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福田 豊 院長の独自取材記事

ふくだ歯科

(尼崎市/武庫之荘駅)

最終更新日:2020/12/23

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阪急神戸本線・武庫之荘駅の南側、武庫川方面に広がる住宅地の一角で、20年以上にわたり診療を続けているのが「ふくだ歯科」。院長の福田豊先生は武庫之荘で生まれ育ち、大阪大学歯学部を卒業した地元っ子だ。コンピューター技術を学びたくて理工学部を受験したものの、合格したのは歯学部だけだったという福田院長。それでも、歯学生時代から多くの患者とふれ合ううちに、やはりこの仕事で良かったのだという思いが強くなったという。地元愛が強く、地域貢献をしたくて始めた訪問診療も10年以上。幼・小・中・高の校医も務め、小児歯科のエピソードでは「うれしい」という言葉が何度も繰り返される、子ども好きで人好きな福田院長の人柄をしのばせるインタビューとなった。
(取材日2019年4月4日)

多くの患者と接して、歯科への興味と自信が生まれた

大学卒業後4年目に開業されたそうですね。

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1995年に大阪大学歯学部を卒業して歯科医師になり、1998年、ひとり娘が生まれたその年に開業しました。最近の若い先生は、卒業後の勤務医時代から開業までが長いなと思うのですが、現在50代くらいの僕らの世代では、卒後4~5年で開業される方が少なくなかったんですよ。僕自身は、歯科医師になって勤務医として5院くらいの歯科医院で働いて、分院長も経験した後、開業することになりました。正直なところ、開業当初は若かったこともあり不安もあって、条件が良いとされる場所を紹介されても、その土地に自分がなじめるのかなと思っていました。ここ武庫之荘は生まれ育って結婚するまで暮らした土地ですので、知らない土地で開業するよりも、なじみある地元で開業したいと思い、ここで開業しました。

開業20年を振り返ってみて、今どんなお気持ちでしょうか。

実はここは、もともと祖父の畑だった場所で、畑をやめて賃貸用の建物を建てたので、そこで開業しようということになったんです。ですから、開業当初から親や祖父の知り合いも来てくれましたし、僕の小学校時代の同級生も来てくれたので、落ち着いた気持ちでスタートすることができました。結婚後は他の場所に住んでいるものの、武庫之荘は愛着のある土地なので、仕事を通して地域貢献をしたいと思っていました。その後、自分が通っていた小学校の校医になることもできましたし、訪問診療にも行かせていただいていて、本当にありがたいなと思っています。

歯科医師を志したきっかけを教えてください。

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コンピューターが好きなので、本当は理工学部に行きたかったんです。ところが、当時は1月にあった共通1次(現在のセンター試験)で、行きたい大学に届かなかったんですね。入れる大学の中で、大阪大学なら学部は違っても巻き返しできるかもしれないと考えて、2次試験に挑みました。当時通っていた高校の窓から、大阪大学歯学部の校舎が見えたものですから、軽い気持ちで「歯医者もいいかな」と気まぐれに思っていました。それに、僕は血を見るのが苦手だったので、医師は難しいけど歯科医師だったら大丈夫かもしれないとその時は考えていました。最終的に工学系は落ちてしまって、歯学部だけ受かったのですが(笑)。学生時代も、歯科医師になってからも、先生方にはかなり鍛えられてきたように思います。最初は不安でいっぱいでしたが、たくさんの患者さんと接することで、自信や興味が湧いてきたのが良かったのかなと思っています。

子どもの患者の素直な反応が、やりがいや力になる

出身校の校医を務められるのは、うれしいですよね。

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校医としては、今年初めて出身中・高の校医も担当することになりました。これまで幼稚園、小学校、高校と受け持ってきましたので、これで全部と考えるとうれしいですね。最近の子どもには虫歯が減っていると聞くことも多いと思いますが、実際にそう感じることが増えています。虫歯は確かに、劇的に減っている一方で、歯並びについてはそうでもないんです。矯正は僕の専門ではないので、できることは限られているものの、問題のありそうなお子さまにはできるだけのアドバイスをした上で、適切な矯正歯科医院を紹介しています。わかりづらいかもしれませんが、実は私自身も歯並びが悪くて、小学生の頃に指摘されていれば治せたかもしれませんが、今から治すとなると手術が必要になります。そんな自分の経験を通して、われわれ小児歯科や矯正歯科で治せる年頃の子どもたちや保護者の方には、治療の重要性をできるだけわかりやすく伝えられればと思っています。

お子さんと接する上で、気をつけていることはありますか。

歯科医院が苦手なお子さんというのは、治療に対して「痛い」、「怖い」といった恐怖心を持っていると思うんです。だからこそ、無理に押さえつけてまで治療はしたくないですし、痛みはなくても怖がっている子には、雰囲気に慣れることや治療の練習をしてみて、お子さん自身が納得してから次に進むようにしています。子どもの気持ちをくむように接していると、前回は暴れて治療ができなかった子が、次の時にはすんなり治療できるということもあり、成長が感じられてうれしいですね。子どもの患者さんの中には、ラブレターのような感謝のお手紙をくれる子や、進学して武庫之荘を離れ、帰省した時に治療に寄ってくれる子もいます。そんな心優しい患者さんも多く、診療を通じて、逆に私が笑顔で楽しく診療させていただいているので、本当に幸せだなと感じています。

大人の患者さんに対してはどうでしょうか。

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客観的な状況や治療方法の選択肢については、できるだけ丁寧に説明するように心がけています。この歯は抜いたほうがいいのか、抜かずに治療できるのか、かぶせ物はどんなものが適用できるのかなどですね。そして、ほとんどの患者さんは治療を早く終わらせたいと希望されていると思うので、その点も考慮しています。また、歯科医療は、患者さん一人ひとりにいろいろなニーズがあります。できることならいつも最良の方法をお伝えしお勧めしたいけれど、現実の治療はなかなか理想どおりにはいかないこともあります。それでも、治療の一長一短をきちんと説明して、患者さんが納得できる治療方法を選べるようにしていきたいなと考えています。

仕事を通じて地域を見守り、貢献していきたい

訪問診療も行っているそうですね。

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地域医療への貢献がしたかったので、10年くらい前から訪問診療も行っています。始めた頃は診療の合間などにピンポイントで、時々依頼を受ける程度でしたが、最近では週に何日も診察に行くことが多いです。近年は高齢者の口腔ケアの重要性に対する認識が広まってきたこともあり、介護者向けのアドバイスをする機会も増えてきました。歯科以外の病気で薬を内服している方が、副作用で歯茎が腫れたり、出血があったりすることもあるので、担当医の先生に相談に伺うこともあります。医療、歯科医療、介護者間のやりとりが必要になる場面も増えていますし、少しずつ連携できるようになっているかなと思います。

「目の届く範囲で」ということをモットーされているようですが。

当院は大きな歯科医院でもないですし、歯科医師も僕一人、スタッフもたくさんいるわけではありません。でも、例えばいろんな先生がいて担当医制度のないクリニックだとしたら、患者さんが戸惑うこともありますよね。地域に密着した小さな歯科医院にしかできない診療をしたい、一人ひとりの患者さんに丁寧に目を配り、温かいコミュニケーションを基礎にした治療をしていきたいという思いを「目の届く範囲で」という言葉に込めました。

今後の展望についてお聞かせください。

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開業の年に生まれた娘も20歳を過ぎ、大学の歯学部で勉強しています。僕自身、親とは違う人生を歩んでいますし、娘の好きな道ならどんな仕事でも良かったんです。当院を継いでもらいたいとも思っていませんでしたが、僕の仕事を見てやりたいと言ってくれたのは本当にうれしかったです。最近は、学生時代の僕が苦手だったところを勉強しているようで、早く一緒に仕事したいなと思うことも増えてきました。当院の今後ということで言えば、少子化の影響で子どもの患者さんは多くありませんが、小さな頃から診せてもらっている患者さんが大きくなっても通ってくれて、成長していく姿を見られたらうれしいなと思っています。最初は歯科衛生士さんもおらず、たった一人で始めた歯科医院も20年、あっという間だったなというのが正直なところですが、これからも仕事を通じて地域を見守っていきたいですね。

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