全国のドクター14,052人の想いを取材
クリニック・病院 156,430件の情報を掲載(2025年9月22日現在)

ドクターズ・ファイル会員でできること

予約情報をマイページ上で管理できます!

過去の予約を一覧化

予約内容の確認

予約の変更・キャンセル※

※一部対象外の医療機関もありますので、あらかじめご了承ください

会員登録がお済みでない方は

すでに会員の方は

  1. TOP
  2. 神奈川県
  3. 川崎市宮前区
  4. 宮前平駅
  5. 佐久間耳鼻咽喉科クリニック
  6. 佐久間 惇 院長

佐久間 惇 院長の独自取材記事

佐久間耳鼻咽喉科クリニック

(川崎市宮前区/宮前平駅)

最終更新日:2025/05/14

佐久間惇院長 佐久間耳鼻咽喉科クリニック main

大学病院、国立病院、地域の中規模病院などで経験を積んだ佐久間惇院長は、「より地域に密着した医療を」と駅から少し離れた住宅地の中に「佐久間耳鼻咽喉科クリニック」を開業。現在まで地域で長く続くクリニックとして、子どもから高齢者まで幅広く診療している。一般的な感染症や花粉症のほか、めまいや聞こえの問題にも専門的な知見をもとに対応。めまいを訴える患者の年齢層は幅広く、同院では適切な検査・診断をもとに治療を行う。また「聞こえの問題は放っておくと治りにくくなるので早めの受診を」と佐久間院長。「難聴以外に脳の情報処理や周囲の環境なども関連しているので、年のせいと諦めずにご相談ください」。患者の不安を同院の診療で少しでも軽減したいという佐久間院長に話を聞いた。

(取材日2025年4月16日)

地域密着のクリニックとして薬の飲み合わせも管理

こちらで開業された経緯などをお聞かせください。

佐久間惇院長 佐久間耳鼻咽喉科クリニック1

大学を卒業して大学病院や国立病院、地域の中規模病院などで診療する中で、より地域に密着した診療をめざしてクリニックの開業場所を探していました。ここは周囲にマンションなどの住宅が多いのに、駅からは少し離れているので、ご自宅の近くに耳鼻咽喉科があると便利だろうと考えて選んだのです。2001年に開業してから多くの患者さんが来られていますが、だいたい半径2kmくらい、徒歩や自転車でも通院できる距離の方が多いように感じます。18台分の駐車場があるので車での来院でも大丈夫です。最初はお子さんだった患者さんが成人後にまた当院にいらっしゃると、私の中では子どもの頃の印象が強くて、「あの子がこんな大きくなって」と驚くことがよくありますね。一人の患者さんを長く診ていけるのも地域密着のクリニックの良さだと感じています。

どんな症状で受診される方が多いですか?

多いのは風邪などの感染症による喉の痛み、鼻水が止まらないといった症状で、特定の時期に集中しますが花粉症も多く診ています。鼻や喉からの薬の吸入に使うネブライザー(吸入器)も用意はしているものの、新型コロナウイルス感染症の流行で患者さんの意識が変わったのか、希望される方は大きく減りました。代わりに咳止め薬などを処方するのですが一部の薬は供給が不安定で、薬の種類があまり選べないことは心苦しく思っています。このほか、めまいや聞こえの問題はさまざまな原因が考えられ、原因ごとに治療法も異なるため、最初に適切な診断を行うことが重要です。処置を急ぐケースなど、必要な場合はすぐに適した医療機関への紹介を心がけています。

薬の飲み合わせ確認も重視されているそうですね。

佐久間惇院長 佐久間耳鼻咽喉科クリニック2

耳鼻咽喉科では薬物治療が中心ですから、他の診療科で処方された薬との飲み合わせ確認はしっかりと行い、患者さんにも「この薬を飲むと別の薬の作用が弱まる・利かなくなる、または作用が強くなる・副作用の可能性がある」といった使用できない理由についてもお伝えしています。患者さんが今飲んでいる薬の確認に役立つのがお薬手帳で、診療時は必ず持参していただくようお願いしています。デジタルのお薬手帳もありますが、履歴の確認に日づけ指定が必要など使い勝手が悪く、紙のお薬手帳のほうがパラパラとめくるだけで薬の履歴をすぐ確認できるので便利です。また、緊急時にはご本人がいなくても服薬履歴が確認できるので、当院では紙の手帳をお勧めしています。

めまいや聞こえの問題も専門的に診断・治療

先生が診療の際に心がけていることを教えてください。

佐久間惇院長 佐久間耳鼻咽喉科クリニック3

患者さんの話をよく聞くことと、ご不安をなるべく早く軽減することです。例えば耳の中にファイバースコープを入れて病気の部分をモニターに画像で表示すると、患者さんの自分の症状を見ることでどんな治療が必要かなどの説明を理解しやすくなります。また、受診されるお子さんの気持ちを少しでも和らげようと待合室と診療室に鉄道模型と組み合わせたジオラマも置きました。大きなジオラマは珍しいのか、中にはずっと見入っているお子さんもいますね。親御さんからは、このジオラマを見たくてお子さんがちゃんと通院しているという話も聞きますし、なかなかの効果だと思っています(笑)。

めまいにはどのような治療をするのでしょうか?

症状が起きる原因により異なります。めまいの患者さんの年齢層は幅広く、朝から目が回って動けなかったとか、1週間前からめまいが続くとか、症状もさまざまです。特に春先は寒暖差が大きく、気圧も変動しやすいので、その影響でめまいを起こす方も少なくありません。また聴力が落ちているかどうかも原因を探る重要な情報なので、めまいの患者さんにはまず聴力検査を行います。聴力が落ちている場合はメニエール病も疑われ、確定すれば内耳のリンパ水腫の改善をめざして利尿剤を処方することが多いですね。一方、聴力の低下が認められない場合は耳の中にある耳石の位置がずれて起こる良性発作性頭位めまい症が考えられます。これはめまいを鎮めるための薬と耳石の位置を変えるような体操などが治療法となります。

聞こえの治療にも注力されていると伺いました。

佐久間惇院長 佐久間耳鼻咽喉科クリニック4

聞こえの問題には音が聞き取りにくいだけでなく、音は聞こえても話が理解しにくいタイプもあり注意が必要です。日本語は子音が高音域にあることが多いのですが、加齢などで聴力が落ちる時は高音域から聞こえにくくなるため、例えば「さ」と「は」が聞き分けづらいなど言葉の取り違えが起きやすくなります。また複数の情報を同時に処理する能力が衰え、多人数での会話にうまく対応できないことも。治療としては補聴器が一般的ですが、ご家族も静かな場所で、口の動きが見えるよう顔を見合わせて、ゆっくりはっきり話すなど、患者さんが聞き取りやすい条件を整えてコミュニケーションするよう心がけることも大切です。声がきちんと聞こえることは認知症予防にもつながります。当院ではそうしたご家族へのアドバイスも行いますので、高齢の患者さんの聞こえについて気になることがあれば気軽にご相談ください。

耳・鼻・喉で困ったことがあればすぐに受診を

医師をめざしたきっかけやご経歴をお聞かせください。

佐久間惇院長 佐久間耳鼻咽喉科クリニック5

父が耳鼻咽喉科の開業医で日頃から診療の様子を見ていたので、あまり迷うことなく医療の道を選びました。大学卒業後は聖マリアンナ医科大学病院および国立横浜病院、現在の国立病院機構横浜医療センターでの研修医を経て大学院に進学。並行して地域の中規模病院に移り、自分だけで耳鼻咽喉科を診ることになったのは大変でしたが、そこで得た幅広い診療経験は現在の診療の基盤にもなっています。その後に再び母校の大学病院で診療し、退職前の2年は医局長も務めました。現在も大学病院との関係は良好で、耳鼻咽喉科なら患者さんの病状に応じて医師とダイレクトに連絡して紹介可能です。

ちなみにお休みの日はどう過ごされていますか?

この間までは妻と一緒に東京から神奈川までの街歩きを楽しんでいました。東京の江東区にある清澄庭園を散策した時に、江戸情緒を楽しんだのだから東海道の起点になっている日本橋まで行こうと2人で歩き始めたのがきっかけです。京橋、日本橋、銀座と歩くうちに「あ、ここは老舗の海苔店だ」「ここも昔からある刃物店だ」と周辺の建物や店を見物するのが面白くなって(笑)。日を改めて新橋から品川まで歩いて、さらに何度も日を分けて東海道を下っていき、神奈川県の戸塚も歩きました。戸塚には江戸時代から残る一里塚があるのですが、石碑のようなものかと思っていたら土が盛られた大きな塚で驚きましたね。今はさらに進んで大磯まで歩いたところです。これからまた気候がいい時に妻と散策を続けたいと思っています。

では今後の展望や地域の方へのメッセージをお願いします。

佐久間惇院長 佐久間耳鼻咽喉科クリニック6

この地で長く診療してきましたから自分の健康にもある程度は配慮しながら、無理のないペースで患者さんを丁寧に診ていきたいと考えています。患者さんがSNSなどでご自身の症状や病名、治療法などを調べて来院されることも増えています。ご自身の体や健康状態に関心を持たれるのは大事ですが、それが必ずしも正しい情報とは限らないので、当院で正しい情報をお伝えしたいですね。聞こえの悪さなど時間がたつほど治りにくくなる病気もありますから、「何かおかしいな」と感じたり困り事があったりしたら、すぐに受診してください。

Access