濱田 麻美 院長の独自取材記事
はまだ眼科
(横浜市都筑区/センター北駅)
最終更新日:2025/07/18

2005年の開業以来、地域密着の眼科診療に携わってきた「はまだ眼科」濱田麻美院長。子ども人口の多いセンター北エリアの地域性に合わせて、子どもの視力検査や視力矯正、母親世代のコンタクトレンズ処方に力を入れるドクターだ。また、目を取り巻く環境にも配慮しながら、オルソケラトロジーなど新しい治療も積極的に導入している。「モットーに“丁寧なお話。丁寧な診察”を掲げ、コミュニケーションを密に取ることを心がけています」と話し、何げない会話の中から、病気の原因や診療のヒントが見いだすことにも努めている。患者の気持ちに寄り添い、その人に適した治療方法を一緒に考える診療姿勢が印象的だ。そんな濱田院長に、診療の特徴や眼科医を志した経緯、眼科診療にかける思いを聞いた。
(取材日2025年4月22日)
子どもの近視診療に注力。オルソケラトロジーにも対応
こちらは2005年に開業されたと聞きました。

途中で3人目の子どもの産休をいただきましたが、開業からは20年ということになります。センター北はファミリーの多いエリアで、開業当初は、私も子育ての真っ最中でしたから、患者さんとお子さんのことを話したり、働くママ同士の会話があったり、いろいろお話しするのは楽しみでした。今も、長いお付き合いの患者さんが多く、まだ小さかったお子さんが成人されたり、働き世代だった方がだんだん高齢になられたり、年月の積み重ねを感じます。
診療面にはどのような特徴がありますか?
視力検査や視力矯正から、コンタクトレンズや眼鏡の処方、働き世代に多いドライアイやアレルギー治療、高齢の方の白内障や緑内障、加齢黄斑変性症など幅広く対応しています。子どもの多いエリアですので、子どもの視力検査や、近視の治療・予防に力を入れているのも特徴で、オルソケラトロジーや、最近、認可された近視の進行を抑制するための目薬も導入しています。目薬による治療は、小さいうちから近視が強いお子さんや、親御さんが強い近視でお子さんの近視を心配されている場合などにご提案しています。
オルソケラトロジーについて教えてください。

オルソケラトロジーは、就寝時に特殊なコンタクトレンズを装着することで、裸眼視力向上をめざす、手術をしない視力矯正法です。睡眠時間を利用して、保護者の管理が行き届きやすいので、継続しやすい方法だと思います。近視の進行抑制への応用をめざす目的で研究が進んでおり、それにも注目して治療をしていきたいと考えています。治療にあたっては適応を確認してトラブルがないように進めています。このエリアでは治療を希望される保護者の方が多いのですが、お子さんとのコミュニケーションなども考えて、対象は小学校3年生以上としています。
丁寧な対話で生活スタイルや環境に応じた診療を
眼科医師を志した理由を教えてください。

父が眼科医師で自宅の1階が診療所という環境で育ち、小さい頃から医師になりたいという気持ちがあり、東京慈恵会医科大学に進みました。なんとなく親と同じ診療科は嫌だなと思い、眼科以外も考えたのですが、結局、学んでいくうちに興味を持てたのが眼科でした。当時は白内障の手術が劇的に進化した頃で、眼科全体がとても活性化していた時期でしたし、自分の目で診断して手術もして、最後まで一貫して診療できることにも魅力を感じたのです。新米医師時代は、先輩が手取り足取り教えてくれる時代ではなく、先輩から怒られるような失敗もいろいろしましたが(笑)、今では若い頃の楽しい思い出ですね。
武蔵野赤十字病院で研究に従事されていたそうですね。
大学病院からの国内留学というかたちで、武蔵野赤十字病院でしばらく臨床に携わる機会を得ました。同病院では、まだ日本では普及していなかったレーシック手術について治験を行うなど、先進的な研究が行われていました。臨床に生かせるよう研究に打ち込む熱気にあふれていて、先輩方の姿勢そのものが刺激になりましたね。患者さんの診療はもちろん、研究成果発表への取り組み方や、研究のアイデアの出し方など、眼科医師として求められるさまざまなことを学ぶことができました。今振り返っても、あの頃が自分の中でも眼科医師として最も成長できた時期だったと思います。
先生の診療方針について教えてください。

開業以来「丁寧なお話。丁寧な診察」というのがモットーです。世間話の中から診療のヒントや病気の原因が見いだせることもありますし、話すことによって無口な方がだんだん打ち解けてくださったり、長年通っていただくきっかけになったりすることもあります。コミュニケーションをうまく取りながら、自分自身の診断能力や技術をできるだけレベルアップしていければと思っています。また、高齢の方はどんな治療でも積極的に受けるという方と、なるべく手術などはしたくないという方に分かれますので、よくお話を聞いてその方に合わせた治療を心がけています。
クリニックとして心がけていることはありますか?
眼科というのは小さいお子さんから高齢の方まで多様な方が来られ、検査も多い所ですから、患者さんにできるだけ負担のないように、安全に快適に診療を受けていただけるように心がけています。待ち時間も短縮したいと考えて、インターネットや電話での予約システムを導入し予約優先で診察しています。また、眼科はスタッフの力も重要で、当院はベテランの頼れるスタッフがそろっているのが強みです。お母さんが受診される時は赤ちゃんの面倒を見たり、コンタクトレンズの検診の中高生にさりげなくアドバイスしたり、きめ細かく配慮してくれてとても助かっています。
子どもから高齢者まで家族ぐるみで頼りにされる存在に
コンタクトレンズ処方にも注力されているそうですが、気になる点などありますか?

最近は、小学生からコンタクトレンズにしたいというお子さんが増えています。小さい子がコンタクトレンズを使うのは、やはりリスクがありますので、正しい使い方やケアを実践できるよう啓発が必要だと考えています。また、若い方では、インターネットなどで粗悪なコンタクトレンズを購入する人や、危険な使い方をしている人が目立ちますので、こちらも正しい使い方を啓発していきたいですね。大人の方の場合、老眼になると、若い時と同じ度数では合わなくなってきます。遠近両用のコンタクトレンズもありますので、定期的にチェックを受けて適したコンタクトレンズを選んでいただきたいですね。
ドライアイやアレルギー症状に悩む方も多いようですね。
ドライアイやアレルギーは根治が難しい病気ですから、できるだけ日常生活の中で患者さんがうまく付き合えるように配慮して、治療やアドバイスをするようにしています。患者さんも、薬を処方されたら終わりというのではなく、再受診し、その薬を使用した実際の声をフィードバックしていただきたいですね。それにより具体的なアドバイスが可能になりますし、データを蓄積することで、患者さんに還元することができます。また最近、花粉症・アレルギー性結膜炎の治療薬として塗り薬も使えるようになりました。目薬をさすのが難しい小さいお子さんにも使えますので、ご相談いただきたいですね。
今後の展望をお聞かせください。

日本でも世界でも近視人口の増加は問題になっています。小さいうちからスマートフォンやタブレット型端末を使っていることや、近業作業の増加が原因の一つと考えられています。スマートフォンなどの使用時間を規制するのはなかなか難しいので、とにかく視力の低下を早く見つけて、正しい使い方と対応策をアドバイスすることを心がけていきたいですね。またこの地域も高齢化は進んでいますので、白内障や緑内障、加齢黄斑変性症など、加齢に伴う眼科疾患の早期発見にも努めていきたいです。私自身は子育ても一段落しましたので、これからは日々を大切に、新しい治療も積極的に導入しながら、それぞれの診療を充実させていきたいと思います。
読者へのメッセージをお願いします。
地域のクリニックとして目の健康のために、家族で頼りにしていただけるような存在でありたいと思っています。また最近の女性は仕事にも忙しく、お子さんやご家族のことを優先して、自分のことは後回しにしがちだと思います。年齢を重ねるにつれて、目の健康にも徐々に不調が出てくるものです。特にもともと目が良い方や、眼鏡店で眼鏡を作る方は、意外と眼科を受診されません。緑内障など自覚症状がなく、受診しないと発見できない病気もあります。ぜひご自分の目の健康について考える時間をつくっていただければと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはオルソケラトロジー/18万円、近視進行抑制の点眼治療/初回は検査・診察代3150円、薬代4380円(1ヵ月分)、2回目以降は検査・診察代1500円、薬代1万3140円(3ヵ月分)
※詳細はクリニックにお問い合わせください。