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大関 尚志 院長、大関 尚行 先生の独自取材記事

大関眼科

(川崎市宮前区/宮崎台駅)

最終更新日:2021/11/10

大関尚志院長、大関尚行先生 大関眼科 main

宮崎台駅から徒歩7分。閑静な住宅街にある「大関眼科」は1978年の開業以来、地域の目のかかりつけ医として眼科全般を幅広く診療。子どもから高齢者までさまざまな世代の目の悩みに応えてきた。1人の患者を最後まで治療してから送り出すという方針を貫いてきた院長の大関尚志先生は、緑内障などの病気の早期発見、予防に努めている。また、子どもの治療経験も豊富で、病院嫌いな子どもの気持ちに寄り添う診療も得意としている。2018年4月からは息子である大関尚行先生が診療に加わり、2人体制での診療がスタート。地域医療のベテランである大関院長と、長く大学病院に勤務し一般的な症状から重症疾患の手術まで幅広い経験を積んだ尚行先生に、話を聞いた。

(取材日2021年7月9日)

目のかかりつけ医として40年以上にわたり診療

40年以上前にご開業されたそうですね。

大関尚志院長、大関尚行先生 大関眼科1

【大関院長】横浜市立大学卒業後、同大学医学部眼科学教室に所属して臨床と研究に携わり、1978年に開業しました。当時、この地域には眼科がほとんどなく、待合室はいつも患者さんであふれていました。そのような中で1人の患者さんを最後まで治療してから送り出すという方針を貫き、気づけば43年になります。2018年からは息子である大関尚行先生を迎え、2人体制で診療を行っています。
【尚行先生】私は岩手医科大学卒業後、同大学附属病院で14年間、緑内障と網膜硝子体を専門に診療を行っていましたが、そろそろ地元に戻って父の手伝いをしながら地域の方の診療をしたいと思い、こちらに戻ってまいりました。現在は川崎駅近くの総合新川橋病院で勤務しながら、火曜の午後と水曜の午前の週2回、当院で外来診療を行っています。

どのような患者さんが多いのでしょうか?

【大関院長】この地域にはさまざまな年代の方がお住まいで、お子さんや若い患者さんも大勢通院されています。特に多いのは、ご高齢の患者さんですね。開業当初からいらしてくださっている方は私とともに年を重ねて来られ、80代・90代の患者さんも珍しくありません。中には100歳を超えている方もおられます。通院が困難な方も増えてきたことから、患者さんのご希望に応じてご自宅への往診も行っています。往診は院内での診療に比べ、検査などできることが限られてしまうため、基本的には以前から当院に通院されていたか、紹介状をお持ちの方を対象としています。水曜の午後に予約制で行っていますので、ご希望の場合は事前にご連絡をお願いいたします。

お二人で診療されるにあたり、心がけていることはありますか?

大関尚志院長、大関尚行先生 大関眼科2

【大関院長】私は自分が高齢になり高齢の方の気持ちはよく理解できますし、小児眼科が専門なので子どものこともわかります。そして尚行先生は若い人のお気持ちがわかる。2人で診療するようになり、医学的な面だけではなく心情的な面もカバーできることが増えてきたと感じています。
【尚行先生】せっかく2人の医師がいるので、2人が同じことをしてもメリットは少ないと思います。私は大学病院で緑内障や網膜硝子体など手術をたくさん経験してきました。父は小児眼科が専門で小さい子どもの治療も得意としています。患者さんの多様なニーズに応えられるように、私は私らしく、父は父らしく、それぞれの良さを生かして1足す1が2にも3にもなるようにやっていきたいですね。

新たな機器を導入、病気の早期発見に注力

院長先生は病気の早期発見にも力を入れていると伺いました。

大関尚志院長、大関尚行先生 大関眼科3

【大関院長】40歳以上になると、多くの方が気づかないうちに目の病気にかかっています。白内障や結膜炎などの病気であれば発見も容易ですし、治療方法があるのですが、問題は目の奥の病気です。特に緑内障は初期段階で自覚症状がないために見逃しやすい病気の一つで、気づいたときには重症化している可能性があります。初診時は多くの患者さんが目やにが多い、目が赤いといった軽い症状を訴えてこられますが、その症状だけで判断せず、背景に重大な病気が関係していないかどうかを疑い検査をするようにしています。点眼薬を入れてから眼底を診る散瞳(さんどう)検査をすることで、緑内障や糖尿病の合併症など多くの目の奥の病気の早期発見につながります。40歳以上の方はぜひ受けていただきたいと思います。

病気の早期発見に役立つ、新しい検査機器を導入されたそうですね。

【大関院長】OCTアンギオグラフィーを導入しました。OCTとは光干渉断層撮影のことで、眼底の神経を断層的に見ることができます。網膜の非常に細かな神経層まで観察できるので、緑内障や加齢黄斑変性、糖尿病性網膜症など、さまざまな眼底疾患の早期発見に活用されています。一方、先端のOCTアンギオグラフィーは、従来のOCTと異なり造影剤を使用することなく血管撮影が可能で、造影剤の副作用の心配もなく、よりスムーズに毛細血管まで検査することができます。また、緑内障の新しいレーザー治療法であるSLT(選択的レーザー線維柱帯形成術)も導入しました。

緑内障の新しいレーザー治療の特徴を教えてください。

大関尚志院長、大関尚行先生 大関眼科4

【尚行先生】緑内障の治療は眼圧を下げることが治療の目的とされていて、点眼薬を複数使用しても期待する効果が得られない場合にレーザー治療が選択されます。従来のレーザー治療は繰り返して施行できない点がデメリットでしたが、SLTは繰り返し実施することが可能です。また、薬物療法やレーザー治療での改善が難しく手術が必要な場合は、私が勤務している総合新川橋病院で手術を行い、術後は再び当院に通っていただいて経過を診ていきます。一言で緑内障と言ってもさまざまなタイプがあり、中には眼圧が正常であっても進行してしまうケースもあります。当院では患者さん一人ひとりに合った治療を選択し、安心して通院していただけるよう心がけています。

患者に寄り添い、病気だけではなく人を診る診療を

診療に際して大切にされていることはありますか?

大関尚志院長、大関尚行先生 大関眼科5

【大関院長】患者さんを緊張させないことです。医師も患者さんもリラックスしている状態が理想です。まずは不安を取り除いてあげたいですね。特に小さな子どもの場合は、最初から全部を診ようとせず、1回目でだめなら2回、3回というように、子どもが安心してくれるのを待ちます。白衣を嫌がる子の前では白衣を脱いで仲良くなり、友人のような関係になることで、診療を受けてもらえるようにしています。
【尚行先生】医師が中心の医療ではなく、よく説明をして納得してもらい、治療の必要性を患者さんにもわかっていただいた上で、進めていくことが大切だと思っています。

先生方が医師を志したきっかけは何だったのでしょうか?

【大関院長】産婦人科の医師だった父をはじめ、父のきょうだいや母のきょうだいも多くが医師という家系で育ちましたので、医師になったのは自然の成り行きでした。私自身、子どもの頃はとても体が弱くて、中学生くらいまでは命に関わる大病を何度も経験していたため、父と同じ産婦人科は体力的に難しいだろうと助言を受け、眼科の道に進みました。
【尚行先生】僕もやはり父の影響が強いですね。父は僕が4歳の時に当院を開業し、僕の覚えている限りずっと診療をしていました。同じ仕事ばかりして楽しいのかなと思っていた時期もあるのですが、患者さんに喜んでいただくことに父が自信と生きがいを感じているように見えたので、私にも同じようにできたらいいなと思い医師をめざしました。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

大関尚志院長、大関尚行先生 大関眼科6

【尚行先生】眼科は混んでいて医師と話す時間があまりなく、聞きたいことが十分聞けないと感じている方も多いのではないかと思います。私は若いということと地方にいたこともあり、空いている時間があるときは患者さんといろいろな話をしていました。当院でも、なるべく患者さんとお話をする時間をつくって、不安を和らげて差し上げたいと思っています。多くの患者さんを診ることも重要ですが、一人ひとりの患者さんに満足していただける診療をめざしたいですね。
【大関院長】病気を一生懸命治すだけではなく、やはり「人間」を診ることが重要です。これからもその気持ちを忘れずに診療を続け、尚行先生と協力しながら地域の人の目の健康を守っていきたいと思っています。

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