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田中 一弘 院長の独自取材記事

たなか歯科

(堺市堺区/堺市駅)

最終更新日:2023/08/03

田中一弘院長 たなか歯科 main

阪和線、堺市駅直結のショッピングモール1階にある「たなか歯科」。1999年の開業以来、地域に密着した歯科医療を提供する田中一弘院長が大切にしているのは「患者一人ひとりのニーズに合わせる」こと。歯科医師サイドから見た「良い治療」を一方的に押しつけるのではなく、患者が納得できる「良い治療」を提供できるよう、クリニック一丸となって患者のニーズの把握に力を入れている。地域の歯科医師会にも積極的に参加し、付属診療所での夜間診療や休日診療にも出務する田中院長に、歯科医師をめざした理由、患者に接する際に心がけていること、小児歯科治療について、今後の展望など、さまざまな話を聞いた。

(取材日2019年7月18日)

患者の全身の健康、生活背景なども考慮した治療を

なぜ歯科医師の道を選んだのですか?

田中一弘院長 たなか歯科1

高校3年生の受験勉強中に歯が痛くなり、歯科医院に行ったのがきっかけでした。ものすごく歯が痛かったのに、すぐに対処してくれて「この人、すごいな」と(笑)。そこで進路変更し、歯科医師をめざしたんです。急に進路を決めたのですが、人の痛みを和らげることで人に貢献できる歯科医師になりたいという気持ちが根底にあったので、ブレずに6年間頑張ることができました。現在は私たちが大学で教育を受けている時と比べて、歯科への考え方がまったく違います。私たちの時代は口腔内のことだけ考えて治療すれば問題なかったのですが、今は患者さんの全身をきちっと理解して治療しなければなりません。例えば有病者の方なら全身の健康を考えたり、訪問歯科診療の患者さんの場合は家庭環境などお口の中のこと以外も考慮した歯科診療が求められていたりと、社会的役割が変化したと感じています。

クリニックの理念を教えてください。

歯科の治療は多岐にわたりますが、歯科に関する「なんでも相談所」でありたいと思っています。開業医ですので治療自体はオールラウンドで行いますが、もちろん私一人では対応しきれないこともあります。きちんとした診断のもと適切な治療を提供し、もし対応できないことがあれば連携しているほかの医療機関、専門の先生にご紹介させていただきます。また歯科医院で行うのは地域の一定の患者さんに対する医療活動ですが、現在参加している歯科医師会の活動は公益性が高く市民に対して幅広い活動を行っています。当院にもさまざまな患者さんがいらっしゃいますから、普段の診療だけではなく、私自身が歯科医師会での活動なども通じて、人間性を高めていけるよう普段から意識しています。

患者さんに接する際に心がけていることは何ですか?

田中一弘院長 たなか歯科2

インフォームドコンセントを常に意識しています。インフォームドコンセントとは、説明はもちろんのこと、説明した上できちんと患者さんの同意を受けて治療を進めていくことです。説明していると、ついつい患者さんも理解してくれているだろうという気分になってしまうのですが、実際はちゃんと伝わっていないことも多いんです。長年、臨床の現場にいてだんだんと患者さんがどう思っているかわかってきたので、きちんと伝わっているかどうか確認しながら、治療を進めています。また信頼関係ができている患者さんだとしても「親しき仲にも礼儀あり」で、その方と最初に接した時の気持ちを忘れず、一からきちんと説明するよう心がけています。

希望を引き出し、患者にとって「良い治療」を提供

患者さんと向き合っていく中で、特に注意していることはありますか?

田中一弘院長 たなか歯科3

患者さんの中には、ご自身が思っていらっしゃることをうまく表現できない方がおられます。構えてしまってご自身の希望が言いづらいという方や、思うように伝えられないという方もいますので、スタッフも含めて患者さんのニーズをもっと引き出せるよう注意を払っています。私たち歯科医師の専門的な立場から見た「良い治療」が、必ずしも患者さんの納得する「良い治療」であるかというと、それはまったく違います。まずは患者さんが納得する治療を提供すべきだと考え、われわれがしっかりと患者さんのニーズを聞いて、どう応えていけるのかを考えて実行しています。ただ一般的に歯科医師には言いにくい方も多いですから、患者さんと接する時間の長い歯科衛生士、歯科助手らスタッフたちに、患者さんがうまく話しやすい環境づくりをお願いしています。

小児歯科診療に関してはいかがですか?

お子さんの場合は「痛い」「怖い」の前に、「何をされるかわからない」があるので、まずはフッ素を塗ったり、話をしたりとコミュニケーションを取ることから始めています。そして信頼関係ができてから治療するというかたちですね。近年は子どもの虫歯は減ってきていますが、一方で歯並びの悪い子どもが増えています。根本的な治療が再発防止につながりますから、虫歯でも歯並びでも「なぜそうなったのか」という原因を保護者の方に理解していただきたいんです。ですから「虫歯ができたけれど歯科医院に行って治った」ではなく、原因となる生活環境を変えていってもらえるよう、説明に力を入れています。

歯科医師としてやりがいを感じるのはどんなところですか?

田中一弘院長 たなか歯科4

患者さんの人生の質を少しでも高めることに寄与できること、そしてそれを患者さんから感謝していただけるところです。当院を開業して間もない頃、口腔がんの疑いのある患者さんがいらっしゃって、すぐに大学病院を紹介させていただきました。見立てどおりその患者さんはがんでしたが、早期発見できたことで早期治療につなげることができました。歯科医師法には「歯科医師は、歯科医療及び保健指導を掌(つかさど)ることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする」という一文がありますが、これが私の歯科医師になった理由であり、モチベーションでもあります。

患者のニーズに応える、歯科の「なんでも相談所」

訪問歯科診療も行っていると伺いました。

田中一弘院長 たなか歯科5

現在は、来院が難しくなった患者さんを中心に訪問歯科診療を行っています。かつて老人ホームに診療に行っていた頃、そこの職員の方から入所者アンケートの結果をお聞きする機会があり、「一番の楽しみ」は、圧倒的に「食事」であると知ったんです。やはり人間は最後まで「食べる」ということがいかに大切かと、最後まで自分の歯で物が噛めることは大きな意味があることを確信しました。歯が健康な時からしっかり定期的にケアしていくことの大切さを根気よく患者さんにご説明しています。今ではメンテナンスで来られる方がどんどん増えてきていて、自分の仕事に意義を感じています。

今後の展望をお聞かせください。

既存の患者さんに対しては、一生付き合っていける環境をつくっていくことですね。また現在、歯科医師会の仕事にも積極的に取り組んでおり、1歳半健診、3歳児健診、校医ほか、大阪府歯科医師会の付属診療所での休日診療や夜間診療などにも出務しています。そのほか大学からもお声がけいただいて、非常勤講師として学生の実習や、歯科衛生士や歯科助手らデンタルスタッフを対象としたセミナーの講師など教育にも取り組んでいます。次世代の歯科医療を担う彼ら、彼女らに伝えたいことは「疾患を診るのではなく、人を診る」。今後はさらにデンタルスタッフの教育、人材育成に力を入れていきたいですね。

読者へのメッセージをお願いします。

田中一弘院長 たなか歯科6

最近ではインターネットなどで患者さんご自身が調べていて、本当の意味でのセカンドオピニオンが求められているのかなと思います。ですから専門の先生をご紹介するなど、こちらから「一度診てもらったらいかがですか?」と積極的にセカンドオピニオンをご提案することもあるんです。患者さん一人ひとり、それぞれ異なるニーズがあると思いますが、治療する・しない、できる・できないに関わらず、歯科に関してどんなことでも相談ができるような、本当の意味でのかかりつけ歯科医院をお持ちください。当院では患者さん一人ひとりに対するニーズに合った治療を提供するのはもちろん、歯科に関する「なんでも相談所」でありたいと考えております。

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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