全国のドクター13,115人の想いを取材
クリニック・病院 157,857件の情報を掲載(2024年12月21日現在)

ドクターズ・ファイル会員でできること

予約情報をマイページ上で管理できます!

過去の予約を一覧化

予約内容の確認

予約の変更・キャンセル※

※一部対象外の医療機関もありますので、あらかじめご了承ください

会員登録がお済みでない方は

すでに会員の方は

  1. TOP
  2. 神奈川県
  3. 川崎市高津区
  4. 東山田駅
  5. ひさすえ歯科医院
  6. 織戸 千津子 院長

織戸 千津子 院長の独自取材記事

ひさすえ歯科医院

(川崎市高津区/東山田駅)

最終更新日:2024/10/15

織戸千津子院長 ひさすえ歯科医院 main

川崎市高津区の中原街道沿いに構え40年を迎えた「ひさすえ歯科医院」。「この40年間で、患者さんの歯に対する意識は大きく変わりましたね」と織戸千津子院長がニッコリほほ笑む。多くの人々の歯への関心が高い分、ブラッシングなどのセルフケアの作法はある程度浸透している。ただ、まだまだ完全ではないと院長。「歯は人によって生え方も並び方も違いますし、歯ブラシの持ち方や癖も千差万別。だから適切なブラッシングは一人ひとり違うんです」。患者の話を丁寧に聞き、痛みの軽減を図り、それぞれに合ったブラッシング指導で、100歳まで自分の歯で食べられることをめざす。そんな織戸院長に診療に対する熱い思いを聞いた。

(取材日2024年5月21日)

子どもから高齢者まで、地域を見つめ続ける

この場所で開業されて40年を迎えられたそうですね。

織戸千津子院長 ひさすえ歯科医院1

はい。歯学部を卒業後は「子どもが好き」という理由で大学病院の小児歯科に入り、全身麻酔下での治療や子ども用の義歯製作など、さまざまな経験を重ねてきました。当時から予防に興味があり、ご縁をいただいて大学に籍を残したまま保健所での勤務も経験。検診と指導を中心に担っていましたが、そのうち飽き足らなくなって、1984年にこちらのクリニックを開業いたしました。30年、40年と通い続けていただいている患者さんも多くいらっしゃいますから、お子さんの成長やご家族の絆などを拝見し、長年の診療を通じて近隣住民の皆さんとのつながりも広がりました。このエリアも高齢化が進んでいますが、医療の進化もあってか皆さんとてもお元気ですね。

高齢の患者さんの治療を通しての、気づきがあれば教えていただけますか?

全身が健康な方はお口の中も健康な方が多いことに気づかされますね。体調が悪かったり、ストレスがあったりすると、歯茎が腫れやすく出血しやすくなるなど、全身状態と口腔内は密接な関わりがあります。花粉症の時期には、歯茎が腫れやすくなるケースも見られます。また、血流を良くするための薬を飲んでいらっしゃる方や骨粗しょう症の方は抜歯を行えなかったり、糖尿病の方は歯茎が腫れやすいため注意が必要だったりと、全身の状態によって歯科治療上、気をつけることも変わってきます。がんの治療中の方も多くいらっしゃるので、お口の中のトラブルが抗がん剤の副作用によるものなのかどうかの見極めも必要になります。歯科医師も歯だけを見るのではなく、全身との関わりの中でお口の中を拝見することが大切だと感じています。

高齢の方の歯のケアについて、アドバイスをお聞かせください。

織戸千津子院長 ひさすえ歯科医院2

体格や体力に差があるように、歯の健康状態も人それぞれです。ですので、一概に高齢者に向けたアドバイスはできないのですが、「もう年だから」と、諦めてしまうのだけはやめましょう。高齢の方でも、きちんとしたケアを行えば歯の健康を取り戻すことにつなげられると学んできました。お口の中の健康は全身の健康につながっています。歯周病で歯が抜けそうになってしまい、一見もう抜くしかないだろうと考えられてしまう歯でも、抜かずに何とかしたいという強い意志で、適切なブラッシングを根気強く続けることが大切です。年齢に合ったブラッシングが大切ですが、高齢の方は手先がおぼつかなくなり、ブラッシングが十分できなくなることもあるでしょう。しかし、それでも諦めずに、ケアに取り組む意志や強い信念が大切なのです。

ノウハウを生かしたブラッシング指導で予防を啓発

こちらの特徴を教えてください。

織戸千津子院長 ひさすえ歯科医院3

開業当初から、「患者さんお一人お一人が生活全般を見直して、ご自分の口の中の健康を考えるためのお手伝いとフォローをする」というコンセプトを軸に診療してきました。できる限り人工的なことは行わず、歯を抜かずに残す方針です。インプラントなどをご希望の患者さんもいらっしゃいますが、信頼できる他院に紹介するなどして対応していますね。患者さんのお気持ちを尊重して、教科書的な型にはまった対応ではなく、個々に合わせた段階的な処置を提案するように心がけています。当院は小児からご高齢の方まで、さらには妊婦さんや精神疾患のある方、歯科診療に強い恐怖心を抱いている方など、さまざまな患者さんにご来院いただいています。スタッフも車いすや押し車などでご来院の方の対応には慣れていますので、安心して受診していただけると思います。あとは、ブラッシング指導などの予防歯科啓発に力を入れていることでしょうか。

ブラッシングの指導とはどのようなものなのでしょうか?

口の中も自分の体の一部ですので、ご自身がどうなっているかをまずちゃんと理解して、自分でケアをして長持ちさせて、人生を全うするまで自分の歯で食べることを目標とするのが基本だと考えています。清潔志向も高まって、今の患者さんの歯やお口の中の状態に関する意識は非常に高くなっています。ですので皆さん知識を持って、きちんとケアをされている印象ですね。ただ、本人はきちんと磨いてるつもりでいても、大抵はなにかしらうまくできていない部分があるんですね。人によって歯の形や生え方や並び方はまったく違いますし、人によって歯ブラシを持って口の中に入れた時の角度や動かし方の癖も千差万別なので、そうした部分を一人ひとりチェックして、その人に合った方法を指導していくんです。

ブラッシングは本当に重要なんですね。

織戸千津子院長 ひさすえ歯科医院4

はい。適切な手順で磨き続けることができれば、歯の寿命を全うさせてあげることも期待できます。高齢で歯がグラグラになったとしても、しっかりとケアをすることで、一日でも一週間でも一年でも長持ちさせられればと思い指導にあたっています。適切にケアをすれば、炎症を起こしたり痛みを伴ったりすることなく、歯を長くきちんと使うことができて、歯科治療で抜歯をすることなく自然と抜けて終えるといった歯の寿命を見届けることも見込めます。そうやってケアをして大切に最後まで使われると、歯としても本望なのではないでしょうか。

全身の健康につながる口腔の健康。さらなる意識向上を

お子さんの診療でお気づきの点はありますか?

織戸千津子院長 ひさすえ歯科医院5

昔に比べてはるかに虫歯の子は減ったように思います。親御さんのお口への健康意識が高まっていることを感じます。ただ、親御さんの目が届かなくなる中学生や高校生になると、歯磨きをきちんとしなくなるケースも。10代は唾液の分泌も盛んなため虫歯になりにくいのですが、20歳を超えて虫歯が増えてくることもあります。また、ブラッシングが優しすぎるのか、歯垢(プラーク)を取り切れていない方も多く、若年層の歯肉炎にも注意が必要です。歯やそのケアのことだけでなく、生活習慣や食生活についてもしっかりと話を聞いています。虫歯や炎症を処置して、ブラッシング指導をしても、日常生活の中の些細な積み重ねが歯に悪影響を与えることも少なくありませんからね。

織戸院長が歯科医師を志されたきっかけを伺えますか?

人の心に関心があり、悩んでいることや感じていることなどを語り合って、一緒に元気になることが好きでした。なので、精神科の医師か心理カウンセラーになりたいと思ったこともありました。医療系のつながりで歯学部に入学しましたが、実習は一つ一つが細かな作業の連続で、大変でもあり楽しくもありました。歯学部を卒業して患者さんと関わり始めてから、歯科医師の仕事の奥深さや楽しさに気づけるようになりましたね。患者さんとお話しして、患者さんのつらさを受け止めて、患者さんに喜んでいただけるよう尽力することが楽しくて仕方ないんです。患者さんが感謝してくださることで、私もたくさんの元気をいただいています。

40周年を迎えられて、改めて地域の皆さんにメッセージをお願いします。

織戸千津子院長 ひさすえ歯科医院6

地域の皆さんとご一緒に年齢を重ねて、私も経験を重ねてきたと思います。40年前より今のほうが、視力も体力も落ちてはいますが、お口のことはよくわかるんですね。適切なブラッシングができているかどうかも一目で気づけるくらいになりました。それはたぶん、長く続けてきたことで何か積み上げられたものがあったからだと思います。それでも皆さんのお話はしっかり伺います。そして、きちんとケアをして、一生自分の歯で食べて健康に生きていけるようめざしましょう。お口の中は体の健康を維持するためのベースにもなる場所です。そんな大事な部分を、100歳以上まで維持しましょうね! その目標のために、私はこれからも地元の皆さんと一緒に歩み続けます。

Access