島田 聡 院長、島田 遥 先生の独自取材記事
島田歯科医院
(和光市/和光市駅)
最終更新日:2025/06/24

1995年の開業時から、器具の滅菌・殺菌、個別パッキング・ディスポーザブル製品の採用によって衛生管理を徹底してきた「島田歯科医院」。新型コロナウイルス感染症の流行以降は、従来の感染症対策をさらに強化し、医科のレベルに近づけた。島田聡院長は、「ずっとやってきたことをアップデートしただけ」と謙虚な笑顔を見せるが、患者から見えにくいところに徹底してコストをかける姿勢には、患者の安心・安全を守ることへの並々ならぬ思いがにじむ。2024年からは娘の島田遥先生が診察に加わったことで、これまで以上に患者のニーズに応えられるようになった。保育園や学校での活動を通しても地域に貢献する島田院長と遥先生に、診療内容や強みなどを聞いた。
(取材日2025年2月20日)
診療内容を絞らず、オールマイティーに対応
壁に面したカウンタータイプの待合室など、こだわりを感じる院内ですね。

【聡院長】開業当初からこのスタイルで、プライバシーに配慮した個室も初めから変わりません。治療中の患者さんの近くをほかの患者さんが通っていく動線は、私自身が患者として経験した時に落ち着かない感じがして嫌だったんです。そこで、待合室から個別のドアで診療室に入れるようにし、中は間仕切りをして治療中はほかの患者さんと顔を合わせずに済むようにしました。診察台のそばまでベビーカーごと入れるので、小さなお子さん連れの患者さんにも安心して治療を受けていただけます。
どのような患者さんが多いですか?
【聡院長】30年近くにわたって診療を続けてきましたから、親子2世代で通ってくださる患者さんも増えてきましたね。当院の周辺は開業当初こそ農地がたくさんありましたが、開発が進んでビルやマンションが建ち、都内に通勤する人たちが移転してきて現在のような街になりました。患者さんの中にも、さまざまなバックボーンの方がいらっしゃいます。小さなお子さんからお年寄りまで患者さんの年齢層も幅広いので、あらゆるニーズに対応できるよう研鑽を積んできました。一般歯科から小児歯科、矯正歯科、インプラント治療にも対応しており、より専門的な治療が必要だと判断すれば、速やかに近隣の医療機関にご紹介しています。
得意とされている治療についてもお聞かせください。

【聡院長】最近は、患者さんの高齢化によって入れ歯のニーズが増えています。一度歯型を採って模型を起こした後、その方専用の型採りをする器具を作るひと手間をかけて、より精巧でフィットする義歯を作るための工夫をしていますので、現在お使いの義歯でお困りの方もぜひご相談いただきたいですね。さらに、当院では早くからインプラント治療も行ってきました。インプラント治療の進化は著しく、歯科用CTで撮影した画像をシミュレーションソフトで解析すると適切な埋入位置が解析され、ガイドに従うことでその位置と角度にインプラントを埋入することができます。ただし、インプラントはあくまで治療の選択肢の一つですから、入れ歯かインプラントか、患者さんの状態に応じて検討するようにしています。
徹底した感染対策と丁寧な説明で安心の提供をめざす
院内の感染対策に力を入れておられると聞きました。

【聡院長】はい。グローブの使い捨てをはじめとした感染症対策は、これも開業時から、新型コロナウイルス感染症とは関係なく医科と同等のレベルをめざして取り組んできたことです。水と空気をクリーンに保つことはもちろん、治療器具などの消毒・洗浄、殺菌・滅菌においては、歯科医院で一般的に必要な処理の範囲以上の管理を意識してきました。2018年には滅菌体制をさらに強化し、治療時に使う器具についてはトレーまで患者さんごとの交換を徹底。使用後は消毒して超音波洗浄した後、機械洗浄して減菌パックに密封し、オートクレーブによる高圧蒸気滅菌、紫外線照射減菌棚での保管を経て、治療を始める直前に各診療台で開封するようにしています。
とても徹底された環境ですね。ほかに、患者の安心のために意識しておられることはありますか?
【聡院長】インフォームドコンセントを重視した丁寧な説明です。開業前に勤務していたクリニックが、まだインフォームドコンセントが浸透する前から患者さんの理解を第一に考える方針でした。私もそれが自然に身につき、開業してからもそのスタイルを貫いています。診察台の口腔内カメラでは、治療前、治療中、治療後とプロセスごとに口腔内の写真を撮影し、患者さんと状態を共有。納得していただけるまで説明をした上で、次のステップに移ります。治療法についても、考えられる選択肢をすべて提示し、患者さんに選んでいただくことを大切にしていますね。
昨年からは遥先生も診療に加わり、さらにパワーアップした印象です。

【聡院長】開業した年に生まれ、当院とともに成長してきた娘が一緒に働くようになり、父親として、また院長として感慨深い気持ちです。今は毎週木曜と隔週の日曜に診察を担当してくれています。患者さんの中には女性の歯科医師を希望される方もいるので、娘が診察することでそうした方々がさらに足を運びやすくなるといいですね。ゆくゆくは中高年の患者さんは私が、お子さんや若い世代は娘が診るというかたちで分担していきたいと考えています。
遥先生のご専門や、診察の際に大切にされていることを教えてください。
【遥先生】専門にとらわれない幅広い診療が得意な一方で、口腔外科にいた経験があるので、今後は歯周病治療にも力を入れていきたいです。大切にしていることですが、歯科治療において、万人にとってのベストワンの治療はないと考えています。患者さんのパーソナルに寄り添いながら、その方にとってのベストな治療を見つけることが重要なんです。そのため、診療では1対1のコミュニケーションを大切にしています。そして、今は本当にさまざまな治療の選択肢がありますよね。父がこれまで築いてきた診療スタイルに、私はさらに新しい治療を取り入れて、「あなたの歯にとってはこの方法がいいですよ」と個別にご提案していきたいと考えています。それぞれのメリット・デメリットについても丁寧にご説明させていただき、患者さんと相談しながら最適な治療法を見つけていくのが理想です。
親子で力を合わせて、地域医療に力を尽くす
お二人が歯科医師をめざしたきっかけを教えてください。

【聡院長】親戚に医師や歯科医師が多く、小さい頃から身近に医療があったことが影響していると思います。歯科医師を選んだのは、幼い頃に叔父の歯科医院で治療をしてもらっていたのですが、とにかく怖くて(笑)。子どもでも怖くない治療ができないかと考えているうちに、自然と歯科医師を志すようになりました。学校での検診も担っていた叔父をはじめ、親戚の医療関係者の多くが医療を通じてさまざまなかたちで地域に貢献している姿を見て、人のために力を尽くすことは素晴らしいなと感銘を受けたのも理由の一つですね。
【遥先生】やはり父の存在が大きかったと思います。一緒に働き始めてから、同じ歯科医師として父が長年積み重ねてきた経験の多さと、患者さんから寄せられる信頼の厚さをあらためて実感しているところです。昔から担当している患者さんの中には、県外に引っ越してからも当院に通い続けてくださっている方がいるんですよ。
院長自身も、保育園や学校での検診などで活動していらっしゃいますね。
【聡院長】地域医療に尽力する姿を間近で見ていたので、自分もいつか同じように地域に役立つ仕事がしたいとずっと思っていたんです。地域の歯科医師会の活動にも積極的に取り組み、学校医も25年続けてきました。今も、歯科検診以外に年1回、小学校の授業参観を利用して娘と一緒に歯の話をする活動を続けているんですよ。子どもたちはもちろん、保護者の皆さんにも歯の健康について考えていただける機会があるのはうれしいことですね。
最後に、読者へのメッセージをお聞かせください。

【聡院長】開業から今年で30年目を迎えましたが、歯科の材料や機器は日進月歩。新しく良いものが日々生み出されていますから、幅広いニーズに応えられるよう、常にアップデートを心がけています。引き続き、歯の生え始めから、入れ歯が必要になり、やがて自宅で療養するようになってからも、すべての患者さんに安心の歯科医療を提供できる歯科医院でありたいと思っていますので、歯やお口のことでお困りのことがあればお気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは矯正歯科/70万円前後、インプラント治療/30万円~40万円、ホワイトニング/2万7500円~