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金井 鐘秀 院長の独自取材記事

かない矯正歯科医院

(岡崎市/東岡崎駅)

最終更新日:2021/10/12

金井鐘秀院長 かない矯正歯科医院 main

東岡崎駅から徒歩5分。「かない矯正歯科医院」は1986年の開院以来、矯正専門の歯科クリニックとして地域の信頼を集めてきた。院長の金井鐘秀先生が徹底的にこだわるのが「治すこと」だ。矯正においては歯科医師による治療だけでなく、患者自身による日常生活での努力が不可欠。時には患者を叱咤激励するのも、「来てくれたからにはきちんと治して幸せになってもらいたい」と願う先生の想いゆえだ。専門的な技術を持つ金井先生と治したいという意志を持つ患者との二人三脚で治療が進んでいく。子どもより成人の患者が多いという同院。初診の進め方や治療開始に好ましい時期などじっくり聞いた。 

(取材日2018年6月11日)

矯正の開始時期はいろんな歯科医師の意見を聞いてから

患者さんはどういう症状で来院しますか?

金井鐘秀院長 かない矯正歯科医院1

歯並びが悪く人前で笑えないなど、見た目の悩みが大半ですね。当院は大人の患者さんが多く、50代や60代の方もおみえになります。長い間悩んで決断されているので、良くしてあげたいと思いますね。しかし、おそらくご存じでない方が多いと思いますが、矯正治療は前歯をきれいにそろえることを目的として行う医療ではありません。歯並びが悪いということは噛み合わせの機能がうまく働かない状態。噛み合わせ理論に従って奥歯から順番に噛める状態を整えていくと、結果として前歯もきれいにそろうのです。もちろん見た目のお悩みで来院いただいてもかまわないですよ。噛み合わせの治療の結果、前歯もきれいになりますから。しかし、前歯をきれいにするだけでは噛み合わせは良くなりません。前歯がきれいにそろった出っ歯では困りますよね。

噛み合わせを改善するのが矯正なのですね。

患者さんの口の中を効率的で機能的な“道具”に治していくのです。人生100年時代を生きる患者さんたちが自分の歯で一生食べていくために、優れた道具を作ってあげられるかどうかが重要。そのために、矯正歯科医師に求められるのは歯を動かすテクニック以上に、患者さんが持つ問題の本質を見極める能力だと思います。現在の噛み合わせの状態、ゴールとなるめざす状態、そのためにどの歯をどのようにいつ動かすのかを検討していきます。見極めるポイントの一つに、顔の形があります。それぞれの人が持つ個性ですよね。噛み合わせは顔の中の一部分ですから、一人ひとりの患者さんの顔にぴったりと合う形にしていくのです。抜歯をすることもありますが、顔の形に合い、かつ機能が優れた噛み合わせにするためには必要なことです。このとき、口が自然に閉じられるように前歯が位置づけられていることがとても重要です。

診察はどのように進められるのでしょうか。

金井鐘秀院長 かない矯正歯科医院2

初診では口の中を見せていただき、予想される治療やスケジュールなど患者さんが必要とされる情報をすべてお話しします。所要時間は1時間ほどです。初診での説明を踏まえて治療を希望された場合には、レントゲン撮影などの検査を行います。患者さんにお話しするときに心がけているのは聞かれたことにしっかり答えること。こちらから一方的にお話ししてもわからないでしょうから、何を聞きたいのかお尋ねして、できるだけわかりやすくお答えするようにしています。疑問だったことが解消され、お帰りいただけるようにと思っています。患者さんにはいつも「いろんな矯正歯科の意見を聞いたほうがいいですよ」と言っています。いったん治療を始めてしまうとなかなかやめられないですから、最初に比較して納得してから始めてほしいのです。

矯正は必ずしも早いスタートが良いとは限らない

患者さんからはどのような質問が多いですか?

金井鐘秀院長 かない矯正歯科医院3

よくあるのは「いつ始めればいいですか?」といった治療のタイミングに関することでしょうか。治療開始のタイミングについては、さまざまな考え方がありますが、急を要することがなければ、本人の気持ちによっては、先に延ばしても良いと思います。不正咬合の状態によっては治療がしやすい時期があるのは確かなのですが、矯正治療は、診察台で口を開けていれば歯科医師に治してもらえるというものではなく、患者さん自身の日常生活での努力も必要です。よって何より大事なのは、治したいというご本人の意志。時には「やめておいてはどうですか」と言うこともあります。例えば装置をつける前に歯磨き指導をしますが、あまり乗り気でないような様子だと、今は良いタイミングではないのではと考えて患者さんと相談します。抜歯を必要とする治療の場合やり直しは難しいですから、中途半端な気持ちで始めるよりはきちんと理解してから始めたほうが良いのです。

治そうという気持ちに患者自身がならないといけないのですね。

そのとおりです。娘さんを連れてくるお母さんが歯並びを治してあげたいと言う気持ちもわかりますが、高校生や大学生になって、治したいと自分自身で思った時からでも遅くないですよ。社会人になって「先生、初めてのボーナスを持ってきました」と言って始められる方は、ご本人がとても頑張りますからスムーズに短期間でうまくいくことが多いですね。ちなみに歯磨き指導は歯科衛生士が行っています。治療後に患者さんからアンケートをとると評価が高く、「歯磨きのやり方を一生懸命教えてくれたので助かった」という回答を頂いています。優秀な歯科衛生士です。

先生が治療で大事にしていることを教えてください。

金井鐘秀院長 かない矯正歯科医院4

「患者さんとの関係性です」が模範解答かもしれませんが(笑)、僕が何よりも大事にしているのは、治療によってきちんと治ることです。治療を進めるにあたって患者さんの協力は不可欠です。治療途中の各プロセスにおいて、厳しいことを言うこともあるでしょう。でもそれも、よりよい治療結果のためなのです。患者さんにとっての一番のご褒美は成功すること。時間もお金もかかることですし、患者さんには幸せになってほしいですからね。僕は一連の治療が終わるとカウンセリング室で患者さんと一緒に治療経過を振り返るのですが、「よく頑張りましたね」と言えるときが、一番うれしい瞬間ですね。

患者の思いに応え、間違いのない医療を提供したい

先生はなぜ歯科医師になられたのですか?

金井鐘秀院長 かない矯正歯科医院5

小さい頃から歯科医師になりたいと思っていました。矯正歯科を専門とすると決めたのは大学4年の時に受けた講義がきっかけです。八重歯がきれいに治るという矯正の症例としては一番単純なものですが、きれいに整った歯列のスライドが非常に健康的に見えたのです。当時、どういう歯科医師になろうかと考える中で、虫歯を削って詰めたり、歯がなくなれば人工物で補ったりすることに、果たしてこれは治ったといえるのだろうかいう違和感を感じていました。その時にこのスライドを見て、自分の白い歯でしっかりと噛めるようになる矯正こそが自分が患者さんにしてあげたいことではないかという思いが浮かんだのです。

印象に残っている患者さんはいますか?

子どもだった患者さんがお母さんになって、自分の子どもも診てくださいと言って来てくれるのはうれしいですね。また母校の新潟大学に勤務していた頃、雪の中をお子さんを連れて来られたお母さんが「何軒もの歯科医院で話を聞いたが、初めて納得のいく説明を受けた」と治療を始められ、引っ越しされる時に「あの日、大学病院まで行って本当に良かったです」とお手紙を頂いたことをよく覚えています。矯正は口の中がダイナミックに変化していきます。治療中の患者さんの口の中がきちんと整っていくのを見ると清々しいですよ。機能的に優れたものは美しいと感じます。

今後の展望を教えてください。

金井鐘秀院長 かない矯正歯科医院6

展望なんてものはありませんよ。当院を選んでくれた患者さんに対して一生懸命できる限りのことをやろうという、ただそれだけです。患者さんが喜んでくれることが何よりですから。患者さんは散々悩んで、時間もお金もかけて受けられるのですから、間違いのない医療を提供したいです。悩んだけどやっぱりやって良かったと思ってほしい。これまでどおり一生懸命やるだけですね。

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