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織戸 千津子 院長の独自取材記事

ひさすえ歯科医院

(川崎市高津区/東山田駅)

最終更新日:2019/08/28

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川崎市高津区の中原街道沿いに歯科医院を構えて35年以上となる「ひさすえ歯科医院」。心地良い温かみを感じさせてくれる院内に入ると、織戸千津子院長がはじけるような笑顔で迎えてくれた。まるで家族のことのように、患者とのエピソードを次々と披露する院長の話しぶりが、患者との関わりの深さを感じさせる。「患者さんに喜んでいただける診療が楽しくて仕方ない」と語る織戸院長は、とにかく患者本位の診療が信条。ブラッシングなどのセルフケアを通して、患者の予防意識を向上させることに力を注いでいる。そんな織戸院長に診療に対する熱い思いを聞いた。
(再取材日2019年4月16日)

子どもから高齢者まで、地域を見つめ続ける

開業以来35年以上にわたってこの場所で診療を続けてこられたのですね。

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はい。歯学部を卒業後は「子どもが好き」という理由で大学病院の小児歯科に入り、全身麻酔下での治療や子ども用の義歯制作など、さまざまな経験をしてきました。当時から予防に興味があり、ご縁をいただいて大学に籍を残したまま保健所での勤務も経験。健診と指導を中心に担っていましたが、そのうち飽き足らなくなって……。1984年にこちらのクリニックを開業いたしました。20年、30年と通い続けていただいている患者さんも多くいらっしゃいますから、お子さんの成長やご家族の絆などを拝見し、長年の診療を通じて近隣住民の皆さんとのつながりも広がりました。このエリアも高齢化が進んでいますが、医療の進化もあってか皆さんとてもお元気ですね。

高齢の患者の治療を通しての気づきがあれば教えていただけますか?

全身が健康な方はお口の中も健康な方が多いということです。体調が悪かったり、ストレスがあったりすると歯茎が腫れやすく、出血しやすくなるなど、全身状態と口腔内は密接な関わりがあります。ちょうど今のような花粉症の時期には、歯茎が腫れやすくなる患者さんもいらっしゃいます。また、血流を良くする薬を飲んでいらっしゃる方や骨粗しょう症の方は抜歯を行えなかったり、糖尿病の方は歯茎が腫れやすいため注意が必要だったりと、全身の状態によって歯科治療上、気をつけることも変わってきます。がんの治療中の方も多くいらっしゃるので、お口の中のトラブルが抗がん剤の副作用によるものなのかどうかの見極めも必要になります。歯科医師も歯だけを見るのではなく、全身との関わりの中でお口の中を拝見することが大切になっていると感じています。

高齢の方の歯のケアについてアドバイスをお聞かせください。

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「もう年だから」と、諦めてしまうのは非常にもったいないことです。これまでの経験で、たとえ高齢の方でも、きちんとしたケアを行えば歯の健康を取り戻せることを患者さんから教わりました。また、お口の中の健康は必ず全身の健康につながっていきます。歯周病で抜けそうになってしまい、もう抜くしかないだろうという歯でも、抜かずに何とかしたいという強い意志で、適切なブラッシングを根気強く続け、大切な歯を失うことなく済んだという方もいらっしゃいます。年齢に合ったブラッシングが大切ですが、高齢の方は手先がおぼつかなくなり、ブラッシングが十分ではないこともあります。しかし、それよりも諦めずに、ケアに取り組む意志や強い信念が大切なのです。

ノウハウを生かしたブラッシング指導で予防を啓発

こちらの特徴を教えてください。

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開業当初から、患者さんお一人お一人が生活全般を見直して、ご自分の口の中の健康を考えるためのお手伝いとフォローをする、というコンセプトを基本としてやってきました。できる限り人工的なことは行わず、歯を抜かずに残すという方針です。インプラントなどをご希望の患者さんもいらっしゃいますが、信頼できる他院にご紹介するなどして対応していますね。患者さんのお気持ちを尊重して、教科書的な型にはまった対応ではなく、個々に合わせた段階的な処置をご提案するように心がけています。また、当院は小児からご高齢の方まで、さらには妊婦さんや精神疾患のある方、歯科診療に強い恐怖心を抱いていらっしゃる方など、さまざまな患者さんにご来院いただいています。スタッフも車いすや押し車などでご来院の方の対応には慣れていますので安心してご受診いただけると思います。あとは、ブラッシング指導などの予防歯科啓発に力を入れていることでしょうか。

歯科治療に恐怖心のある患者さんにはどのように対応されるのですか?

歯科治療に恐怖心を抱く原因もさまざまです。過去の治療経験から治療に対して不安を感じられる方、パニック障害などの精神疾患のため恐怖心が強い方。そして、診察台に上がると緊張で冷や汗が出て体が硬く強ばってしまう方、エアタービンの音を聞くとめまいを覚える方など、その反応もさまざまです。こうした方には無理強いせず、一般的な治療より時間をかけて少しずつ治療を進めるようにしています。多くの方では日によって症状に差がありますから、比較的症状が落ち着いている日にできるだけの治療をして、その後治療期間が空いても良いように虫歯の進行を抑えるための薬を入れるなどすることも。あとはブラッシングや食べ方、飲み方の指導を行い、できる限りご自身で進行を食い止めることができるように取り組んでいます。

ブラッシングの指導とはどのようなものなのでしょうか?

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保健所勤務時代からブラッシング指導には取り組んできましたから、そのノウハウを生かして、患者さんお一人お一人に合った方法を指導しています。一番大切なのは、ご自分の歯がどのように並んでいて、どこに磨き残しが発生しがちなのかをきちんと把握すること。口は取り出すことができませんから、慣れと感覚で体で覚えていただくしかありません。正しいブラッシング方法は、一度身につけるとその後ずっと使える一生ものになると思います。ぜひ若いうちに身につけて、セルフケアに取り組んでいただきたいですね。

全身の健康につながる口腔の健康。さらなる意識向上を

お子さんの診療でお気づきの点はありますか?

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保育園の嘱託歯科医をしていることもあってお子さんの受診も多いのですが、昔に比べてはるかに虫歯の子は減りました。大学病院の小児歯科では歯がぼろぼろになってしまった3歳児などたくさん診ましたが、現在では3歳児歯科健診で虫歯が見つかる子どもも少なくなりました。親御さんの歯科意識が高まっていることを感じます。ただ、親御さんの目が届かなくなる中学生や高校生で歯磨きをきちんとしなくなるというケースも。10代では唾液の分泌も盛んなため虫歯になりにくいのですが、20歳を超えて虫歯が増えてくるということもあります。また、ブラッシングが優しすぎるのかプラークともいわれる歯垢を取りきれていない方も多く、若年層の歯肉炎にも注意が必要です。

院長が歯科医師を志されたきっかけは?

人の心に関心があり、悩んでいることや感じていることなどを語り合って、一緒に元気になることが好きでした。なので、精神科の医師か心理カウンセラーになりたいと思ったこともありました。医療系つながりで歯学部に入学しましたが、実習は一つ一つが細かな作業の連続で、大変でもあり楽しくもありました。歯学部を卒業して患者さんと関わりだしてから、歯科医師の仕事の奥深さや楽しさに気づけるようになりましたね。患者さんとお話しして、患者さんのつらさを受け止めて、患者さんに喜んでいただける結果を出すことが楽しくて仕方ないんです。患者さんが感謝してくださることで私もたくさんの元気をいただいています。

今後の展望について教えていただけますか?

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近年、インフォームドコンセントの大切さを実感しています。以前は、「先生にお任せします」とただ診療台に上がっていたような方から、治療についての説明を求められることも増え、治療への意識が向上してきたのはとても良いことだと感じています。それにお応えできるよう、私たち歯科医師も、状況と治療について患者さんにわかりやすくご説明し、ご自身で治療をご選択いただくお手伝いをしていかなければと強く思うのです。その上で、一日一日を大切に、その日にできることをきちんとやっていければと思います。お口の健康は全身の健康にもつながりますから、意識を持って予防に取り組み、皆さんと一緒に長生きできればと思います。

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