山崎裕司院長の独自取材記事

山崎歯科医院

(広島市東区／広島駅)

最終更新日：2022/09/01

広島駅北口より徒歩3分、交通至便なエリアにある「山崎歯科医院」。山崎裕司院長は、患者とのコミュニケーションを重視し、時間をかけて丁寧な治療を行うことをモットーとしてきた。歯科医師・歯科衛生士ともに積極的に外部講習会に参加し、知識・技術の向上に努める同院。昨年12月には新たな歯科医師が加わった。「これからも歯科医師・スタッフ一同、患者さんに誠実に向き合っていきたい」と語る山崎院長に、歯科医師としての歩み、患者への思いなどを聞いた。

（取材日2022年6月30日）

時間をしっかりと確保し、誠意をもって治療にあたる
歯科医師7年目で開業。増改築を経てゆとりある空間に
新たな歯科医師が加入。長く通ってもらえる歯科医院に

時間をしっかりと確保し、誠意をもって治療にあたる

近隣はもちろん、県外から通われる患者さんもいらっしゃるとお聞きしました。

駅から近いので、比較的広いエリアからお越しいただいていますね。初めは虫歯の治療で来られてその後も定期的に検診にいらしている患者さんの中には、県外にお住まいの方もいらっしゃいます。もともと広島に住んでいて沖縄に転居された方が、何かの折に広島へ来られた際に年数回立ち寄ってくださったり、仕事で青森に転勤された方が、広島の実家に帰ってこられたときに来院されたりして、本当にありがたいですね。銀歯が取れてしまい、「広島にいる1週間の間に先生のところで型採りから装着まで済ませて帰りたい」と言われ、短期間での治療を希望して来院されることもあります。保険診療の銀歯1つでそんなふうに言ってもらえると涙が出るほどうれしいですね。自分の自信にもつながります。

診療において心がけていることを教えてください。

若い頃には、患者さんに提供できる治療オプションを増やすことを重視し、懸命に努力していた時期もありました。しかし、長く歯科医師を続けてきた今、大切にしているのは、誠意をもって治療に力を尽くすということです。患者さんにもお話ししていますが、人間のやることですから100パーセント完璧な治療は不可能です。自分の力を最大限発揮し、誠意をもって治療にあたりたい。それしかないと思っています。患者さんには、保険診療でも自費診療でもその治療のメリットとデメリットを十分にご説明し、ご自身で納得された上で選択していただきます。そして、私は患者さんの選択に応じて、これまで培ってきた知識・技術を総動員して治療にあたります。専門性の高い難症例の親知らずなどは口腔外科へ紹介することもありますが、インプラント、入れ歯、ブリッジ、歯周病の再生療法、根管治療など、基本的にはすべての治療に院内で対応しています。

1人の患者さんにどのくらい時間を取っていらっしゃるのでしょうか。

1時間程度確保しています。ある程度時間をかけないと、自分がやりたい誠意ある治療ができないんですよね。短い時間でたくさんの患者さんを診るのではなく、一人ひとりの患者さんとのコミュニケーションを大切にしながら、たっぷり時間を取って丁寧な治療を行いたいと考えています。そのため、曜日や時間帯によっては予約が取りにくい場合があるかもしれません。詳しくはお電話でご確認いただければと思います。

歯科医師7年目で開業。増改築を経てゆとりある空間に

この場所はもともと先生のご実家だったとか。

そうなんです。生まれは母の実家があった大分で、小学校3年生の時に父の実家がある広島に移りました。当時はこの場所に祖父母の自宅があり、私たち家族はその2階で暮らしていたんです。医師だった祖父が自宅の隣に耳鼻咽喉科医院を開業。祖父が亡くなった後は父の弟が継承しましたが、一昨年閉院に至りました。この辺りは最近でこそエキキタと呼ばれ発展が著しいですが、私が開業を考え始めた1990年代当時はまだまだ未開発で、駅前ではあるもののバス通りから1本入っており、条件がいいとは言い難い開業場所でしたね。ほかの地域も選択肢として考えていましたが、将来的なことも考慮し、家族や祖母、親戚と相談。皆の了承を得られたことから、自宅部分を改装して開業することにしたんです。この地域が今のような盛り上がりを見せるとは、当時は想像もできなかったですね。

歯科医師をめざされたのは、お父さまからの強い勧めがあったからだと伺いました。

父自身は会社員でしたが、私の性格をよく理解していたようで、「お前は会社勤めをして人と競争するのには向いていない。医師か歯科医師の免許を取れば、自分のペースで長く仕事を続けられるんじゃないか」と言っていました。医師として働く祖父の姿に私を重ね合わせ、そのように考えたのかもしれません。精密機械に興味があり、工学部への進学も考えましたが、最終的には東北歯科大学（現・奥羽大学歯学部）に進みました。今となってみれば、歯科医師になってよかったと思っていますし、私の適性を見抜いてくれた父にたいへん感謝しています。父は私が大学5年生の時に57歳で亡くなりましたが、私も今年、父の年齢に追いつきます。幸いまだ元気なので、しばらくはこの仕事を続けていけそうです。長い間、歯科医師としてやってこられたのは、10代の頃にこの道へ導いてくれた父のおかげだと思っています。

卒業してすぐに広島に戻られたのですね。

そうですね。1990年に大学を卒業後、広島大学病院の医局に所属し、大学病院で2年間と、郊外の病院で2年間経験を積みました。その後、市内の歯科医院2ヵ所で勉強させていただき、1996年に開業しました。今の若い先生方と比べると早い開業だと思われるかもしれませんが、当時は研修医制度がなく、歯科医師になって6～7年目ぐらいで開業するのが一般的でしたね。前述のとおり自宅を改装して当院をオープンし、今年で26年になりますが、15年目ぐらいに増築・リフォームしています。ユニット3台でスタートし、途中で1台増やしたのですが、リフォームを機に3台に戻し、1台あたりのスペースをゆったり取りました。スタッフの動線も十分確保できたと思います。近隣に歯科医院が増えてきたこともあり、多くの患者さんに来てもらうというよりは、一人ひとりの患者さんにたっぷり時間を取ってより丁寧な診療を提供したいと考えるようになったんです。

新たな歯科医師が加入。長く通ってもらえる歯科医院に

待合室に、手書きの講習会レポートが貼り出されていますね。

あれは以前お世話になった先生の歯科医院で取り組まれていて、真似させてもらっています。休診日に歯科医師・スタッフが講習会に参加して勉強している様子を、患者さんに知っていただくことも大切だろうと考えて始めました。手書きのレポートにこだわっているのは、私自身も手書きのお礼状などを頂くと心が温まるから。手書きに自信がない私だけはパソコンで作成していますが、字がきれいなスタッフは皆、手書きです。自分がいいなと思ったこと、してもらってうれしかったことは自分もしてみたくなるんですよね。例えば、お中元などを送ったときに届いてすぐのタイミングで手書きのお礼状を頂くとうれしいですよね。当院でも、何か送っていただいたら届いたその日にお礼状をお出しするようにしています。スタッフ宛の届け物であれば、全員が一言ずつ手書きでコメントを書いているんですよ。

現在、歯科医師2人体制なんですね。

そうなんです。昨年12月から、山崎先生という私と同姓の女性歯科医師が週に3回来てくれています。「お嬢さんが継いでくれるの？　よかったね」と患者さんからよく言われるのですが、血縁関係はありません。でも、私にも娘の下に双子の息子がいて、彼女も双子の男の子のママで、何だか他人とは思えません。とても頑張り屋で、私も仕事がしやすいんですよ。子育てが落ち着いたら毎日来てもらえるとうれしいのですが、今のところ月・火・金が彼女の勤務日です。あと、不定期ながら10年以上来てもらっている矯正専門の女性の先生もいます。この2人の先生と歯科衛生士・受付の4人のスタッフは当院になくてはならない存在。私の宝物ですね。過去に勤務していたスタッフとも付き合いが続いています。

今後、どのようなクリニックをめざされますか。

当院は本当に患者さんに恵まれていると感じます。実は、カルテナンバー1番の方が今でも通ってくださっているんですよ。うれしいことです。当院を気に入って通ってくださる患者さんを大切に、また、新規の患者さんにも長く通っていただけるよう、これからも誠意をもって治療に取り組みたいと考えています。特に大きな野望はないんですよね。歯科医院として大切なのは、どんな治療を提供しているかということ。今後とも、支えてくれる歯科医師、スタッフとともに一人ひとりの患者さんに誠実に向き合っていきたいですね。