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堺 美由紀 院長の独自取材記事

みゆき歯科

(京都市左京区/元田中駅)

最終更新日:2024/04/18

堺美由紀院長 みゆき歯科 main

静かな住宅街にある「みゆき歯科」。「外観は普通の住宅なので、クリニックの前をうっかり通り過ぎてしまい、何度も往復してしまう患者さんもいらっしゃるんですよ」と笑うのは、院長の堺美由紀先生。大通りではなく、あえてこの場所を選んで開院したという堺院長はたいへんな勉強家で、歯学部を卒業後、一旦は研究者の道へ。さらに勤務医をしながら博士号を取得し、福岡から大阪まで毎週勉強会へ通っていた時期もあるほど勉強が好きなのだという。そして、患者に対してはいつも正直でいようと心がける。しっかり治療方針を説明し、将来的に患者が不利益になると思う治療ははっきりと「やめたほうがいい」と常に患者の立場に立ってアドバイスする堺院長に、開院までの道のりとこれからの展望について、じっくり聞いた。

(取材日2021年6月3日)

患者に正直に接して、誠心誠意の治療を心がける

外観が周りの住宅に溶け込んでいますね。

堺美由紀院長 みゆき歯科1

外壁に小さな看板が1つあるだけなので、夜間に初診で来られた患者さんから「ここの前を何度も往復したのに、気づかなかった」と言われることもあります(笑)。もともと大通りに面した広い場所ではなくて、少し隠れた場所で静かに開院したいと思っていましたので。探し始めて、すぐに巡り合った場所が、理想どおりでした。仲介してくださった業者さんに「もっと大きくて、夜には光る看板を」とも言われましたが、ちょっと私のイメージとは違うなあと思い、小さな看板1つで開院しました。

クリニック名の由来も伺いたいです。

苗字ではなく、私の下の名前にしています。すぐに女性院長だとわかっていただけるからです。ホームページを作っていませんので、クリニック名だけである程度、患者さんに判断してもらうためでもあります。Mをコラージュしたロゴマークは、デザインもカラーも何度もやり直して「そこまでしますか?」と言われるほど、こだわりました。医療系に多い緑色や赤色はあえて避けつつ、私を一番表現できる色、という視点から淡いピンク色をベースに、ニュアンスのあるブルーを合わせて、やわらかさを表現しています。

どんな患者さんが多く来院されますか?

堺美由紀院長 みゆき歯科2

ご近所にお住まいの高齢者の方が、圧倒的に多いです。私はしっかりと話をしながら治療を進めることを大切にしているので、患者さんと話す時間をしっかりとれることができる現状がうれしいです。一方で、働かれている方が多い夕方6時頃は比較的余裕があります。私は補綴が得意で、保険はもちろん自費での治療も行っております。少しでも気になることがあれば、ぜひ相談に来ていただければと思います。

治療でモットーにされていることはどんなことでしょう?

私の両親や家族がこの歯の状態だったら、何をするか? どうするか? と思って治療するように心がけています。例えば患者さんが治療を「自費で」と希望されても、歯周病の状況が悪かったり、残っている歯の量が少なかったりとか、根っこの状態が不安定といった状況であれば「保険診療にしておきましょう」と言います。数年以内に、取り除いたりする必要があるとわかっていて、それをきちんと説明できずに自費診療を勧め、結局その歯を取り除くことになったら、私自身がとてもつらくなります。私は患者さんに正直でありたい。数年後まで考えた時に、何が患者さんにとって望ましいか、必ず考えて伝えるようにしています。

ある勉強会との出会いが大きく変えた

先生のご経歴について伺います。

堺美由紀院長 みゆき歯科3

私は長崎大学歯学部を卒業後、大学に残って2年間勉強した後、補綴を研究するために大学院へ進みました。大学には有病高齢者や障害者の歯科治療をする科があり、そこで2年間学ばせてもらった後、私がもともと好きだったかぶせ物などの補綴の分野を研究しようと大学院へ行きました。その後、研究職を続けようとも考えていたのですが、研究職は毎日物と向き合い、空いた時間には論文を読む。その繰り返しに、少し息が詰まってきていました。勤務医は人が相手ですから「やっぱり、私にはこっちのほうが向いている」と思いましたね。でもまだ大学院での研究も残っていたので、働きながら休みの日に研究を続け、博士号も取得しました。私は勉強をすることも好きなのです。で、次は何の勉強をしようか?と思っている時に、ある勉強会に出会いました。

それがJIADSですか?

はい。当時、一緒に働いていた先生がJIADSの勉強会に参加していて、「治療に対する考え方が変わったし、こうして治したらいいんだ、と答えが出た」と言うのです。私は、治療は悩みながらするもの、と思っていたので半信半疑でしたが、参加して衝撃を受けました。そこから「もっともっと勉強しなくちゃ」とはまりまして。福岡から大阪まで、多い時は毎週のように勉強会に参加し、歯周病、補綴などいろいろなことを学ばせていただきました。ですが勤務しながらの休日返上での参加ですから、だんだんと体力的にも金銭的にもきつくなってきまして(笑)。それで思い切って京都へ。仕事場も住まいも移すことを決心しました。

そこから歯周病治療についても力を入れるようになったのですね。

堺美由紀院長 みゆき歯科4

そうです。歯周病治療にも力を入れていまして、スタッフと勉強会にも行きます。当院では、歯科衛生士が最初の段階の処置を行い、最後の外科的な治療を私がするという流れです。歯茎を少し切開してお掃除をして、元に戻すという歯周外科処置を行います。歯周病というのは患者さんごとに症状がいろいろで、歯磨きが上手にできているのに進行してしまっている人もいらっしゃいます。また、当院はご高齢の方が多く、外科的処置ができないという場合もあります。服用されている薬の関係もありますから、外科処置ができないならできないなりに、考えていく。どんなケースでも一生懸命、治療を施しています。

スタッフの勉強は全面的にバックアップしたい

先生の得意な治療や、力を入れている治療などを教えてください。

堺美由紀院長 みゆき歯科5

私は補綴が得意で、保険と自費どちらも対応しています。保険と自費の違いはいろいろありますが、メリットとしては、自費の素材は汚れがつきにくく、虫歯や歯周病になりにくいこと。また、素材そのものや作る人も異なるため、残っている歯と詰め物・かぶせ物との隙間がより少なくなり、ばい菌が入りにくくなる、つまり虫歯ができにくいということにもつながります。もちろん、価値観は人それぞれ、その時の状況によっても異なるため、その患者さんに合わせ、良いと思う治療の選択肢を話すよう心がけています。他にも歯を1本だけ引っ張り上げるという、比較的簡単な部分矯正治療も行っています。

スタッフ構成はどのようになっていますか?

私と歯科衛生士が1人、歯科助手が2という構成です。今後のさらなる体制構築のために、新たに歯科衛生士の募集をしているところなんです。患者さんのことを第一に考え、素直で、前向きに勉強をしてくれる人が来てくれたら、うれしいですね。私はスタッフを採用する際に、当院の状況をすべてお話しし、採用時に決めた勤務条件は、必ず退職するまで守ることを約束しています。これは、私が勤務医だった頃に、入って半年もたたないうちに転勤を命じられたり、担当した患者さんの治療を途中までしかやらせてもらえなかったりして、つらい思いを繰り返してきたからです。こういう思いは当院のスタッフにはさせたくありません。教育面についても、行きたい勉強会や講習会が当院の方針と合っていれば、費用は全面的にバックアップする用意をしております。

最後に患者さんに知っておいてほしいことや、メッセージをお願いします。

堺美由紀院長 みゆき歯科6

私は患者さんにとってわかりやすい言葉でしっかりと説明することを心がけています。1つの症状に対して、治療方法が2つ、3つとありますし、抜歯するかどうかの決定は、大きな分岐点です。説明では、紙に書かれたものや歯の模型、鏡や自分で描いた絵、タブレットや大画面に写真を映すこともあります。「この患者さんには、どの方法が一番わかりやすいのか?」を考えて工夫しています。また患者さんごとに、家庭環境や仕事の状況も違いますし、その背景もずっと同じではありませんから、たとえお付き合いが長くなっても、「今はどんな状況か?」を見極めながら、治療を提案していきます。歯科治療は患者さんと一緒につくっていくものです。すべてを歯科医師に委ねるのではなく、患者さん自身が選択するべきところは選択してもらいながら、より良く治療を進めていきましょう。そのためのお手伝いを誠心誠意、これからもずっとさせていただきます。

自由診療費用の目安

自由診療とは

部分矯正(MTM)/5万円~
かぶせ物/6万円~13万5000円(素材により金額が異なります)
詰め物/5000円~6万円(素材により金額が異なります)

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