小宮 あゆみ 院長、小宮 瑠夏 先生の独自取材記事
小宮歯科医院
(船橋市/薬園台駅)
最終更新日:2025/03/10

薬園台駅西口から徒歩1分、親子のフクロウが寄り添うステンドグラスが目印の「小宮歯科医院」。口腔外科出身の小宮あゆみ院長が薬園台で開業したのは1998年にさかのぼる。以来、診療と子育てを両立させながら町の発展とともに歩んできた。今では長女の小宮瑠夏先生も矯正歯科を専門として母を支える。「歯1本の1ミクロンの差が顔面の筋肉ひいては全身にまで影響する面白さ」を瑠夏先生にも伝えたいというあゆみ院長。一方、瑠夏先生も「矯正中に虫歯などの問題が起きた時も院内で対応してもらえるのは心強い」とあゆみ院長に絶大の信頼を置く。アットホームな雰囲気の中で「口腔内から全身の健康を守る」ための緻密な治療をしている2人に詳しく話を聞いた。
(取材日2025年2月7日)
薬園台で27年。幅広い歯科診療で地域医療に貢献
まず、クリニックの歴史から教えていただけますか?

【あゆみ院長】私はもともと千葉大学医学部附属病院歯科口腔外科に所属していて関連病院への通勤圏内であり子育てもしやすそうな薬園台に住まいを構えました。その後、1998年に駅からすぐの場所でユニット2台の小さなクリニックを開業。2019年に現在の場所に移転しました。虫歯や歯周病の治療、インプラント治療、口腔外科、予防歯科、小児歯科など幅広い診療を行ってきましたが、新たに瑠夏先生が加わり、矯正治療にも本格的に取り組むようになりました。
【瑠夏先生】私はこの町で育ち、移転前のクリニックに患者として通ったこともあるんですよ。ここよりずっと狭かったのですが、たくさんの患者さんがいて、母が忙しそうにしていたのをよく覚えています。
開業して27年。長く通っている患者さんも多いそうですね。
【あゆみ院長】子どもの頃から通院している患者さんが、ご自身のお子さんをお連れになることもありますね。このエリアは人口流動が大きく、大学生くらいになるとだいたい都心部へ出ていってしまう子も少なくありません。同時に働き世代だった方々の高齢化も進んでいるので、希望があれば訪問診療にも対応していきたいです。そのほか、障害がある方への治療、摂食・嚥下リハビリテーションにも力を入れています。患者さんからのご相談をどうにかしようと奮闘する中で、診療の幅が広がっていきました。患者さんに育てていただいた27年間だったようにも思います。
スタッフさんたちについても教えてください。

【あゆみ院長】全員、明るく朗らかなスタッフたちで、優しく患者さんに接してくれています。技工物の修正なども院内で即座に対応してくれる歯科技工士も在籍しています。また、歯科衛生士たちも確かな技術を持っていて大いに助けられています。当院では開業以来、予防歯科に注力していて患者さんごとに必要と思われるタイミングで定期検診を案内するはがきを出すなどしてきましたが、彼女たちがいてくれたからこそできたことです。
【瑠夏先生】小学生の私を「瑠夏ちゃん」とかわいがってくれた歯科衛生士さんが矯正治療のサポートもしてくれているのですが、「瑠夏先生」と呼ばれるのは感慨深いですね。治療がスムーズに進むようきめ細かに気配りしてくださり、ありがたく思っています。
矯正治療を当たり前のオプションとして選択できる体制
瑠夏先生はなぜ矯正歯科を専門とするようになったのですか?

【瑠夏先生】大学入学後、母のクリニックではほとんど目にしなかった矯正治療が新鮮で興味を持つようになりました。私自身、小学校4年生の頃にワイヤー矯正を経験してはいましたが、印象に残っていたのは痛みばかり。私自身もマウスピース型装置を用いた矯正を経験しているのでメリットデメリットどちらも理解できていると思います。マウスピース型装置では簡単な矯正しかできないという誤解もいまだ根強いのですが、研鑽を積んだ歯科医師であれば対応できる症例はワイヤー矯正とほぼ変わりません。ワイヤー矯正よりも短期間で済むケースも多いです。現在、複数のクリニックで矯正担当医として勤務しつつ、当院でも週に1回のペースで子どもから大人まで幅広い年代を対象に矯正を担当しています。
矯正も一般的な治療も一つのクリニックにお任せできるのは便利ですね。
【あゆみ院長】矯正中に虫歯の治療や親知らずの抜歯が必要になっても、他院を紹介するのではなく娘から私へシームレスにバトンタッチできます。クリニックをはしごせずに済むのは患者さんにとっても便利ですよね。また、矯正は歯の欠損部に対してインプラント治療や補綴治療に変わる第三の選択にもなり得ます。矯正治療を行うことで、失った歯のスペースを埋めるという方法もあるんですよ。ブリッジのように健康な歯を削る必要もないですし、体に負担の少ない方法なのではないでしょうか。私はこれまで一口腔単位での治療を大切にするスタディーグループなどでも学んできましたが、すべての治療において矯正が一つの選択肢としてあるべきだと痛感しています。
診療で大切にしていることは?

【あゆみ院長】結果が長持ちする永続性のある治療を大切にしてきました。そのために、患者さんが訴える歯だけではなく、口腔内全体の虫歯と歯周病の検査を行い、早期に対応したいと考えています。また、歯科用CT、マイクロスコープなどを活用して、外から見えない土台の部分の治療を大切に考えています。しかし、どんなに完璧なかぶせ物や詰め物をしても、歯の位置関係が悪いままではいずれ再治療となってしまいます。
【瑠夏先生】だからこそ、矯正の果たす役割は大きいのですが、装置をきちんと装着していただくためには患者さんやご家族の協力も必要です。だからこそ、口腔内スキャナーの画像などをお見せしながら、わかりやすい説明を大切にしています。私自身ワイヤー矯正もマウスピース型装置を用いた矯正も経験しているので、実体験をもとにアドバイスできるのも強みといえますね。
一口腔単位の治療で生涯にわたる全身の健康を守る
今後の展望についてお聞かせください。

【あゆみ院長】開業した頃は畑ばかりだったこのエリアも、マンションが次々と建ち、人口も増え続けています。古くからの方も新しい方も「口の中のことで困ったら小宮さん」と思い出してもらえるような歯科医院でありたいですね。矯正も含めできるだけ院内で治療が完結するようにしていますが、日帰り全身麻酔で親知らずの抜歯をしている病院も紹介できるので、恐怖心が強い方などもご相談ください。
【瑠夏先生】矯正治療は見た目をきれいにするだけでなく、口腔機能を維持し回復するためのものでもあります。噛み合わせが悪いと80歳で歯が20本残っている確率は0%という論文もあるんですよ。残っている歯の健康寿命を延ばすための矯正治療にも積極的に取り組んでいきたいです。
休日はどうお過ごしですか?
【瑠夏先生】海外旅行が好きでこれまで25ヵ国くらい行きました。印象に残っているのはボリビアのウユニ塩湖。「天空の鏡」と呼ばれているとおり、果てしなくきれいでしたね。そもそも旅好きになったのは、高校時代に母に勧められるまま行ったカナダへの短期留学です。ホームシックなどマイナスの思い出ばかりが残り「プラスにして行こう!」と自ら計画して出かけるようになりました。
【あゆみ院長】これまでは千葉県歯科医師会の仕事も忙しかったのですが、4月からは時間もできそうなので主人と「旅行ができたらいいね」と話しています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

【あゆみ院長】口全体を一つの臓器として関心を持ってください。歯は1本1本形も違い、それぞれ独自の機能と役目があります。「28本のうち1本が駄目になっただけ」と油断せず、お口全体の健康をイメージして、食べたいものを何でも食べられる状態を維持すれば、フレイルの予防にもなります。歯を失っても義歯等で代用することで良質なたんぱく質を摂取することができます。お肉を食べている方は「元気」ですよね?千葉県歯科医師会では「80歳でも肉(29:ニク)が食べられる口をキープし元気な高齢者でいよう!」という8029(ハチマルニク)運動を提唱し、千葉県の口腔保健推進条例にもこの文言が記されています。口から始まる足の衰えを予防していきたいですね。
【瑠夏先生】歯科医院は、痛くなってからではなく、何もない時こそ足を運んでいただけたらと思います。いつからでも再スタートはできるので気兼ねなくご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/22万円~、成人矯正/78万円~、小児矯正/49万5000円~