昌山 孝 理事長、藤田 敬一郎 先生、中井 光義 先生の独自取材記事
タカシ歯科クリニック
(観音寺市/観音寺駅)
最終更新日:2025/10/06
JR予讃線・観音寺駅から車で約5分、県道237号沿いに位置する「タカシ歯科クリニック」は、30年の歴史あるクリニックだ。昌山孝理事長は、1989年に神奈川歯科大学を卒業。同大学大学院で、当時先端の治療とされていたインプラントの基礎研究に励み、1995年に地元・坂本町で開業した。現在は昌山理事長を含めた歯科医師3人体制で、患者の身体的負担に最大限配慮した最善の歯科診療の提供に努めている。今回は昌山理事長と、藤田敬一郎先生、中井光義先生の3人に、クリニックの理念や取り組みなどについて聞いた。
(取材日2022年6月16日/情報更新日2025年9月18日)
低侵襲な、最善の歯科治療を提供したい
開業までの経緯をお聞かせいただけますか?

【昌山理事長】大学の授業でインプラント治療を知った瞬間、「これだ」と直感しました。当時インプラント治療はまだあまり普及しておらず、一部の私立大学口腔外科や限られた開業医だけが行う先端の治療でした。これをどうしても極めたい一心で、大学院ではインプラントと天然歯の共存を力学的に解析する研究に取り組みました。教室では名のあるメーカーと共同で新しい構造のインプラント開発も行っていましたが、「今後は現場に出て、もっと多くの臨床経験を積みたい」という想いから開業に至りました。開業後は、インプラントを含めた先進の治療技術や材料を求めて休診日も国内外を飛び回り、知識と技術を常に磨き続けています。
クリニックの理念を教えてください。
【昌山理事長】歯科医療の技術や機器、材料は近年ますます進歩していますが、日本では保険適用までの時間や制約があり、すぐに患者さまに提供できないのが現状です。私も、かつて保険診療の中で受けた治療が十分な説明を伴わず、結果として質の低いものであった経験があります。本当はもっと精度の高い、歯が長持ちする治療があれば希望したと思いますが、それを選択する機会さえ与えられず、またそうした治療を行える歯科を探すことすら難しかったのです。そのため当院では、「自分が受けたいと思える治療を提案し、提供できる歯科医院にする」というコンセプトのもと、「体への負担が最小限で最善の歯科治療を提供すること」を診療の理念に掲げています。この“最善”は人によって異なりますが、費用を抑えたい方、痛くない治療を望まれる方、美しい詰め物やかぶせ物を求める方、歯周病の治療を終わらせたい方など、広範なニーズに対応しています。
診療体制についてはいかがですか?

【中井先生】理事長の昌山が一人であらゆる分野の技術を学び続け、すべての患者さまに時間をかけて処置を行うには限界があります。特に時間のかかる処置にも丁寧に対応できる体制が必要だったため、現在は私たち3人の歯科医師とスタッフで役割を分担し、どのような処置でも時間を確保しながら丁寧に行える体制を整えています。診療内容は保険診療をはじめ、ホワイトニングなどの審美歯科、歯周組織再生療法、インプラント、小児矯正、訪問診療、根管治療、各種義歯など多岐にわたり、院内で対応可能です。
【昌山理事長】中でも、中井が担当する歯周組織再生療法は良好な経過で、失われた骨や歯肉の再生と、多くの歯の延命につなげています。これには、陰で支えてくれる歯科衛生士チームによる徹底した歯周基本治療や保険指導も大きく貢献しています。
安心・安全なインプラント治療をめざして
治療の流れをお聞かせください。

【藤田先生】初診では、急患でない限りは時間を確保して患者さまのご希望を伺い、精密な検査・診断の上で治療計画を提案。必要に応じて、カウンセラーが追加説明を行います。当院に初めて来られる方の中には、これまで定期的に歯科医院に通っていたにもかかわらず、虫歯や歯の根の炎症、進行した歯周病が見つかる方も少なくありません。当院ではそんな症例に対しても原因を見極め、再発防止策までを見据えた治療を行います。治療方針は常に低侵襲です。歯をできるだけ削らずに、初期段階で小さく処置を終えることを重視しています。小さな虫歯は削る範囲を最小限にして詰め物で修復し、大きな虫歯に関しては可能な限り神経を残す治療を行います。根の化膿や炎症がある場合でもすぐに抜歯せず、極力再治療を提案。欠損部位には両隣の歯を大きく削るブリッジや、支えとする歯に負荷をかけ続ける義歯よりも、隣接歯に負担を与えにくいインプラントを推奨します。
インプラント治療は、どのように行いますか?
【昌山理事長】当院では、安心・安全なインプラント治療を提供することを第一目的としています。私はインプラントの基礎研究から数えて36年の経験を持ち、これまで数多くの症例に携わってきました。その間、材料や技術は飛躍的な進歩を遂げ、かつては治療を諦めていたような症例であっても、対応できる可能性が広がっています。インプラント手術では、まず歯科用CTと口腔内の光学印象データをもとに精密なシミュレーションを行い、その設計図に基づいて高精度のカスタムガイドを作製します。当院で使用するのは、インプラントメーカー純正のガイド装置です。このガイドの使用によって手術の正確性が大きく向上し、手術時間も大幅に短縮されました。純正ガイドを使用することで、患者さまの費用負担軽減と、質の高い治療の両立に取り組むことができています。
手術は、時間がかかるのでしょうか。

【中井先生】症例によって、最短10〜30分程度で完了します。しかし、インプラントを埋入するための歯肉や骨が不足している場合も多く、骨の再生を図るGBR(骨誘導再生法)や、骨造成術の一種であるソケットリフト、歯肉移植などを併用すると、処置時間が長くなることもあります。難易度が極めて高い症例については、大学病院の口腔外科とも連携して治療を進めることが可能です。どの症例においても、安全かつ確実な治療をめざします。
口腔機能が未発達な子どもたちの健康と向き合う
現在、特に力を入れている取り組みはありますか?

【藤田先生】近年は食材を細かく刻みすぎる調理や、やわらかい食品の多用によって、子どもの噛む力・飲み込む力の発達する機会が失われてきています。その結果、誤飲や窒息事故のリスクが高まり、顎や顔の正常な発達も時として妨げられるようになりました。顎の発達不全は歯並びだけでなく呼吸機能、ひいては全身の発育、発達にも影響するといわれています。そして、誤った食品知識や便利グッズの過度な使用が、この不穏な状況に拍車をかけている印象です。現代的な食生活や生活習慣こそが、将来の子どもの健康に深刻な影響を与える“現代病”、口腔機能発達不全症の一因となっているのです。これを防ぐためには、その原因や対策を正しく理解することが不可欠です。当院では小児と高齢者を担当する私が中心となって、妊娠期からの予防・ケア・食育・口育について詳しくお伝えしています。
小児矯正にも取り組まれていますね。
【昌山理事長】口腔機能の発達不全対策は、お子さんが生まれてすぐの時期からスタートすることが大切です。「お口ポカン」「受け口」「滑舌の問題」「ガタガタの歯ならび」などが、わかりやすい発達不全の症状です。そして、口腔機能が発達不全のお子さんは多くの場合、小児矯正の対象となります。小児矯正はお子さん本来の顎や顔の成長を手助けし、呼吸や食事、会話がしやすく健康な発育を促すものです。その結果として、永久歯も並びやすくなるといわれています。これに対して、骨の成長が終わった後に行う成人矯正は抜歯を伴うことも多く、限られたスペースの顎に歯を並べることが多いため、機能改善につながりにくいのです。そのため当院では、小児矯正のみで治療を終えることを目標に、一人ひとりの成長段階に合わせた丁寧な治療を心がけています。
読者へのメッセージをお願いします。

【昌山理事長】私たちは、チーム一丸となって取り組むことで、質の高い治療と患者さまの満足度を両立させ、これからも安心して通える歯科医院であり続けたいと考えています。
【藤田先生】そのためにも日々の診療はもちろん、知識と技術を研鑽し続けます。送迎や託児などの無料サービス、訪問診療などを通じて、地域への貢献にも全力を注いでまいります。
【中井先生】観音寺市で歯科医院をお探しの方、お口のお困り事がある方は、どうぞ当院までご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは詰め物(ダイレクトボンディング)/2万2000円〜、かぶせ物(ジルコニア)/6万6000円〜、ホワイトニング/8800円〜、歯周組織再生療法/3万3000円〜、インプラント治療/22万円〜(1次オペまでの場合)、マウスピース型装置を用いた小児矯正/1万1000円〜、根管治療/4万4000円〜、義歯(金属床義歯)/44万円〜、GBR(骨誘導再生法)/8万8000円〜、ソケットリフト/8万8000円〜、歯肉移植/22万円〜
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

