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文元 基宝 院長の独自取材記事

文元歯科医院

(大阪市東成区/鶴橋駅)

最終更新日:2019/08/28

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鶴橋駅から歩いて12分ほどの静かな住宅街。この地で生まれ育った文元基宝院長が1993年に開業した「文元歯科医院」では、患者のQOL(生活の質)の向上を軸に、予防に力を入れた診療を行っている。「楽しく生きがいを持って人生を送るには、歯の健康がとても大切。そのためにはまず予防。地元への恩返しと思って取り組んでいる」という。優しく穏やかな印象の文元院長。今年で開業25年を迎えるが、2世代、3世代にわたって通院する家族がいたり、20年近く勤めるスタッフがいたり、患者やスタッフからの信頼の厚さが感じられる。今回は、予防歯科のためのさまざまな取り組みを中心にじっくりと話を聞いた。
(取材日2018年10月5日)

開業時から予防歯科を重視。NPO法人の活動も

医師を志したきっかけと開業するまでの経緯を教えてください。

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父は会社を経営していたのですが、僕は4人兄弟の末っ子で継ぐということはあまり考えていませんでした。そこで、高校生の時、父から医療職を勧められて、歯学部をめざしたのが始まりです。大学は長野県にあり、自然豊かな環境で勉強しました。ゴルフ部に入っていたので、ゴルフの腕も磨きましたね。今でも休日はゴルフを楽しんでいます。卒業後、勤務医などを経て開業しました。この場所は父が所有していた土地で、生まれ育った地域に貢献したいという思いがあり、迷うことなく選びました。今年で開業25年になりますが、今でも地域の方に感謝していただけるのが一番うれしいですね。

予防歯科に力を入れているそうですが、そのきっかけはなんだったのですか。

大学時代から「悪い所を削って詰めて」という治療に疑問を抱いて、予防に力を入れたいと考えていたんです。開業当初から自分なりに予防を行っていたのですが、その頃はまだ「予防歯科」という言葉も知られておらず、孤軍奮闘している感じでしたね。そんな時、福岡市を拠点に口腔保健を中心とした健康づくりの活動を行う「NPO法人 ウェルビーイング」のセミナーに参加し、実際に臨床に予防を取り入れている先輩方の話を聞いて、やっぱり予防は大切だと確信を持ったんです。そこで、予防歯科に資する活動などを行う「NPO法人 関西ウェルビーイングクラブ」を2000年に立ち上げました。現在は、歯科医師や歯科衛生士、歯科助手、管理栄養士などと一緒に、栄養指導プログラムの開発や地域保健活動、障害者の予防プログラムの構築など予防歯科のためのさまざまな取り組みを行っています。

このクラブでは、間食について学ぶためのツールを作られたそうですね。

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間食・栄養指導をする際、聞き取りだけでは患者さんの食生活に踏み込めなかったり、患者さん自身も何を食べたか詳しく覚えていなかったり、うまくいかないことが多いという声が現場から挙がったんです。そこで開発したのが、このスナッキングカード。「正しい間食のとり方」を楽しく学んで実践できるコミュニケーションツールです。具体的には、間食で口にする機会がある食べ物や飲み物が描かれたカードを「毎日」「2~3日に1回」「週に1回から月に1回」と頻度別にマットに並べてもらいます。そうすると、どのくらいの頻度で何を食べているかが目に見える形ではっきりとわかるんです。これによって日々の食習慣をきちんと振り返ることができ、虫歯予防につながっていくというものです。当院でも実際に活用していますよ。

患者の状況や思いを踏まえた対応を心がける

患者層と主訴について教えてください。

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患者さんは、近隣の方を中心にお子さんから高齢者まで幅広く、2世代、3世代で通われるご家族もいらっしゃいます。主訴については、以前は歯の痛みや虫歯、入れ歯などが中心でしたが、現在はメンテナンスの方が半分以上を占めて、大きく変化していますね。開業時から予防を掲げていたものの、当時はとにかく治療という時代でしたから「さっさと治療してくれ」と怒られたこともありました(笑)。ここ20年ほどで医療制度や患者さんの歯科治療に対する意識が変化して、やっと時代が追いついてきれくれたと思っています。

お子さん向けの予防クラブがあるそうですね。

歯のエナメル質は一度削ると再生しませんので、子どもの頃からの予防で健康な歯を維持することが大切です。そこで、定期健診が1年以上続いた中学生までのお子さんを対象に、予防を応援する「はっぴークラブ」という会をつくりました。年会費、入会金無料で、フッ素の洗口液を差し上げたり、スタッフが作る院内新聞をお届けしたりしています。フッ素は、歯質の強化と虫歯に対する抗菌作用が期待できてお勧めですね。当院ではフッ化物洗口液を手作りしていますので、皆さん、ボトルが空になったら補充に来られるんです。こういった取り組みもあってか、定期的に来院している地域の方の虫歯が少なくなってきていると感じています。

診療の際、心がけていることを教えてください。

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患者さんとしっかりコミュニケーションを取るよう心がけていますね。初診時は、何にお困りなのか、なぜ当院を選んだのか、どんな生活を送っているのかなどお聞きして、問題点やわれわれに対する期待を明確にしてから治療をスタートします。生活についてお聞きするのは、病気を治すだけではなく、その方のQOL(生活の質)を向上させたいと思っているからです。特に予防歯科ではライフスタイルを変えることが必要になることが多いのですが、その方の生活背景を知らないとアドバイスできないんですよね。表面的な問題だと思ったらもっと根深い所に問題が隠れていたりすることもあるので、患者さんの状況や思いをきちんと踏まえた上で対応するようにしています。

スタッフの頑張る姿がパワーの源

文元院長は哲学に興味がおありだとお聞きしました。

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診療の傍ら大阪大学大学院文学研究科の臨床哲学研究室にて博士課程前期を修了し、「医療者―患者関係」という論文も書きました。2009年から5年間は、当院で「哲学カフェ」も開催していたんですよ。診療後やお昼休みに当院のスタッフと患者さんが集まって、日常のさまざまなことをテーマに、例えば恋愛や歌などについて、医療者と患者という関係ではなく、個人の立場でざっくばらんに話をするという場です。歌がテーマの時は戦時中の軍歌を歌って涙された方もいました。そんなふうに話すうちに、その方の物の見方や考え方がわかるようになって、患者さんとの関係ががらりと変わるんですよ。それが診療に生かされることも多いので、この取り組みは今後もさまざまな形で広げていきたいと思っています。

毎日お忙しいと思いますが、精力的に活動される先生のパワーの源はなんですか。

スタッフの存在でしょうか。歯科衛生士はそれぞれに担当を持って患者さんをしっかり見てくれたり、アシスタントや管理栄養士も意欲的に仕事をしてくれたり、そんなふうに頑張ってくれている姿が僕のパワーになっていると思います。スタッフ同士も仲が良く、一緒に研修会に参加したり、飲み会に行ったりすることもよくあるんですよ。15年、20年と長く勤めてくださっている方もいて、僕としてもやりやすいですね。当院には院長室がないので、お昼は一緒に食事をしていますし、本当に常に接している感じで、僕にとっては欠かせない存在です。

読者へのメッセージをお願いします。

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一昔前と違って、30~40代女性の方も日々お忙しいですよね。特にお子さんがいらっしゃると育児をしながら子どもの健康も気をつけて、中には親御さんの介護が必要な方もいらっしゃるでしょう。そうなると、ご自身の健康がおろそかになりがちです。年代的に虫歯や歯周病が悪化しやすくなりますので、年に1~2回は定期健診やメンテナンスを受けることをお勧めします。楽しく生きがいを持って人生を送るには歯の健康が大きな力になります。お口のケアと予防を習慣づけて歯を大切にしていただきたいですね。

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