吉澤 公徳 院長の独自取材記事
オリーブ歯科
(札幌市中央区/石山通駅)
最終更新日:2021/10/12
札幌市中央区、石山通沿いのえんじ色の看板が目印の「オリーブ歯科」。院長の吉澤公徳先生が1993年に開業し、今年で28年目を迎える。地域密着型のかかりつけ歯科医院として、虫歯、歯周病から入れ歯、予防、矯正治療など、患者の歯の悩みに真摯に向き合う。最近は、子どもの成長の力を借りて顎を広げていく顎顔面矯正にも注力しているのだそう。院内はアットホームで落ち着いた雰囲気。吉澤先生をはじめ歯科衛生士、受付スタッフも優しく穏やかで、高齢者を中心に長年通う患者が多いのもうなずける。そんな吉澤先生に、開業までの経緯やクリニックの診療方針、治療への思いなどについてじっくりと聞かせてもらった。
(取材日2021年3月6日)
子どもから高齢者まで、住宅地で地域密着型の診療を
歯科医師を志したきっかけと開業までの経緯を教えてください。
私は子どもの頃から会社員や公務員にはあまり興味がなく、医療系や機械関係の道に進めたらと漠然と考えていました。医療系では親戚に歯科医師や歯科技工士がいて、必然的に歯科の分野に関心を寄せるようになったんです。大学は、横浜市にある鶴見大学歯学部へ。卒業後は、札幌市内で勤務医として経験を積み、この場所で開業しました。「地域の皆さんに寄り添った優しい治療」を掲げて、虫歯、歯周病などの一般的な治療、予防歯科、ホワイトニング、入れ歯など、幅広く対応させていただいています。
開業の地としてこの場所を選ばれたのはなぜですか。
ここは市内の中心部からは少し離れていますけれども、街中のにぎやかさから少し離れた静かな地域です。私はもともと開業するときは住宅地で地域密着型の治療をしたいと考えていて、この場所なら自分が思い描くような診療ができるのではないかと思って選びました。札幌を中心にいろいろ検討した中で、この場所が一番ピンと来たんです。開業した頃は公務員官舎が立ち並んでいて、若いご家族が多く住んでおられました。今は古くから住んでおられる方を中心にお年寄りが増えて、時代の流れとともに人口構成の変化を感じますね。
どのような患者さんが多く訪れていますか。
ほとんどがご高齢の方ですね。男性よりも女性のほうがやや多いでしょうか。ただ、比較的遅い時間帯や隔週で土曜日も診療していることもあり、学生さんや働き盛りの世代の皆さんも来院されます。もちろんお子さんや子育て中のお母さん方も来られますよ。長く通われている方の中には、「ここなら通える」と言ってくださる方がおられます。治療中に寝てしまう方もいらっしゃいますので、安心感を感じてくださっているのではないでしょうか。歯科医師というよりもお友達や知り合いみたいな感じで親近感を持ってもらえているのかもしれませんね。こんなふうにいろいろな年齢層の方に日々お会いできるのは、私にとっては楽しく有意義なこと。年齢それぞれの特徴を踏まえた予防や治療ができるということでもあり、歯科医師としてのやりがいにもつながっています。
虫歯になる前に予防を。顎顔面矯正にも取り組む
予防歯科に力を入れているそうですね。
私が大学を卒業した頃には、一生懸命、虫歯を治したり補綴物を作ったりしたものですが、歯科医師になって30年以上がたち、その間に治療法や歯の健康に対する意識も変わり、現在は自分の歯をそのまま生かして健康でいられることが一番素晴らしいことだと考えています。「虫歯になって痛みが出てきたから治療を受ける」のではなく、そうなる前に予防できればと思い、予防歯科にも力を注ぐようになりました。虫歯にならないためには、歯磨きなど毎日のセルフケアに加えて、定期的に検診やメンテナンスを受けることが大切です。歯ブラシの選び方、ブラッシング方法などセルフケアのアドバイスもさせていただきますので、予防についてもお気軽にご相談ください。
顎顔面矯正を始められたそうですね。
顎顔面矯正は、永久歯に生え替わる時期に、お子さんの発育の力を借りて顎を広げてスペースをつくり、大人の歯が正しく並ぶよう誘導していく方法です。通常、5歳~10歳くらいから始めて、期間は数年かかります。一昔前に比べると、永久歯が大きく顎が小さいために歯並びが悪くなっているお子さんが増えているんです。噛み合わせが悪いままにすると、顎が痛い、虫歯になりやすいといった症状だけでなく、頭痛や肩こりなど全身に影響が及ぶこともあります。顎顔面矯正をすることで歯並びを整えていければ歯磨きがしやすくなりますので、将来の虫歯予防にもなるでしょう。お子さんの噛み合わせが気になる方は、お話だけでも聞きに来ていただければと思います。
診療の際に心がけていることを教えてください。
私は、医療の本来の目的は病に苦しむ方を癒やして差し上げることだと考えています。ですから、聞く物、触る物、嗅ぐ物など五感で感じるすべてにおいて、患者さんに嫌な思いをさせないように心がけています。そのためにも、診療するときは、まず患者さんの訴えやお悩みをきちんと伺い、何を要望されているのか的確に捉える。そして、お一人お一人に合った治療を提案していくようにしています。治療をするのかしないのか、どのような治療をするのか、選ぶのはあくまで患者さん。ご本人のお気持ちを最優先に考えることも大切にしていますね。
小児の噛み合わせ治療が診療のモチベーションに
印象に残っている患者さんとのエピソードをお聞かせいただけますか。
歯科医師をしていて一番良かったなと思うのは、お子さんが前向きに治療に来てくれるようになったときです。大人もそうですけれども、歯科医院での治療はやはり怖いもの。最初は泣きわめいていたのにだんだん慣れていき、私やスタッフを信頼してくれてにこにこ笑って診療室に入ってきてくれるようになったときは、感慨深いものがありますね。さらに、その様子を見守るお母さんの笑顔も私にとってはうれしいもの。お子さんは反応が素直なので、診療していても面白いですね。
日々お忙しくされていると思いますが、趣味など楽しんでおられることはありますか。
これが趣味! というものがあればいいのですが、実はなくて、妻にも「無趣味だね」と言われます(笑)。でも、最近は夫婦でよく散歩に出かけていますね。年齢もあるのでしょうか、自動車に乗るのが煩わしくなったということもありますし、ゆっくりと歩いていると、今まで見えなかったものが見えるようになったり、気づかなかったことに気づいたりするのです。四季の変化も肌で感じることができて爽快な気持ちになり、良い気分転換になっています。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。
顎顔面矯正を始めたきっかけは、大学の同期が教えてくれたからなのですが、本当に興味深い分野だと思っていています。治療にはある程度時間がかかりますので、例えば今10歳で取り組んでいる方が10年後、20歳になったときにどうなっているのか今から楽しみで、私自身の診療を続けるモチベーションの1つにもなっていますね。地域の皆さんには、困っていること、不安なこと、わからないことなど何でも遠慮なくに相談していただければと思っています。これからもかかりつけ歯科医院として、スタッフと力を合わせて患者さんに寄り添った治療を提供していきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
自由診療費用の目安
自由診療とはオフィスホワイトニング 1万6500円
ホームホワイトニング 2万2000円
顎顔面矯正 47万3000円