菅野 澄雄 理事長、菅野 雄紀 院長の独自取材記事
菅野耳鼻咽喉科
(川崎市宮前区/鷺沼駅)
最終更新日:2026/10/01
鷺沼駅よりバスを利用して約5分の場所にある「菅野耳鼻咽喉科」。1996年の開業以来、世代を超えて親しまれている同院が、30周年を迎えた2026年10月に新たな一歩を踏み出した。これまで診療をけん引してきた菅野澄雄先生が院長職を退き理事長となり、息子の菅野雄紀先生が新院長に就任したのだ。「変わらぬ安心と新たな視点での医療を提供するための体制変更」と澄雄理事長が話せば、雄紀院長は「これまでに築かれた地域との信頼関係を守りながら、この先も5年、10年、20年と長く信頼されるクリニックをめざします」と抱負を語る。地域密着のクリニックでありながら、病院レベルの高度な体制を誇る同院の現在地と今後について、2人に詳しく聞いてみた。
(取材日2026年7月3日/情報更新日2026年10月1日)
患者の安心を第一に考えた、理想的な次世代への継承を
今回、院長職を交代されたそうですね。

【澄雄理事長】長年にわたり、地域と患者さんに育てていただいたことを、心より感謝しています。10月に院長職を息子の雄紀先生に譲りました。患者さんの中には、院長が代わると聞くと不安に感じる方もいらっしゃると思いますが、今後も黒田寿史副院長を含めた医師3人体制で診療を継続していきます。ゆっくりと時間をかけて、これまで通っていただいている患者さんには変わらぬ安心感を持っていただきながら、新しい患者さんには新しい医療の視点を取り入れていけたらと考えています。
【雄紀院長】もともと水曜日に非常勤として手伝いにきていましたが、このたび所属していた病院を辞めて、こちらをメインに引き継ぐ形になりました。父が30年かけて地域に根づかせてきたクリニックですから、その重みはとても感じています。
雄紀院長はこれまでどのような診療経験を積まれましたか?
【雄紀院長】栃木県や神奈川県の病院で経験を積んできました。いずれも症例数の多い市中病院で、いわば「修業」のような日々でしたね。栃木にいた頃は喉や嚥下、飲み込みの診療を多く担当し、直近まで勤務していた東京医療センターでは、人工内耳の手術も行う病院だったこともあり、幅広い疾患を診療してきました。専門としては喉になりますが、特定の分野に偏らず、さまざまな症例に対応してきた経験は、こちらでの診療にも生きていると感じています。これまでの診療で築いたネットワークもありますので、必要な際には専門施設への紹介や連携もスムーズに行えればと考えています。
継承にあたって、受け継いできたい大切な方針はありますか?

【雄紀院長】一人ひとりの患者さんに何ができるかを真剣に考える姿勢と、地域の医療を守っていくことは、これからも大切にしたいと思っています。私自身は慶應義塾大学の出身ですが、この辺りですと聖マリアンナ医科大学や昭和医科大学など、近隣の病院との連携も進めていきます。父が30年かけて築いてきた診療のかたちは、今までどおり大切に守っていきながら、新しく私にしかできないことがあれば、そこは積極的に取り組んでいきたいですね。
【澄雄理事長】今まで一度も「医者になれ」とか「ここを継げ」なんて言ったことはないんですよ。ただ、本人がのぞいた時に、「ここで働きたい」と思える魅力的なクリニックをつくることだけは意識してきました。それを変わらず続けてくれるというなら、これほどうれしいことはありませんね。
一歩ずつ、だが着実に、進化を続けるクリニック
新しく挑戦していることがあれば教えてください。

【雄紀院長】テクノロジーに関しては私のほうが詳しいので、新しいツールは積極的に試しています。昨年導入したのが、AIを使った画像診断によるインフルエンザの喉の検査補助装置です。診察室でのカルテ入力をサポートするAI機器も試験的に入れてみています。また、今年から鼓膜のチュービングなどの小手術や、細かい処置の受け入れ枠も少し増やしました。あとは、以前から取り組んでいる漢方にもさらに注力しています。耳鼻咽喉科領域では症状が多岐にわたることも多いので、全身のバランスを考える漢方のアプローチが有用なこともあります。反応を見ながら薬を細かく調整やすい、クリニックとの相性が良い治療でもあります。
【澄雄理事長】「毎年1つずつ、何か新しいネタを見つけてやっていく」というのがうちのスタイル。毎年当たり前のように一歩ずつ進化していけばいいと思っています。
親子でともに診療を行う中でのご感想はありますか。
【雄紀院長】実際に隣で父の診療を見ていて、何世代にもわたって通ってくれる患者さんとの強い信頼関係に本当に驚かされましたし、すごいなと素直に尊敬しましたね。ただ、最初から飛ばしすぎると息切れしちゃいますから、まずはこの新しい環境にしっかり慣れていくことが第一だと思っています。
【澄雄理事長】年代や学んできた背景がまったく違いますから、私のやり方をそのまま踏襲しなくていいと思っています。開業医だからこうしなきゃいけないなんてルールはないんだから、これまで病院でやってきた先進的な医療をそのままこのクリニックで実践すればいいのではないでしょうか。
力を入れている診療について教えてください。

【澄雄理事長】幅広く診療する中でも力を入れてきたのが聞こえの診療です。専門の臨床検査技師が在籍し、標準純音聴力検査や語音明瞭度検査など、クリニックとしてはかなり精密な検査まで対応できる体制が整っています。
【雄紀院長】直近で勤務していた東京医療センターは人工内耳も扱う病院でしたので、補聴器では対応が難しいケースについても、そうした専門施設と連携しながら対応していけます。さらに、喉や嚥下の診療も経験してきました。聞こえや飲み込みの機能低下は生活の質に直結しますので、高度医療機関とのネットワークも生かしつつ、一貫したサポートを続けていきます。
無駄を避けて迅速に。患者目線で負担の少ない診療を
先生方が貫かれている診療の哲学を教えてください。

【澄雄理事長】私たちの医療は、コストのためとか報酬のためにやっていることはありません。「これをやったらもうかる」なんて考えは一つもない。来たくて通っている患者さんはいないのだから、一番大事なのは早く治して、早く通院を終わりにすることです。どんどん治療して患者さんに卒業してもらわないことには、新しい患者さんを迎えることもできません。だから毎日が真剣勝負です。
【雄紀院長】私もその思いは同じです。加えて、診察の際には患者さんの顔をしっかり見て対話することを徹底しています。よく「先生がカルテの画面ばかり見ていて目が合わない」といった不満を聞きますが、絶対にそういう診察はしたくないので、気さくで話しやすい空間を心がけています。
患者さんの負担を減らすことに取り組んでいらっしゃるのですね。
【澄雄理事長】耳鼻咽喉科では「治療が終わるまで毎日来てください」などと言われがちですが、私はなるべく無駄な通院を押しつけないようにしています。診察の終わりに「こういう変化があれば様子を見ていいですよ、でももしこんな症状が出たらすぐに診せに来てくださいね」と、次の来院の明確なタイミングをプロとしてアドバイスします。そうすれば患者さんも治療に前向きになれるし、来院が無駄足になるのを避けられますからね。
【雄紀院長】完全予約制やウェブ予約、ウェブ問診も、忙しい患者さんの時間を無駄にさせないための工夫です。お忙しい方でもしっかり時間を指定して来ていただければ、お待たせせずにスムーズに診察できる環境を整えていますので、無理なく適切な治療を続けてほしいですね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

【雄紀院長】耳鼻咽喉科の病気の中には、例えば突発性難聴のように、治療開始までにタイムリミットがある恐ろしい病気もあります。だからこそ、自分で様子を見て判断せず、何か異変を感じたら躊躇わず気軽に受診してほしいですね。これからもスタッフとともに、5年、10年、20年と長く信頼関係を築いていける耳鼻咽喉科クリニックをめざします。
【澄雄理事長】当院は完全予約制でスピーディーに対応しますが、もし万が一、高度な精密検査や治療が必要だと判断した場合は、絶対に遅れないよう早め早めに信頼できる大きな病院へつなぎます。私はまだまだ元気ですから、これからも雄紀院長の隣でしっかり働きますし、決して我慢をせず、安心して私たちの顔を見に来てください。

