本多 弘明 院長、吉田 由衣 さんの独自取材記事
本多歯科
(枚方市/宮之阪駅)
最終更新日:2025/08/21

宮之阪駅前の大きな交差点そばで、ひと際目を引くスタイリッシュな外観が印象的な「本多歯科」。本多弘明院長の父が1981年に開業して以来、地域の口腔の健康を守るために尽力してきたクリニックだ。2025年5月には、新たに「ママ&キッズエリア」を増築。子育てで忙しい保護者にもリラックスして診療に臨んでほしいと、随所にこだわりが光る。設置の背景には「出産・育児を経ても長く働ける環境を」というスタッフへの強い思いが。そんな本多院長と受付業務をメインに後輩の指導にもあたる吉田由衣さんに、クリニックづくりの工夫やスタッフへの配慮、地域での役割などについて聞いた。
(取材日2025年5月7日)
親子のための「待ちたくなる待合室」が誕生
こちらは30年以上の歴史がある歯科医院だとお聞きしました。

【本多院長】はい、前院長の父が1981年に開業し、私が院長に就任したのは2016年です。人間としても歯科医師としても父を尊敬しているので、いつかは父を超えたいと思いながら日々診療にあたっています。継承のタイミングで建物を新築し、吹き抜けの天井やハイカウンターの椅子を設置した開放感のある待合室、7色のドアやチェアを配置した診療室など、細部までこだわりました。患者さんが「今日は何色の診療室かな」と楽しみにしたり、歯科医院に通うことがステータスになったりするような空間を意識しています。
2025年には新たなエリアも誕生しましたね。
【本多院長】より子どもと保護者に優しい歯科医院をめざし、クリニックの2階部分を増築。「ママ&キッズエリア」と名づけました。治療室は1階に半個室が7つ、2階に完全個室が5つとなっており、完全個室では治療中に隣でお子さんが遊べる一角を設けています。一番の目玉は、待合室。木製のパズルやままごとセット、ぬいぐるみ、絵本などを置き、頭や手足をたっぷり使って遊べるようにしました。保育士が常駐し、授乳室や子ども用トイレ、手元が暗くならないよう照明に配慮した学習スペースも設置しています。コンセプトは「待ちたくなる待合室」。予約時間より少し早く来て遊んでも良し、診療が終わってから遊んで帰るのも良し。最近はごっこ遊びをする子どもが減っていたり、動画ばかり見る子が増えていたりという声も聞くので、ここで絵本や新しい遊び方と出会う機会にしてもらうのもいいですね。
ママ&キッズエリアをつくるに至った思いをお聞かせください。

【本多院長】子育てを理由に歯科医院に通う時間がなく悪化させてしまう方は多いのですが、実は自分が父親になるまでは言い訳だと思っていて……。通院だけでなくあれもこれも我慢せざるを得ない妻の姿を見て、子どものことを気にせずに過ごせる時間の貴重さに気づかされました。本多歯科にいる間だけでもリラックスしてほしい、そして子どもが泣いても気を使わなくてよい環境をつくろうと考えたんです。
【吉田さん】子育てで忙しくされている方が、少しの間だけでもお子さんから手が離れる、フリーになれることは重要だと思います。そのお手伝いができるよう各部署のスタッフが積極的に関わることで、小さなお子さんのいる方が通いやすいクリニックをめざしています。
スタッフの幸せを追求し、患者の人生を考える
1階は一般の患者、2階は子ども連れの患者とエリアを分けられるのでしょうか。

【本多院長】基本的にはお子さんと一緒の方を優先的に案内する予定ですが、これまでの患者さんも増築をとても楽しみにしてくださっていて。敷地面積の3分の2が待合室、残りが診療室という「新しい歯科医院の形」をぜひ知っていただき、周囲の方にも勧めてもらえればと思っています。特にクリニック周辺には下町人情にあふれた方々がたくさん住んでいらっしゃるので、お子さんと高齢の方から生まれる調和にも期待しているので、一緒になって遊んでもらえればうれしいですね。
小さなお子さんからその保護者、高齢の方まで幅広い患者さんに対応されるのですね。
【本多院長】当院では私の父である前院長が掲げた「一本の歯の治療から一生のお付き合いを」というコンセプトを、今も大切にしています。高齢の方にも美しい歯でいることの喜びを感じてもらい、最期まで生き生きと過ごしてほしいですね。一方で、私よりも若い患者さんには一生のお付き合いはできないのではと疑問に感じて。それなら、早い段階から口腔環境を意識し、予防できる習慣を身につけてもらえれば、健康なお口を保つことができると考え、小さなお子さんや保護者にももっと通いやすいクリニックづくりに取り組みました。スタッフにはよく「歯科医院ができる社会貢献は、技術や機材だけにこだわるのではなく、患者さんの人生にとってより良い治療とは何かを考えること」と伝えています。
もう一つのコンセプトとして「スタッフと患者さんの幸せに貢献」を挙げておられます。

【本多院長】実は、スタッフを先に挙げていることが肝なんです。スタッフが幸せでなければ患者さんを幸せにすることはできないので、まずはスタッフの幸せを追求したいと思っていて。というのも、歯科業界は規模の大きさや就業時間などを理由に、出産・育児を機に退職を選択する人が多いんです。「アットホーム」「ファミリー」を掲げているのに、子どもを理由に働けないのはおかしいですよね。スタッフが子育ての経験を生かして働くことで自信にもつなげてほしいと思ったのが、「ママ&キッズエリア」をつくった大きな理由です。子どもが大きくなったら一般エリアへ、また次の子育て世代がキッズエリアへと循環することで、クリニック自体の水準アップにもつながると考えています。
めざすのは、人と人がつながる地域の拠点
あらためて、スタッフさんへの思いをお聞かせください。

【本多院長】歯科医師をはじめ、歯科衛生士、歯科技工士、歯科助手、受付スタッフがチーム一丸となって患者さんと向き合ってくれています。今までは技術面を重視してきましたが、最近ではスタッフの幸せを追求すること、ひいてはそれが患者さんのためになるという理念をしっかりと伝えるようにしています。同じ方向を見て進んでくれていると感じていますし、私はスタッフ全員の“父親”として、出産を経て「また帰っておいで」と言える環境を整えているところです。
【吉田さん】明るくてフレンドリーなメンバーが連携を取りながら協力し合っていることは、当院の大きな強みです。スタッフには、もともと患者さんだった人もいるんですよ。面接で「雰囲気の良さを感じて、ここで働きたいと思いました」と言われ、患者さんにも伝わっているんだなとうれしかったです。
地域でのクリニックの役割は、どのようにお考えですか?
【本多院長】枚方市駅前の開発がどんどん進む一方で、クリニック周辺は開発のエリアからは外れています。どちらかといえば下町と言われる場所が盛り上がることが、町づくりには重要だと思っていて。例えば、「ママ&キッズエリア」で子どもが夢中になって遊んでいる間に、保護者同士のコミュニティーが広がる。一つの拠点として、本多歯科を中心に人と人がつながっていくような、そんな地域への貢献ができればうれしいですね。
最後に、今後の展望をお願いします。

【本多院長】まずは大切な家族であるスタッフが働きやすい環境を整えること。自信や余裕を持って働けるようになることで患者さんにも還元できれば未来につながっていくと考えています。また「ママ&キッズエリア」はルールをあえて決めていないので、実際に利用する方の声を聞きながら、どんどん使って汚してもらって、みんなで育てていく場所になれば面白いですね。リニューアルオープン前にスタッフの子どもたちに実際に利用してもらったんです。普段なかなか妻から離れようとしないうちの子も含め、みんな夢中になって遊んでいました。少しの時間ですが手が離れたことで、妻もいいリフレッシュになったと話していました。子育てで忙しい方がリラックスして診療に臨めるよう、スタッフとともに一層尽力していきたいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/40万円~
マルチブラケット矯正/全顎:77万円~
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。