日帰り手術でクリニックで行う
親知らずの抜歯
村田歯科クリニック
(春日部市/春日部駅)
最終更新日:2021/10/12


- 保険診療
とにかく「大変」というイメージがある親知らずの抜歯。「1日仕事を休んで、大学病院まで行かなくてはならない……」と考えて、治療を躊躇している人も多いのではないだろうか。しかし、状態によってはクリニックで抜歯できる場合もあるし、数は少ないながら、難症例の親知らずに対応しているクリニックも存在する。春日部市で20年以上診療を続ける「村田歯科クリニック」は、そんな難症例の親知らずの抜歯に対応してくれる歯科医院の一つ。麻酔科を専門としつつ、口腔外科治療でも豊富な経験を持つ院長、村田睦剛先生に、クリニックでの親知らず抜歯について聞いた。
(取材日2021年1月22日)
目次
親知らずの問題は、放置して良くなることはない。歯科受診をして早めに見通しを立てておこう
- Q親知らずはクリニックでも抜歯できるのでしょうか?
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A
▲麻酔や口腔外科を専門に学んできた村田院長
歯の根が下顎の太い神経に接触しているような難症例の親知らずの場合、クリニックで対応しているところはあまりないようです。口腔外科の技術に加え、麻酔による痛みのコントロールと術後処理まで含めた管理が必要になりますから。静脈内鎮静法や全身麻酔術を使った抜歯となると、口腔外科と歯科麻酔を専門とする先生がそろっている必要がありますし、技術的にも設備的にも、また保険制度の面からも、難症例の抜歯はほぼ病院しか行っていないのが現状です。ただ、そこまでの難症例は数は少なく、状態によっては、クリニックで抜歯できる場合もあります。当院は僕が麻酔科出身で、口腔外科が専門の先生もいるため、難症例にも対応できています。
- Q静脈内鎮静法、全身麻酔法とはそれぞれどのようなものですか?
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A
▲親知らずの難症例にも同院で対応
どちらも麻酔の一種です。両者の違いは簡単に言うと、自律神経の機能を残しているかどうか。静脈内鎮静法は、点滴等で鎮静薬を静脈に入れ、血圧コントロールや呼吸などの機能を維持したまま脳の思考機能だけを抑制していきます。うとうとと眠っているような状態で、仮にそのままにしておいても命に別条はないでしょう。一方、全身麻酔法では完全に意識がなくなり、自然呼吸も止まるので、喉にチューブを入れての呼吸管理や血圧コントロールなどが必要になります。これらの麻酔は、基本的に麻酔を専門とする歯科医師が行っています。
- Q2つの麻酔法を使った抜歯は、どんな人に適しているのでしょう?
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A
▲院内は清潔に保たれ、設備も整う
患者さんの希望で麻酔を使い分けることは法律上禁止されているので、麻酔方法は医療上の理由での使い分けになります。患者さんごとの個別判断になりますが、これらの麻酔法を使う典型的な例は、パニック障害や心因性の高血圧をお持ちの方ですね。その方の依頼を受けたら当院では必ず事前に対診をするのですが、精神科の先生や内科の先生からの要望で鎮静を行うこともありますし、僕の判断で行うこともあります。また、歯科治療に対する恐怖心がとても強い人などにも、静脈内鎮静法や全身麻酔法を用いることがあります。抜歯自体の時間は、極端に簡単なものなら3分、難しいものでは2時間と幅がありますが多くの場合、1時間前後となっています。
- Q治療の流れや治療後に気をつけることなどを教えてください。
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A
▲検査結果を見せながらわかりやすい説明を心がける
静脈内鎮静法を行った場合、術後だいたい30分~1時間、フォローが必要な患者さんで1時間半ぐらいは呼吸や血圧、心拍を監視しつつ休んでもらいます。最後にまっすぐ歩けるかなども確認し、大丈夫なら家族に付き添ってもらって帰宅、という流れです。全身麻酔の場合は回復に時間がかかりますが、朝から始めて、夕方には歩いて帰れるでしょう。回復が遅い場合は、近隣の医療機関のベッドを予約していますので、そこで休んでもらいます。術後の痛みについては、一昔前に比べて鎮痛剤も進歩していますので、痛みを感じない人もいらっしゃるようです。痛みのコントロールは、患者さんの要望やスケジュールに合わせて対応しています。
- Q親知らずの治療に適した時期はあるのでしょうか。
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A
▲春日部市の住民が安心して生活できるよう地域医療連携に取り組む
これから妊娠・出産を予定する方たちは、その前に一度検診に行って、親知らずがどんな状態で、中長期的にどんな処置が必要なのかを確認しておいてほしいと思います。妊娠中に治療が必要になると、抜くのも、残すのも、鎮痛剤を飲むのも大変です。出産後に抜歯したいという人もいますが、出産後は授乳があるため強力な鎮痛剤などの薬剤が使いにくい期間があります。妊娠から出産、授乳の終了まで、足かけ2年は通常の治療がしにくくなる可能性がありますので、ぜひ事前に歯科受診していただき、当面親知らずの治療の心配のない状態にしておきましょう。
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。