その肩凝りの原因は噛み合わせかも
ナイトガードで健やかな歯を
大田歯科
(大阪市東住吉区/今川駅)
最終更新日:2025/12/29
- 保険診療
肩凝りや首凝り、頭痛、めまい、耳鳴りといった、検査を受けても明らかな原因がわからない「不定愁訴」。「体質だから、職業病だから」と諦められがちなこれらの症状が起こる原因の一つとして、噛み合わせが影響していることが多いという。「歯と体の不調がどうして関係があるの?」と不思議に思うかもしれないが、体の重心を調整するのは下顎の役目で、噛み合わせに問題があると下顎の位置がずれてしまい、全身にさまざまな悪影響を及ぼすことがあるのだという。今回は大阪市東住吉区「大田歯科」の大田康司院長に、噛み合わせのメカニズムやナイトガードについて、模型を使いながら丁寧に説明してもらった。
(取材日2025年9月18日)
目次
歯を守り口の中から体を健康にするために、寝ている間のナイトガードを
- Q噛み合わせが悪いと、何が問題なのでしょうか?
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A
▲大田康司院長は噛み合わせ治療を得意としている
人間の頭は約5キロの重さがあります。私たちが意識しなくても重たい頭を細い首でまっすぐに支えられるのは、首の周りの筋肉と下顎がバランスを保っているからです。下顎は頭蓋骨にぶらんとぶらさがっていて、筋肉によって引っ張り上げられているのですが、下顎の位置がずれると体の重心をうまくコントロールできなくて、姿勢が悪くなり、頭・首・顔に悪影響が出ることがあります。下顎の位置を決めるのはほかでもない、噛み合わせです。物を噛むとき、上の歯と下の歯が接触しますよね。歯の形や位置、本数によって、カチッと合う場所は変わりますが、それが適切な位置でない場合に、下顎の位置も良くない方にずれてしまうのです。
- Q噛み合わせと関係が深い症状は、例えばどのようなものですか?
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A
▲エックス線撮影装置を用い精密な治療に活用
噛み合わせは頭痛、めまい、首や肩の凝り、耳鳴り、生理痛や生理不順といった、原因がわからない症状と深いつながりがあるといわれています。ただ、噛み合わせと疾患の関連性については、具体的に解明されているわけではありません。噛み合わせがずれ、下顎と頭蓋骨の位置関係に異常が起こり、頭蓋の中の側頭骨のひずみが生まれ、側頭骨のひずみによりホルモン分泌を調整する脳下垂体や、耳の中で平衡感覚を司る内耳などに悪影響を与え、それがさまざまな不調が出てくる理由の一つとも考えられています。
- Q治療は何から始めるのですか?
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A
▲噛み合わせの改善を図ることで体調面の改善につながることも
まずは、現状をきちんと把握することが大切です。そのために、患者さんの口腔内全体の歯型を採り、それをもとに模型を作って、歯並びを表からだけ見るのではなく、三次元的に観察します。あとは問診を行い、症状を確認して、患者さんの状態に合った治療法を考えていきます。噛み合わせのずれが深刻な場合は、長期計画を立てて、保険外で本格的な治療をしていくことになりますが、トータルな噛み合わせ治療が必要な方というのはそれほど多くはなく、「ナイトガード」を使って管理していくことが多いです。ナイトガードというのは、歯ぎしりや食いしばりの治療で用いられるマウスピースで、保険が適用されます。
- Qナイトガードの特徴についてお聞かせください。
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A
▲模型などを用いて問診をし、治療計画をたてていく
ナイトガードはプラスチック製の薄いプレートになっていて、基本的に夜間の睡眠時に装着します。メリットは、装着している間は歯ぎしりがしづらくなることです。睡眠時、無意識に歯ぎしりが起きる理由は、下顎が動きたくても引っかかりがあって自由に動けず、道筋をつくるために強い力でゴリゴリやってしまうから、といわれています。寝るとなんだか体が疲れる、という場合も寝ている間に歯ぎしりが起こっている可能性も考えられますので、一度ご相談ください。ナイトガードのすり減り具合を見たら、その人の下顎の動きがよくわかりますので、それをもとにその方に合った治療を臨機応変に決めていきます。
- Q40代後半にさしかかる女性にもナイトガードを勧めたいとか。
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A
▲ナイトガードの使用方法をわかりやすく丁寧に説明してくれる
年配の女性の患者さんで「出っ歯になってきた」「すきっ歯になった」と言われる方が多いです。歯槽膿漏かと思ったらそうではなく、いろんな可能性から原因を突き止めていくうちに、骨粗しょう症が疑われるようになりました。骨粗しょう症は骨密度の低下により骨折が起こりやすくなる、更年期を過ぎた女性に多い症状です。その症状が歯や歯茎に起きてもおかしくはなく、噛みしめ等で最も力がかかる奥歯が骨密度低下によって最初に沈み、その結果上の前歯が押し出されるように出っ歯になることも十分考えられます。ナイトガードが口腔内のギプスのような役割を担うことで、骨粗しょう症が原因と見られる出っ歯の予防にもつながると思っています。
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

