者さん一人ひとりに最適な医療を提供できるよう、地域の医療ネットワークを活用しながら、きめ細かな対応を心がけています。
あらゆる世代に寄り添う診療姿勢を大切に
どのような主訴で来院される方が多いですか?

痛みがある、詰め物が取れた、という症状で来院される方が多いですね。年齢層は幅広く、開院当初から通っていただいている方も大勢いらっしゃいます。最近では、お口全体の健康管理や予防に関心を持たれる方も増えてきました。地域に密着した診療を心がけており、近隣の方が中心です。お子さまからご年配の方まで、家族ぐるみで来院される方も多いので、それぞれの年齢に合わせた丁寧な対応を大切にしています。また、定期検診の間隔が空いている方には、電話で状況をお伺いすることもあります。「お変わりありませんか?」と声をかけると「先生、覚えていてくださったのですね」と喜んでいただけることも。ご状況はさまざまなので、一人ひとりの健康状態に気を配り、歯科衛生士をはじめとするスタッフ全員で連携しながら、日々の診療に取り組んでいます。
診療にあたってのモットーを教えてください。
患者さんご自身の歯を大切に守り、できるだけ長くお口の健康を維持していただきたいと考えています。父から受け継いだ「できるだけ歯を削らない」という方針に、現代の歯科医療の知見を組み合わせることで、より良い治療法をご提案できるようになりました。お口の健康は、おいしく食事を楽しみ、笑顔で会話を交わすなど、豊かな日常生活を支える大切な要素です。人間の体の中でも、お口の中は特に活発に働く部分の一つ。食事のたびに強い力がかかり、絶えず活動している場所だからこそ、定期的なケアが大切になります。健康な歯を守るためには、治療よりも予防が重要だと考えています。
患者さんとのコミュニケーションで大切にされていることは?

初めて来院される方には、お口の状態だけでなく、不安なことや気になることを丁寧にお聞きするようにしていますね。例えば「歯医者が苦手」という方には、診療の手順を細かく説明し、少しずつ慣れていただけるよう配慮しています。また、治療計画についても、ご要望や生活スタイルに合わせて複数のプランをご提案。「この治療を選んで良かった」と思っていただけるよう、時間をかけて対話を重ねています。特に大切にしているのは、患者さんお一人お一人の生活リズムに合わせた診療です。平日お仕事で忙しい方には夜間の診療時間の設定を、ご高齢の方にはゆとりを持った診療時間の設定を心がけています。また、定期的な健康状態の確認や日々の些細な変化なども、気軽にご相談いただける関係づくりをめざしています。
地域に根差したクリニックとして
今後、特に力を入れていきたい治療分野や新たな挑戦はありますか?

今後は小児歯科により一層力を入れていきたいと考えています。お子さまの歯並びや口腔内の健康は、将来の豊かな食生活や表情づくりにも大きく影響します。特に成長期のお子さまにとって、しっかり噛んで食べる習慣を身につけることは、健やかな成長のためにもとても大切です。共働きのご家庭が増える中、保護者の方々の不安や心配に寄り添いながら、お子さまの歯の健康をサポートしていきたいと思います。また、矯正治療についても、お子さまの将来を見据えて、矯正を専門とする先生方と連携しながら、最適なタイミングでアドバイスができればと考えています。
ワークライフバランスをどのようにとっているか教えてください。
休日は1歳7ヵ月になる娘と一緒に過ごす時間を大切にしています。家族でドライブに出かけることが多く、娘が興味を持てそうな場所や季節を感じられる場所を探しながら家族で出かけていますね。近くでしたら、高槻市の自然博物館へ行き、自然観察を楽しんでいます。自身が親になった経験は、クリニックでの小児歯科診療などにも生きています。お子さまの気持ちや、保護者の方の不安な気持ちにも、より深く共感できるようになりました。診療とプライベートのメリハリをつけることで、患者さんにより良い医療を提供できるよう心がけています。
最後に地域の皆さまへメッセージをお願いします。

「歯医者さんは痛い時だけ行くところ」というイメージを変えていきたいと思います。定期的な検診は、散髪に行くような感覚で気軽に来ていただければ。むしろ、痛みが出る前の予防的なケアこそが、長く健康的な歯を保つための秘訣だと考えています。これからは、デジタル技術を活用したわかりやすい説明や、より快適な診療環境の整備にも取り組んでいきたいと考えています。父と二人三脚で、赤ちゃんからご年配の方まで、生涯にわたってお口の健康をサポートさせていただく。そんな「家族みんなのかかりつけ医」として、これからも地域医療に貢献していきたいと思います。どうぞ些細なことでもお気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはかぶせ物/5万5000円~
詰め物/3万円~
ノンクラスプデンチャー/16万円~
総義歯/21万円~