水野 恭一 院長、水野 将徳 副院長の独自取材記事
水野クリニック
(横浜市都筑区/東山田駅)
最終更新日:2026/09/10
グリーンライン東山田駅から徒歩約11分の「水野クリニック」。敷地内には30台分の駐車場が用意され、センター北駅から循環送迎バスを利用することもできる。1981年の開業以来、水野恭一院長は土日診療を続け、地域のかかりつけ医として乳幼児から高齢者まで診ることを信条としてきた。2014年からは息子の水野将徳先生が診療に加わり、小児科や内科で研鑽を積んできた経験を生まれ育った地域に還元している。介護老人保健施設や病児保育室の運営にも情熱を注いできた2人に、同院の特徴や地域貢献への思いを語ってもらった。
(取材日2024年5月8日/再取材日2026年6月23日)
小児科がなかった時代から地域医療を支える
クリニックと先生方の歩みについてお聞かせください。

【恭一院長】当院は1981年、内科・小児科としてスタートしました。当時、このエリアはニュータウン造成中で、まだ田畑が多く日本の原風景が残っていました。近隣に小児科がなく、開発に伴い住民が増えるにつれて大人も子どもも通えるかかりつけ医が必要になるだろうと考え、開業を決意しました。
【将徳副院長】開業当時、私は2歳でした。父は土日も診療していたため、ゆっくり遊んでもらった記憶はほとんどありません。それでも地域医療への貢献を第一に考えて働く父の姿に憧れ、私も同じ道へ進みました。小児循環器を専門に、大学病院や循環器専門病院で研鑽を積んだ後、地域中核病院の総合診療科で内科を中心に皮膚科、整形外科、泌尿器科などプライマリケアに必要な知識と技術を学び、2014年から当院で診療しています。
クリニックの特徴を教えてください。
【恭一院長】休日診療所がない時代から土日も診療し、赤ちゃんからお年寄りまで幅広い患者さんに寄り添ってきたことが特徴だと思います。新型コロナウイルス流行中も発熱患者さんを診ないという選択肢はありませんでした。発熱などの風邪症状や腹痛といった急性期症状から生活習慣病、皮膚疾患、アレルギー疾患など、さまざまな疾患に対応しています。
【将徳副院長】エックス線検査や心臓の超音波検査、肺機能検査、動脈硬化検査、骨粗しょう症検査など多様な検査に対応していることも特徴です。検査機器はできるだけ新しいモデルをそろえ、常に診療の質を保つよう意識しています。
長年培ってきた診療を大切にしながら、新しい設備やシステムも積極的に導入されているのですね。

【将徳副院長】最近はPCR検査機器を導入しました。新型コロナウイルス感染症やインフルエンザ、RSウイルスなど、15種類のウイルスや細菌を1回の検査で調べることができます。検査自体は15分程度で終了し、準備などを含めても約30分で結果をお伝えできるため、迅速な診断と治療につなげられるようになりました。また、2025年8月から予約システムを導入しています。順番待ちではなく時間帯予約制を採用したことで、患者さんのご都合に合わせて受診しやすくなったと感じています。以前は受付開始と同時に行列ができたり、特定の時間帯に患者さんが集中したりすることもありましたが、導入後は混雑の緩和や待ち時間の短縮につながっています。地域の皆さんに安心して受診していただけるよう、今後も時代に合わせた環境づくりに努めていきたいと思います。
往診に力を注ぎ、主治医として最後まで患者に寄り添う
最近気になる症状や、力を入れている治療はありますか?

【将徳副院長】季節の変わり目は、特に喘息のお子さんが体調を崩しやすい時期です。近年は猛暑や豪雨、台風の増加など気候変動の影響も大きく、気圧の変化による頭痛や、黄砂や花粉などによる喉の痛み、体調不良を訴える方も増えているように感じます。また、当院では睡眠時無呼吸症候群の検査と治療にも力を入れています。皮膚科診療では顕微鏡検査を行っており、水虫の診断にも対応しています。水虫は見た目だけでは判断が難しいこともあるため、皮膚の一部を採取して顕微鏡で観察、原因菌を同定して適切な治療につなげています。さらに、プライマリケアを担う医師として、不眠や不安といったメンタル面のご相談もお受けしています。症状に応じて、必要であれば専門医療機関をご紹介できます。
院長はいかがでしょうか。
【恭一院長】近年は、ご高齢の患者さんに対する生活習慣病の管理や、訪問リハビリテーションを利用されている方の定期受診が増えています。また、長年通院されてきた患者さんからの、「年齢を重ねて通院が難しくなった」というご相談も多くなりました。そうした状況を受け、私は昨年から外来診療を一部減らし、ご自宅や施設への往診に力を入れています。訪問診療専門の医療機関もありますが、いつも同じ医師が診てくれるとは限りません。長年診てきた主治医が継続して関わることで、患者さんやご家族に大きな安心感を持っていただけると感じています。これまで築いてきた信頼関係を大切にしながら、最期の時まで責任を持って寄り添うことが主治医の責務と考えています。
院長は長年務めてきた学校医を退任され、副院長に引き継がれたそうですね。

【恭一院長】はい。副院長をはじめ私の子どもたちも通った学校であり、少しでもお役に立てればとの思いでお引き受けしました。定期健康診断だけでなく、保健大会や学校保健委員会にも参加し、児童や保護者、教職員の皆さんと交流を重ねてきました。赤ちゃんの頃から当院に通っていたお子さんたちの成長を見守れたことは、大きな喜びです。退任にあたり、子どもたちから手作りの感謝状やメッセージをいただき、大変感激しています。
【将徳副院長】最近はスマートフォンやゲーム、受験勉強などの影響で生活リズムが乱れ、体調不良につながるお子さんも少なくありません。私の母校でもありますので、学校医として子どもたちの健康を支え、地域に恩返ししたいです。
あらゆる世代に寄り添い、地域とともに歩み続ける
法人内の連携も強固なようですね。

【将徳副院長】当院を母体とする医療法人活人会では、介護老人保健施設、グループホーム、訪問リハビリテーション、病児保育室を運営し、当院と連携して赤ちゃんから高齢者まで切れ目なく支える体制を整えています。例えば、当院に通院されていた患者さんが高齢になれば訪問リハビリテーションと連携し、さらに介護が必要になった際には介護老人保健施設やグループホームと連携を取るという選択肢を用意しています。
【水野院長】法人設立のきっかけは、横浜市医師会で介護福祉に携わる中で、地域包括ケアの必要性を強く感じたことでした。当初は介護老人保健施設のみの計画でしたが、待機児童問題への関心もあり、同じ敷地内に保育園を建てることになりました。子どもたちの元気な声が高齢者にとって良い刺激となればと思います。
地域医療のために尽力されていることを教えてください。
【水野院長】私の座右の銘は「利は義の和なり」です。医療は利益を優先すると本質を見失ってしまいます。当院が長年診療を続けられているのは、多くの患者さんが信頼して通い続けてくださったおかげです。そのため、利益が出た際には駐車場の拡張など、患者さんの利便性や診療環境の向上につなげることを優先してきました。これからも医師として正しいと思うことを追求しながら、地域医療に貢献していきたいです。
【将徳副院長】地域交流の取り組みとして、新型コロナウイルスの流行で休止していた「ふれあい祭り」を2024年に再開しました。これは院長が理事長を務める社会福祉法人長幼会とともに開催しているイベントで、隣接する保育園とも協力し、模擬店や園児による和太鼓演奏などを行っています。こうした交流を通じて、クリニックをより身近に感じていただけたらうれしいですね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

【水野院長】今までと変わらず、地域に密着したクリニックとして、お子さんからご高齢の方まで、幅広く診察していくことが基本姿勢です。長年診てきた患者さんには最後まで責任を持って寄り添いたいという思いから、往診にも力を入れています。お体のことで気になることがありましたら、どのようなことでもお気軽にご相談ください。
【将徳副院長】病気を治療するのではなく、患者さんを治療することを大切に、患者さんに少しでも元気になって帰っていただけるよう、スタッフ一丸となり診療に取り組んでいます。医療は医師一人では成り立ちません。看護師や医療事務とのチーム医療で、ベテランと若手がそれぞれの強みを生かしながら、より良い医療を提供していきたいと思います。

