佐藤 憲治 院長の独自取材記事
さとう歯科医院
(川崎市宮前区/宮崎台駅)
最終更新日:2021/10/12

美しい桜が立ち並ぶ駅前の坂道を西方面に少し上ったビルの3階に「さとう歯科医院」はある。「20年以上前、開業地を探しながらふらっと電車を降りて出合った場所がここなんです」と話すのは院長の佐藤憲治先生。宮崎台駅周辺の明るい雰囲気と駅から徒歩1分という抜群の利便性に魅了され、1991年に同院を開業した。以来、完治の難しい歯周病治療にとりわけ力を注ぎ、インプラント治療や歯周組織再生療法も取り入れながら歯周病の改善に取り組んでいる。また、診療の傍らで講習会などほかの歯科医師らへの技術伝授や育成にも携わっている。日々の診療で感じる思いから、歯科医師としての在り方を見出すきっかけになった勉強会のこと、趣味などプライベートに至るまでたっぷりと語ってもらった。
(取材日2015年4月7日)
全身疾患の原因にもなる歯周病。正しい認識を伝えたい
宮崎台に開業した経緯を教えてください。

私は、大学卒業して千葉県浦安市のクリニックに5年ほど勤務した後、開業をめざして場所を探しました。私は、新宿区高田馬場出身なのですが、開業する場所を探している時、宮崎台という駅に惹かれ、降りてみたところ、駅前の明るい雰囲気ときれいな桜並木に一目ぼれしましたのを今でも覚えています。開業して20年以上たちますが、今でもこの街の雰囲気が好きです。
クリニックの診療の特徴についてお聞きします。
地域の方のあらゆる口腔内のトラブルや悩みに対応し、治療しています。私が特に力を入れているのは歯周病です。日々診療をしていく中で、歯周病がトラブルの原因となっていることが多いと感じていました。歯周病は細菌による感染症で、歯を支えている歯槽骨が溶けてしまう病気です。歯周病は最近、全身疾患のさまざまな原因になるともいわれています。また、ある種の歯周病源細菌に感染している妊婦さんが妊娠中の口腔ケアが不十分だと、軽度の歯周病も重度になることもあるので念入りなケアが必要です。しかし、患者さんの中ではそのような認識をされている方は少ない気がしています。正しい情報をしっかり患者さんには伝えていきたいですね。ですから当院では早い段階で歯周病について患者さんにお話をして、理解していただけるように心がけています。
治療はどのように進めていくのでしょうか。
患者さんには納得して治療に臨んでいただきたいので、治療の進め方については最初の段階でじっくりお話をしています。そして患者さんのご要望をお聞きしながら、一緒に治療プランを考えていきます。どんな症状に対しても妥協することなく治療にあたることをモットーとしている当院では、患者さんの状況に合わせて治療方法を提案し、納得していただいた上で治療を進めていきます。ただ、保険診療だとどうしてもできることが限られてしまうケースがあるため、自由診療の治療法も一つの選択肢としてご提案しています。そして、それらの選択肢の中から治療法を選択されるのは、私たちでなく患者さん自身。患者さんにとって本当によりよい治療結果が得られるよう、ベストな選択をしていただきたいと考えております。気になることがありましたら気軽にご相談にいらしてください。
予防に関してはいかがでしょう。

予防に関しては、日頃の正しいブラッシングでプラークコントロールをするのはもちろん、それを継続していくことが何より大切です。そこで、当院ではただ単にブラッシング指導をするのではなく、歯科衛生士が患者さん一人ひとりのライフスタイルに合わせた指導・アドバイスを丁寧に行っています。こうしたきめ細かなフォローを行っている点も、当院の特徴だと考えています。
先生が患者さんに接する際の心がけを教えてください。
患者さんに対して大事にしていることは、状況がイメージしやすく説明することですね。やはり写真を見ていただきながら説明するほうが、患者さんも現在の状況などをイメージしやすいようです。症状とともに、その治療にどれだけの時間と費用がかかるのかということもお話し、治療が長期にわたる場合は、その都度こまめに確認するようにしています。患者さんに丁寧に接して、正確な治療をし、患者さんに満足のいく結果を出していけたらいいですね。そして、私自信も一人ひとりの患者さんと丁寧に向き合える歯科医師でありたいと思っています。
専門組織でインプラントの技術を身につける
ところで、先生はなぜ歯周病に力を注ぐようになったのですか?

私が大学を卒業して勤務医として勤め始めた当時は、歯周組織再生療法やインプラントに関する情報がほとんどなく、歯周病は完全に治らないものと考えていました。しかし日々診療していく中、患者さんの口腔内の不具合の原因は、そのほとんどが歯周病と根っこのトラブルなんですね。この原因に対し、歯科医師はどうしたらいいのか、どうやったら解決していけるのかを悩みながら治療していた1994年頃、歯周病の勉強会で、歯科のスタディーグループJIADS(ジアズ)で講師をしている先生方に出会いました。JIADSの治療に対する考え方、患者さんとの向き合い方に感銘を受けた私は、歯周病の患者さんを救う技術を身につけようと、JIADSを受講するようになりました。
JIADSでインプラント治療技術も身につけられたのですね。
インプラントは、歯周病における外科治療の一環です。歯周病が進行して抜けてしまった歯を補う方法の一つだと考えています。日本で行われている主な歯周病治療には、「外科治療」「歯周ポケットのクリーニング」「ブラッシング」等がありますが、「外科治療やインプラントは痛い」と思っている方が多いと感じます。しかし、外科治療も、歯科医師が基本的な手技を手際よく行えば、患者さんへの負担は少ないんです。JIADSではその技術や考え方を学び、今も日々勉強することで、患者さんに満足していただける技術を提供できるよう努力しています。同時に、患者さんの意向もしっかりお聞きするようにしています。インプラント治療を望まないのであれば、入れ歯など別の選択肢も一緒に考えていきます。
先生は、JIADSの講師として専門家の育成にも携わっておられるとか。

はい。私は歯科医師という仕事をしていく中で、高度な技術を身につけた歯科医師が増えれば増えるほど、その何十倍もの患者さんを救うことができると教えられてきました。その思いから育成にも携わるようになりました。私自身JIADSで研鑽し、その結果、目の前の患者さんに自信を持って治療してあげられるようになりました。技術の発展が著しい中、歯科医師の間でも常に新しい情報を共有していくことはとても大切です。JIADSの活動は当院の休診日に限られますが、今後もできる限り講習会に参加していきたいと思っています。
治療に全力を尽くし、長年通ってくれる患者に恩返し
歯科医師としてどんな時にやりがいを感じますか?

開業当初から来てくださっている患者さんがいらっしゃるのですが、それは私にとってとてもうれしいことですね。今も3ヵ月に1回の定期検診も必ず来院してくださります。その方にはいろいろなことを教えてもらいました。1人の患者さんをずっと診るということは、人としても歯科医師としてもうれしいことですし、ありがたいことでもあります。患者さんの長年の経過を見ることは、勉強になりますからね。そうした患者さんに対しては、恩返しのつもりでこれからも丁寧な治療をしていきたいと思っています。
お忙しい毎日ですが、休日は何をして過ごしていますか?
以前、夏から冬にかけて立て続けに風邪を引いたことがありました。自分が気づかないうちに免疫力が低下していたんでしょうね。気合いを入れ直すために、最近ジム通いを始めました。あとは、スパやゴルフ練習場にも通いリラックスしています。中学生の時から始めたギターも毎日家で弾いていますよ。指を使う楽器は右脳を鍛えるので、かぶせ物を作るなどの作業をする歯科医師にはいいらしいです。体を動かさないと気持ちが暗くなるので、なるべく動かすようにしたいですね。
今後の展望についてお聞かせください。

今まで経験し、学んできたことを後進の育成に努めていきたいと考えています。歯科医師が育てば、より多くの患者さんを救えます。新人は誰でも治療に時間がかかるけれど、経験を重ねることでスピードを上げ、手際良くできるようになるんです。また、経験値が上がれば、患者さんが不安に思うことを予想して、先に対処することもできる。私の経験や技術を引き継いでくれる後輩を育成していきたいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/50万~60万円(目安価格)
歯周組織再生療法/13万円~14万円(目安価格)