河田 有祐 理事長の独自取材記事
あかり歯科クリニック
(倉敷市/児島駅)
最終更新日:2026/10/15
児島駅前に位置し、一般歯科から歯周病治療、インプラント治療、審美歯科まで幅広く手がける「あかり歯科クリニック」。院内は患者との親しみを大切にした開放的な設計で、2階には審美歯科に特化したフロアも備える。理事長を務める河田有祐先生は、東京歯科大学卒業後、慶應義塾大学病院の歯科口腔外科や岡山大学大学院で研鑽を積み、培った知識や技術を地域医療に還元してきた。中でもインプラント治療に注力し、難しい症例にも向き合う姿勢を貫く。一方、スタッフがやりがいを持って働くことが患者へのより良い診療につながるとの考えから、クレドや定期的なミーティングを通じた組織づくりにも力を注いでいる。地域への想いや診療に対する姿勢、スタッフとめざす歯科医療のあり方について話を聞いた。
(取材日2026年8月31日)
一般歯科からインプラント・審美歯科まで提供
まず始めに、理事長就任までの先生のご経歴について教えてください。

母が歯科医師だったことが、歯科医師をめざした最初のきっかけです。東京歯科大学を卒業後は、慶應義塾大学病院の歯科口腔外科に勤務しました。大学病院でさまざまな症例を経験する中で、インプラント治療にふれたことが今の自分に影響していると思います。失われた歯を補うための治療に大きな魅力を感じ、いつか自分もこうした治療を手がけたいと思うようになりました。その後、岡山大学大学院の歯周病態学分野に進み、歯周病について研究を深め、博士号を取得。大学院修了後は、母が開設した本院の分院である当院「あかり歯科クリニック」で非常勤として診療に携わり、2015年に理事長に就任しました。これまで培ってきた知識や技術を生かし、一般歯科から専門性の高い治療まで、幅広く提供できる体制づくりに取り組んでいます。
インプラントは現在も力を入れている領域なのでしょうか?
はい。ただ、インプラントの本数を増やすことや、利益を追求することを目的にしているわけではありません。大切にしているのは、患者さんの立場に立って、本当に必要な治療をご提案することです。例えば、ほかのクリニックで「骨が少ないためインプラントは難しい」と言われた患者さんが来院されることもあります。そうした場合にも、すぐに「できません」とお伝えするのではなく、「どうすれば治療できるか」を考える姿勢を大切にしています。具体的に当院では、骨造成などを含めた治療に加え、眠ったような状態で治療を受けられるようセデーションも取り入れています。セデーションは、特に大規模なインプラント治療において、患者さんの負担軽減にもつながるのではないでしょうか。
こちらのクリニックは2017年に新築移転されたそうですが、内装でこだわった所はありますか?

患者さんとの距離をできるだけ近く保てるよう、閉鎖的な空間にしないことにこだわりました。患者さんのプライバシーだけを考えれば、壁を設けて診療側と通路側の動線を分ける方法もあると思います。ただ、当院ではあえて壁を増やさず、診療スペースの奥にあるメンテナンススペースも、完全に閉ざすのではなく、患者さんの様子が感じられるような造りにしています。というのも、メンテナンスを終えた患者さんが帰られる際に、私と目が合えば「お疲れ様でした」と直接声をかけたいと思っているからです。診療を終えた患者さんが院内を移動するときにも、スタッフや歯科医師との距離を遠く感じてほしくない。患者さんとのつながりを大切にする当院らしさを、空間にも反映しました。また、2階には審美歯科専用のフロアを設け、エステのような雰囲気にすることで、審美的なケアを受ける時間を自分へのご褒美として楽しんでいただけるよう工夫しています。
スタッフ一体となって歯科医療への姿勢を共有
こちらのクリニックの理念を教えてください。

当院では、「よく食べ、よく笑い、楽しく健康な人生に寄与する」という理念を掲げています。この理念をスタッフの日々の行動につなげるために取り組んでいるのが、毎週月曜日に行う当院の「クレド」に関するものです。例えば、普段の生活の中で、目の不自由な患者さんの手を引いて移動をサポートしている風景を見たとしたら、「患者さんの立場に立って行動するという行動指針を感じた」といったように、日常の中で当院の理念に通ずるものを感じた場面を一人ひとりに振り返ってもらいます。そして、そこから自分は何を感じたのか、今後どのように行動したいのかを発表してもらうのです。理念をただ伝えるだけでは、なかなか日常の中で意識する機会はありません。だからこそ、毎週立ち止まって考え、言葉にする場をつくることで、理念を実際の行動につなげていきたいと考えています。
スタッフ間でミーティングも定期的に行っているそうですね。
はい。毎月のミーティングでは、一人ひとりに前月を振り返ってもらい、感じたことや反省点、次月の取り組み目標などを全員に発表してもらっています。自分の仕事を振り返り、次の目標を言葉にすることで、日々の業務に対する意識も変わってくると思います。また、部署ごとのミーティングの時間も設けており、時には他の部署の仕事を実際に体験してもらったり、スタッフ同士でチームビルディングを行ったりしています。こうした取り組みを重ねる中で、スタッフ自身が仕事に前向きに取り組めるようになり、モチベーションの向上にもつながっていると感じていますね。実際に、スタッフの定着率が伸びており、結婚や出産を経ても復帰してくれる人が増えてきました。
スタッフのモチベーション向上は、患者さんへの接遇にも変化をもたらすのでしょうか?

歯科医師や歯科衛生士をはじめ、歯科医療は患者さんと直接接する仕事です。そのため、スタッフが仕事に対してどのような気持ちでいるのかは、患者さんにも伝わるものだと考えています。スタッフ自身が楽しく、やりがいを持って働けていれば、自然と患者さんへの接し方にも良い変化が生まれるはずです。だからこそ、患者さんに良い医療を提供するためにも、まずはスタッフが満足して働ける環境をつくることが大切だと思っています。
大学病院での研鑽を地域のクリニックで展開する意義
歯科医師を志した段階で、いずれはこちらのクリニックを継ぐことを考えていたのでしょうか?

そうですね。学生の頃から、いずれは地元の児島に戻って歯科医療に携わりたいという思いがありました。進路を考えるときも、常に頭にあったのは「児島に何を持ち帰れるか」ということです。慶應義塾大学病院の歯科口腔外科を選んだのも、権威ある場所で学んだ医療を児島で提供できたら意義があるのではないかと思ったからです。そうした児島への思いは、現在のクリニックづくりにもつながっています。新築移転の際には建物のデザインにもこだわったのですが、駅前は地域の顔とも言える場所だからこそ、その景観を少しでも彩りたいと思ったためです。少しおこがましいかもしれませんが、昔から何かを選択するときには、「児島のために」という意識が自分の中にあったように思います。
慶應義塾大学病院での学びから、現在のクリニック運営に生きているものは何でしょう?
大学病院には、地域の歯科医院では対応が難しい患者さんが紹介されてくるため、いわば「最後の砦」のような役割があります。そこで身についたのが、難しい症例に対しても簡単に諦めず、「どうすれば治療できるか」を考える姿勢です。現在も、難しいからとすぐに他の医療機関へ紹介するのではなく、まずは当院でできる方法がないかを考えるようにしています。そのためにも、私自身、今も勉強会などに参加して研鑽を続けていますし、勤務医にも積極的に学んでもらいたいと考えています。さまざまな症例に向き合いながら知識や技術を磨ける環境をつくることで、勤務医の成長にもつなげ、それを患者さんへのより良い治療として還元していきたいですね。
どのような患者さんに足を運んでほしいですか?

何らかの理由で歯を失い、「これからどうやって食事をしていけばいいのだろう」と悩んでいる方には、諦めずに一度相談していただきたいですね。実際に、何軒ものクリニックを回った末に当院へ来られる方もいらっしゃいます。治療をお引き受けする以上は、何があっても自分が最後まで診ていくという覚悟で患者さんと向き合っています。治療が進むにつれて口数が増え、口元を隠していた方が自然に笑えるようになる姿を見れたら、本当に良かったと感じます。歯のことで絶望している方に治療の可能性を示し、再び希望を持ってもらえるようなクリニックであり続けたいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント/42万9000円~ 骨造成/5万5000円~
ホワイトニング/1万6500円~

