小室 匡弘 理事長の独自取材記事
文の里歯科クリニック
(大阪市阿倍野区/文の里駅)
最終更新日:2024/02/21
「文の里歯科クリニック」は、充実した設備と徹底したカウンセリングで地域に根差した歯科医院である。広々とした院内は、リラックスできる明るいムードが漂う。ひときわ目を引くのは、スタッフがアイデアを出したことがきっかけでできたという広いキッズスペース。調乳用温水器も用意し、小さな子どもを連れた母親に喜ばれている。「人と話すのが好きなんですよ」と真っすぐな目をして話すのは理事長の小室匡弘先生。歯科医師と患者の間に立って話をするトリートメントコーディネーターを置いていることからも、患者とのコミュニケーションを大切にしている様子がうかがえる。虫歯治療から予防歯科まで幅広く対応している同院の治療へのこだわりや、想いを聞いた。
(再取材日2023年10月11日)
地域密着型の歯科医院として幅広い診療を
こちらのクリニックの特徴を教えてください。
当院は特別ではない地域密着型のクリニックです。治療に関しては虫歯の治療からインプラントまでなんでも対応していますが、派手に何かを打ち出しているというよりも、「かかりつけ医」と考えて気軽に来てもらえたらと考えています。実際に来てくださっている患者さんの年代も幅広くて、お子さんから高齢の方までいらっしゃいますし、相談の内容もさまざまです。特徴というと、まず、治療器具の滅菌を徹底していること。手間や費用がかかっても徹底しています。それから、コミュニケーションを重視して患者さんの想いを大切に聞かせてもらい患者さんに安心していただけるような診療をすること。これがクリニックとしてこだわっているところです。
コミュニケーションを大切にされているのですね。
はい。普段からなんでも話しやすい環境をつくることで、患者さんの体の状況をしっかり把握することができ、些細な変化に気がつきやすくなるからというのが理由ですね。早期発見できれば、体への負担だけでなく、時間や費用も少なくて済みます。それから、患者さんそれぞれに生活習慣や体質、治療に対する希望などもありますよね。長く治療を進めていく中でお互いに理解を深めていって、治療の時間がいい時間になったらいいなと思っているのも大きい理由ですね。受付やトリートメントコーディネーターも話しやすいと思いますので、何か治療で気になることや他愛のないことでもお話ししてもらえればと思います。
トリートメントコーディネーターとは何をする人なんですか?
簡単に言うと、初診から治療終了まで、歯科医師と患者さんの間に立っていろいろなお話をさせていただく役割の人ですね。歯科医院に行くと、緊張してなかなか自分の気持ちを伝えられないことって多いと思います。質問もしたいけど「こんなこと聞いていいのかな?」と迷ったりもするでしょう。あんなふうにしたい、こんなふうにしたいという希望だってあると思います。そういった治療に対する希望や不安、今困っていること、来院した理由、ちょっとした雑談でもなんでも、いろいろなお話を聞かせてもらって、実際に処置を行う医療スタッフとの架け橋のような役目をします。どんなことでもお話しいただいて、皆さんにとって理想的な状態をつくっていくために、2010年からこの診療システムを導入しています。
互いに尊敬の心を持って、向き合った治療を
カウンセリングの時間を大切にされているんですね。
僕が人と話をするのが好きということも大きいのですが、口の中をぱっと見て処置をして終わりというのは違うんじゃないかなと思うんですよね。歯科医師と患者といっても、つまりは人と人じゃないですか。お互いに向き合って接することでわかることってあると思うんです。僕たちは勉強してきたので、歯に関する知識は患者さんよりはあると思います。でも、だからといって偉いわけじゃないし、治療を押しつけるのは違う。選択するのはやはり本人である患者さん自身であるべきだと思うし、そのための情報をきちんとお渡しして判断してもらうべきだと思います。だからコミュニケーションは何よりも大切なんじゃないかと思っていますね。
そういった考えは、先生の経験からくるものなのでしょうか?
ここは前院長、理事長から継承したクリニックなんですよ。僕は最初、ここに勤務医として来たんです。働いていく中で、ここのやり方、考え方にものすごく共感して、今に至るまで歯科医師人生のほぼすべてがこのクリニックにあります。ですから、治療に関することだけじゃなくて、人と人の向き合い方といった部分でもここで学んできたんですよ。前理事長は、僕が患者さんと30分くらい時間をかけて話していても叱らないどころか、そういうコミュニケーションの部分をとても大切にしてくれていました。ただ治療するだけじゃなく、ふれあいを大切にして診療していくという姿勢は、このクリニックが大切にしてきたこと。そういった部分は、これからも大切にしていきたいと思います。
先生は、子どもの頃から歯科医師をめざしていたんですか?
いや、まったくです(笑)。「熱い思いで歯科医師になりました」と語れたらいいんですけど、そんなことは全然なくて。僕が本当の意味で「歯科医師になりたい!」と思ったのは、大学を卒業し、歯科医師になってからなんですよ。もちろん、勉強はきちんとしてきたんですけど、夢中になっていたかというとそういうわけじゃなくて。でも、実際に働き始めてみたら、人と話をすることが好きな僕にとっては天職なんじゃないかと思うようになりました。毎日たくさんの人に接することができて、きちんと治療をすると「ありがとう」と言ってもらえる。自分がしたことで、誰かが喜んでくれる。なんてすてきな仕事なんだろう、と歯科医師になってからどんどん夢中になっていったというのが本当のところです。
予防歯科という文化で自分の歯を守る
予防歯科にも注力されているんですね。
それぞれの年代に対して、さまざまな取り組みをしています。予防歯科は治療という側面だけじゃなく文化だと思うんですよ。当院ではスタッフ全員が、虫歯になってから治療するよりも虫歯にならないために予防することを当然だと思ってやっています。虫歯になったら痛いし、放置していたら治療も痛いし、時間もお金もかかる。そうならないように予防して、自分の歯を守っていけたら、いつまでも食べる楽しみを味わうことができるし、話をしたり、自信を持って笑ったりできると思います。虫歯予防というだけでなく、人生において「自分の歯を守る」ということはとても価値があることだと思うんですよ。特別なことじゃなくて、美容院に行くみたいに来てくれたらいいなと思います。
予防歯科では、具体的にどのようなことを行っているのですか?
虫歯や歯周病のチェック、歯石や着色汚れの除去、ご希望に応じてフッ素の塗布も提供しています。また当院では「オーラルスパ」と称して、舌クリーニング、歯肉や咬筋・側頭筋のマッサージも行っています。歯科医院は痛いことをする場所だと思っている人は多いと思うのですが、舌クリーニングは口臭でお悩みの方にお勧めですし、歯肉には数十個のつぼがあるのでマッサージすると気持ちがいいんですよ。こうした予防ケアやオーラルスパは通常の診療スペースではなく、専用の部屋で行いますので、リラックスして受けていただけます。あと、予防という意味ではマウスピース型装置を用いた矯正や小児矯正にも対応。問題のある噛み合わせや歯列にアプローチすることで、虫歯や歯周病ができにくい口腔環境づくりにつなげています。予防ケアについては、歯科医院に楽しんで通っていただくきっかけにするため、スタッフ皆で工夫しながら取り組んでいるところです。
最後に、先生がめざしている歯科医院についてお聞かせください。
「ここに来て良かったな」と思ってもらえる歯科医院ですよね。難しいことじゃなくて、それだけです。来てくれた患者さんに笑顔で帰ってもらう。そのためには、まず働いている僕たちが笑顔でいなくてはいけないと思います。働いている人が和気あいあいとして、楽しそうであること。スタッフがいいムードを出していれば、不安や痛みを抱えてきた人も少しは気が軽くなるんじゃないかなと思いますし、治療への安心につながっていくと思います。そういった雰囲気の中でなんでも話してもらえて、患者さんの理想とする状態に導いていくことが、今の僕がめざしている歯科医療です。地域の人に愛され、ずっと続いていく歯科医院でいられるように、これからも丁寧に治療をしていきたいです。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/44万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/10万円~95万7000円、小児矯正/40万7000円~、フッ素塗布(成人)/550円、セラミック治療/6万6000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。