吉江 稔 院長、吉江 のり子 副院長の独自取材記事
吉江歯科医院
(横浜市都筑区/北山田駅)
最終更新日:2024/11/11
都筑区ができた1994年にオープンした「吉江歯科医院」は、開院当初から変わらず吉江稔院長と副院長の吉江のり子先生が夫婦で診療を担っている。「歯科を全般的に診る私と、矯正歯科が専門の妻との連携が特色だと思います」と話す稔院長。のり子先生は「加えて患者さんとの対話を大切に、その方に合った治療を心がけています」と続ける。「困っている人の助けになる」ことを基本に、マイクロスコープを使った治療も得意とし、英語やドイツ語での診療にも対応する同院の特色や地域医療への思いを聞いた。
(取材日2022年5月16日/情報更新日2024年6月25日)
患者との対話を大切に、全身の健康も考えて治療する
この歯科医院の成り立ちや開院時の考えなどを教えてください。
【稔院長】当院は、歯科全般を担当する私と矯正歯科を専門とする妻が一緒に始めた歯科医院です。オープンした1994年は都筑区が生まれた年でもあり、2人で都筑区とともに歩んできた気持ちも強いですね。当院の診療の基本は「困っている方の助けになりたい」という思い。新たな医療機器を導入するのも、患者さんにできるだけ質の高い歯科医療を提供したいからです。
【のり子先生】また、私たちは患者さんとの対話をとても大切にしています。同じような症状でも、患者さんによって治療に対する希望はさまざま。それに普段の食事や生活スタイル、仕事の忙しさ、メンタルの部分なども治療の選択に大きく影響しますから、初診時に限らず、診療とは関係ないことでもいろいろ伺っています。
こちらの診療方針をお聞かせください。
【稔院長】症状が出ている部分だけでなく、口の中全体を診て適切に治療する「一口腔単位」での診療を心がけています。歯は食事や会話のときの発話で重要な役割を果たし、歯並びや顎の動き、噛み合わせのずれは全体の健康にも影響してきます。そうした全体的な視点をもとに、地域のニーズに対応した幅広い診療を行っています。
【のり子先生】患者さんからの信頼を得るには、治療プロセスの可視化も大事だと考えています。開院当初から口腔内の写真を撮り、現在は口腔内カメラでリアルタイムに映像を提示して、治療前、治療中、治療後の様子を患者さんにわかりやすく説明してきました。特に矯正治療は長期にわたることが多く、患者さんに「どのくらい進んでいますか?」と聞かれることもしばしば。そのときも、これまでの画像があれば、それと比べて今がどうかといった説明がしやすくなるんです。
英語やドイツ語での診療も可能と伺いました。
【稔院長】都筑区には在外ドイツ学校やドイツ企業の日本支社などがあり、日本語を母語としない方も比較的多くお住まいの地域なので、そうした方もお困りなら何とかしようと、十数年前に私が中心になって英語での診療を始めました。その後、クチコミで遠方の方にも伝わり、今では23区内からもおみえになるほど。当院のドイツ語対応はドイツ出身のスタッフのおかげで、もともとは患者として来院されたのですが、その後に縁があってスタッフになってもらいました。でも、スタッフと患者さんがせっかくドイツ語で話しているところに、私や妻が会話に加わりたくて英語で話しかけることもあり、患者さんと対話を大切にしたいという気持ちの表れなんでしょうね。現在は、スタッフとも一緒に月一回の英会話研修を行っており、みんなで楽しみながら語学を学んでいます。
目標とする治療を実現するために、先進的な機器も利用
診療面ではどんな特色がありますか?
【稔院長】一番の特色は、私が総合的に診て、歯周病の治療、噛み合わせの調整、総入れ歯やインプラント治療など幅広い領域をカバーし、妻が矯正歯科の歯科医師として専門性を発揮する連携体制にあると思います。矯正を始める患者さんの中には、同時に虫歯の治療が必要な方、歯が欠けた部分などをかぶせ物やインプラント治療で整えたいという方もおられます。そうしたニーズにも院内で連携して対応でき、治療のタイミングを柔軟に調整できるのは強みの一つです。
【のり子先生】夫婦なのでプライベートも一緒。もちろん家族の会話もしますが、治療の経過などをいつでも相談できるのはメリットだと感じます。しかも、矯正を終えた患者さんが、そのまま一般歯科の定期検診に通われる場合、矯正歯科の視点からも長期にわたって適切にフォローできる点も特色といえるでしょう。
マイクロスコープなど先進的な機器はどう使われますか?
【稔院長】当院では、マイクロスコープを20年以上前からすべての診療ユニットに設置しています。その意味で、当院では特別な機器ではありませんが、マイクロスコープなら肉眼では見えづらい細かな部分も視認でき、治療の精度の向上が期待できるのは間違いありません。削る部分を極力減らして、かぶせ物のつなぎ目をより滑らかにでき、治療後の良好な状態を長持ちさせることにもつながります。また、安全性に配慮したインプラント治療を行うためにガイド装置も使用しています。だからといって、新しい医療機器をすぐ使えばいいとも限りません。例えば、口腔内をスキャンして3Dデータ化する機器の導入は比較的最近です。これは当院が求めるレベルに機器の能力が到達するまで待ったため。新しいから便利だからと使って、かえって治療の完成度を落とすことがないよう、導入の際はしっかり吟味しています。
矯正ではどのような点に留意されていますか?
【のり子先生】一般的に、矯正を始めると数年単位の治療になることも珍しくありません。ですから、翌年は受験といった患者さんのライフステージ、子育てや仕事の状況なども詳しく伺い、治療計画に反映させていきます。私も2人の子どもがいる母親なので、女性の患者さんとは育児の悩み、家庭と仕事との両立などの話題で盛り上がることもよくあります。また、患者さんからは「目立ちにくい矯正装置」の希望もよく聞きます。現在は透明部分が多く目立ちにくいタイプ、歯の裏側に装着するタイプなどもあるので、それぞれのメリット、デメリットを丁寧にご紹介し、ご本人の症状に適したものから選んでいただいています。このほか、容易に脱着でき、痛みも少ないとされるマウスピース型の装置も当院でご用意しています。
同じ都筑区に住む隣人として、患者とともに生きる
今まで診療されてきた感想はいかがでしょうか?
【稔院長】都筑区は横浜市の中で新しい区で、街並みもきれいに整備されてとてもいいところです。私たち夫婦もこの街が大好きで、その気持ちの延長で患者さんを診ていますし、「うちはこれしかやりません」と診療の範囲を限定せず、自分たちの懐の深さを鍛えなくてはいけないと感じています。
【のり子先生】2022年はうちが町内会の班長も務めており、町内会の皆さんと公園の掃除をしたり、道端の草刈りをしたり。医療に限らず、地域の一員としても積極的に活動していますね。地域密着型のクリニックだからこそ、昔からの患者さんが大きくなって、自分のお子さんやお孫さんまで連れてきてくれて、「結婚したよ~」という話を聞くとすごくうれしくなりますね。
スタッフさんとも非常に温かい雰囲気なのがうかがえました。
【稔院長】チームワークといえばうちのクリニックだろうなと思います。ありがたいことに長く働いてくれているスタッフが多く、みんなにはとても助かっています。スタッフが働きやすい環境を整えながら、患者さんにとっても、スタッフにとっても良いクリニックであり続けたいと思っています。
【のり子先生】現在は、20代が1人、30代が2人、40代が2人のスタッフがおり、全員が明るく、協力し合ってクリニックでの診療にあたっています。地域に長く根差しているので、患者さんとの対話を大切にしながら、当院で長く一緒に働いてくれるスタッフがいたらうれしいなと思います。
最後に地域の方にメッセージをお願いします。
【稔院長】開院時は2人とも歯科医師としてヒヨコのような状態から、患者さんから学び、育てていただきました。今後もこの地を離れるつもりはなく、同じ区に住む隣人として、患者さんと一緒に生きたいと思っています。また、キャリアを重ね、さまざまな患者さんや症例に接する中で、「この症状にはこの治療」といった思い込みから離れ、患者さんが納得し、満足する医療を重視するようになりました。最低限の治療を手早く済ませたい方には向かないかもしれませんが、自分の歯を長持ちさせたい、噛み合わせまで考えたトータルな治療を検討したいなど、ご自分の歯や口の中に関心の高い方は、当院でお気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミッククラウン/15万9500円~、インプラント治療/1歯トータル51万7000円、矯正治療相談/3300円、矯正検査診断料/4万4000円、小児期矯正基本技術料/33万円~、成人矯正基本技術料/77万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/基本技術料77万円~、矯正装置調整料/5500円~※症例の内容や程度・期間により異なる。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。