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林 毅陸 院長の独自取材記事

ゆめこどもクリニック

(川崎市高津区/鷺沼駅)

最終更新日:2024/04/09

林毅陸院長 ゆめこどもクリニック main

川崎市高津区の中原街道沿いの久末にある「ゆめこどもクリニック」。日本小児科学会小児科専門医である林毅陸(はやし・りく)院長が、2004年に開業。以来、子どもの病気の診療をはじめ、健康診断、予防接種、発育の悩みなど、子どもに関するさまざまな相談に応じてきた。「子どもの生命力や、未来への希望を感じさせる姿に惹きつけられて小児科を選びました」と話す林院長。大学卒業後、日本医科大学武蔵小杉病院小児科や総合相模更生病院小児科などで研鑽を積み、開業に至ったという。現在は、川崎市内の園医や学校医も務め、地域からも信頼を得ている。穏やかな笑顔と誠実な語り口が印象的な林院長に、診療のモットーや小児科医師としての思いを聞いた。

(取材日2022年5月16日)

子どもの生命力、未来への可能性に惹かれて小児科へ

まず、こちらのクリニックについて教えてください。

林毅陸院長 ゆめこどもクリニック1

2004年に開業以来、子どものプライマリケアを担うかかりつけ医として、発熱・咳・嘔吐・下痢などの感染症から喘息・アトピー性皮膚炎・じんましん・花粉症などのアレルギー症状、夜泣き、便秘まで幅広く診療を行ってきました。予防接種や乳幼児健診、発育に関して気になることの相談にも応じています。また、ご家族など大人の診療も行っています。患者さんは近辺の方が多いですが、駐車場があり、バスのアクセスも便利なので、少し遠方からも来られますね。急な症状も診療できるよう来院順の外来予約を行い、ウェブで診療予約ができるようにしました。

そもそも、林院長はなぜ小児科を選んだのですか?

簡単に言うと子どもが好きだからです。小児科の良いところは、みんなが未来を向いていることだと思うんです。子どもはその存在自体に可能性や希望を感じさせますし、未来に向けてどんどん成長していく生命力には自然と惹きつけられます。その力を医師としてサポートしていきたいという気持ちから小児科を選びました。もちろん、重篤な病気を持つお子さんもいらっしゃいますし、残念ながら亡くなってしまう場合もあり、回復がかなわなかったときの落差はとても大きくつらいものです。しかし、そんなつらい経験を経ると、なおさら命の尊さや重みを痛感し、子どもの存在がいとおしく、大切に守らなければという気持ちにさせられるのです。そういう意味でも、すべての子どもは周りの人に未来を向かせて、希望を持たせる存在だと思っています。

開業のきっかけや経緯を教えてください。

林毅陸院長 ゆめこどもクリニック2

ここを選んだのは、出身校である日本医科大学に近いこと、連携先として考えていた日本医科大学附属第二病院(現・日本医科大学武蔵小杉病院)、聖マリアンナ医科大学病院、帝京大学医学部附属溝口病院などからも近いことからです。クリニックの内装は、看護師でもある妻の意見を多く取り入れています。実際にクリニックに来院されるのは、お父さんよりお母さんが多いですから、妻の意見はとても参考になりましたし、きっと僕では気がつかなかったと思うものもたくさんありました。クリニックの名前も、妻と2人で考えたものですから、妻の協力がなければ開業できなかったかもしれません。

子どもの健康を守るため、予防接種の必要性を伝える

診療の際には、どのようなことを心がけていますか?

林毅陸院長 ゆめこどもクリニック3

子どもは自らの治癒力で病気を自然に治すといわれるくらい生命力が強いものですから、医師が注意すべきは大きな病気を見逃さないことです。親御さんからの話も重要な手がかりですから、話をよく伺うように心がけています。とはいえ僕は重度の心配性で(笑)、夢中になるとつい早口であれこれ聞いてしまうため、そうならないように注意しています。また、親御さんの不安にしっかりと応えることも心がけていますね。お子さん本人にもよく話しかけています。治療の際はどうしても大人同士の話が中心となりがちですが、できるだけお子さんの気持ちもくみ取るようにしているんです。子育て経験のある看護師が在籍しており、お子さんが泣いているときも、上手に声かけをして話しやすい雰囲気をつくってくれるので助かっていますね。

予防接種について情報発信や啓発に注力していると聞きました。

乳幼児の予防接種や子宮頸がんワクチンなどに対応しています。近年、乳幼児のワクチンが拡充されていますが、ワクチンを子どもに接種させるかどうかという判断は人それぞれです。はしかや風疹の予防接種を受けさせたくないと決めている人がまれにいますが、もし後でかかったら大事になるのにと思ってしまいます。当院でも予防接種の大切さを伝えていますし、他の医師や保健師などからの意見も参考にして、「接種する」という選択をしてほしいと思っています。予防接種は公衆衛生の範囲に入りますので、そういう意味では、子どもを個別に守るということに加え、保育園などで接する子どもたちに迷惑をかけない、危険を与えないという姿勢が大切になります。決して病気をうつしてはいけない、持病のあるお子さんも中にはいますからね。病気の予防に努めるという意味では、お子さんがいるご家庭ではせっけんと流水で清潔にすることも大切です。

保護者とともに、子どもの健やかな成長を見守りたい

小児科医師の立場から、気になることはありますか。

林毅陸院長 ゆめこどもクリニック4

病気などについてよく勉強されている親御さんも多いですし、インターネットが普及したおかげで以前に比べて情報を得ることが容易になったと思います。しかし、その反面、情報が多すぎて何を信頼していいのか戸惑っている方も増えていますね。情報化社会や核家族化が進む前なら、子育てはお母さんやお姑さんから教わるしかなかったのでしょうが、現在はさまざまな手段がありますから、かえって迷う面があるのでしょう。インターネットなどの情報もうまく利用しつつ、実際に子育て中の方や経験者に相談できれば良いのでしょうね。また、共働き世帯が増えて子どもが保育園で過ごす時間が長くなっているので、保育士の先生と情報を共有することもお勧めします。保育園での様子や、園内で流行している病気を聞いて、自宅での様子と合わせて教えていただけるとスムーズな診断につながります。

小児科の上手なかかり方を教えてください。

お子さんは急に熱や症状が出ることがありますから、慌てて来院される親御さんも多いのですが、現在起こっている症状とともに、それまでの経緯が小児科での診断の重要な手がかりになります。受診の前に「いつ」から「どんな」症状があるのかをなるべく詳しく思い出しておくと良いでしょう。質問したいことも一緒にメモしておけば、スムーズに診察が受けられます。また、日頃から「機嫌が悪い」「あまり食べない」といったお子さんのちょっとした変化を記録しておくと、いざ受診というときに役に立つと思います。内股などの歩き方や、動作に気になることがあれば、携帯電話で動画撮影をしておくのがお勧めです。診察中はお子さんが緊張するので、普段と違う動きをしてしまいがちです。親御さんが気になっている症状が何なのか、一緒に動画を見て共有できれば早く診断しやすいですし、安心だと思います。

今後の展望や読者へのメッセージをお願いします。

林毅陸院長 ゆめこどもクリニック5

小児科医師としては、勉強会などへ参加する機会を増やし、知識をアップデートし続けたいです。そして何かあったときに最初にかかる「プライマリケア」を行う小児科クリニックとして、大きな病気を見逃さない役目をしっかりと果たしていきたいですね。お子さんが病気になると本人も親御さんもつらいと思いますが、調子が悪い時に家族で過ごした濃密な時間は、将来にわたって意義を持つ良い思い出になります。気になることはなんでも、気軽に相談してください。つらいときも前向きに、一緒にお子さんを育てていきましょう。

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