三好 敬三 院長の独自取材記事
二子玉川三好デンタルクリニック
(世田谷区/二子玉川駅)
最終更新日:2021/10/12
二子玉川駅から徒歩3分の場所にある「二子玉川三好デンタルクリニック」。院長の三好敬三先生は長年にわたりインプラント治療に携わってきた、インプラント治療のスペシャリスト。欧州へ幾度となく足を運び、数々の新しい技術を日本に紹介してきた。同院は2020年11月より耳鼻咽喉科を併設予定で、歯科医師と耳鼻咽喉科医師が知識を共有することで、顎口腔系の悩みに対し高度な診療を提供したいと考えているという。「めざすのは『コンプリートデンティストリー』。不調の原因を根本から治していきます」と話す三好先生に、耳鼻咽喉科との連携やデジタル化についても話を聞いた。
(取材日2020年10月7日)
基本理念は「すべては患者さんのために」
最近クリニックを移転されたと伺いました。移転前から変わった点を教えてください。
これまで診察や予防歯科診療を行うクリニックと、手術を行う施設は、別の場所にあったんです。2020年8月に現在の場所に移転したのをきっかけに、これらは同じ建物になりました。1階は研修室になっていて、講習会や研修会を開催しています。2階は受付で、3階が一般の診療室。4階では予防のための処置や手術を行い、今後は耳鼻咽喉科も併設される予定です。設備面では、移転を機にツインバキュームの診療ユニットを導入しました。治療中、患者さんが水を吐き出しますよね。その際の吐き出し先をバキュームにし、取り換えられるように特注で作ったものです。飛沫が残らず、清潔に保てます。また、建物の配管の大本には、ナノバブルという微細な気泡を発生させる浄水器を取りつけました。院内を流れる水はトイレに至るまですべて、この浄水器が関わっています。次亜塩素酸水もこの水から作り、診療が終わるごとにそれを使って消毒をしています。
耳鼻咽喉科が併設される予定なんですね。
はい。2020年11月より週に数日の診察が始まり、2021年4月からは常設となる予定です。実は、歯科と耳鼻咽喉科はリンクする部分が多いんです。喉や副鼻腔、顎関節、顔周りの不調は、原因を歯科・耳鼻咽喉科とはっきり分けられなかったり、見極めが難しいケースもあります。歯科医師と耳鼻咽喉科の医師が知識を共有することで、それぞれの専門性を生かし協力し合えるような体制をつくっている途中です。顎口腔系のさまざまなお悩みに対し、高度な診療を提供したいと考えています。歯科と耳鼻咽喉科のクリニックを行き来することなく、1ヵ所で専門的な診断ができれば、患者さんの利便性としても良いのではないでしょうか。
クリニックの方針について教えてください。
当院の基本理念は「すべては患者さんのために」。インプラント治療を中心に行っていますが、インプラントを入れることが目的ではありません。あくまで、患者さんのQOL(生活の質)を上げるサポートをするための、選択肢の一つと捉えています。一般歯科・予防歯科・矯正歯科においても、QOL向上を念頭に置いて行っています。また当院では、価格競争をするようなことは一切ありません。患者さん自身にも、インプラントや歯のことについてしっかり理解してもらい、納得して治療を受けてほしいと思っています。私がインプラント治療を始めて30年近く、難しい症例も数多く行ってきました。他院での治療結果に満足していない患者さんの「駆け込み寺」としても、総合的な歯科医療チームとして努めていきたいと思っています。
「中心位」の考えを取り入れた治療に注力
インプラント治療に力を入れてきた理由をお聞かせください。
勉強すればするほど、インプラントは重要なものだとわかってきたからです。歯というのは、1本が悪くなると他の歯も駄目になりやすくなる性質を持っています。歯を失った際、治療法の一つとしてブリッジも選択肢に挙がりますが、歯を失った箇所の両隣の歯を削る必要があり、健康な歯にどうしても負荷をかけることになります。一方、インプラントは隣の歯を削る必要がありませんし、周りの歯に負荷をかけることはほとんどありません。インプラントは、口腔機能の回復にとても有用な治療なのです。
治療に「中心位」の考えを取り入れていると伺いました。
咬合理論で知られるアメリカのドーソン先生の講義を8年間にわたって受けましたが、この知識をさらに深めたのが「中心位」の考え方です。歯を失う患者さんには、これがずれている方が多いんです。インプラントを入れるにしても、ずれた位置のままでは効果は半減してしまうと思います。「中心位」を見極めて処置することで、単なる穴埋めではなく、正しい噛み合わせへ導くことにつながると思います。インプラントだけではなく、噛み合わせに関するすべての治療にこの考えを応用しているんですよ。耳鼻咽喉科の併設でより専門的になる顎口腔系の治療の場でも、「中心位」の知識が大いに役立ちそうです。これまで培った治療技術や学んできたことに「中心位」の考えを取り入れたことで、やっと私の歯科治療における全体像が確立したと感じています。
他院の歯科医師向けの講習会にも力を入れていますね。それはなぜですか?
インプラントは不可逆的な治療です。いい加減な治療の結果、取り返しのつかない状態を引き起こすこともあり得ます。それにより「インプラントは危険だ」という誤った情報を患者さんに与えてしまう。それは患者さんにとっても歯科医師にとっても、良いことではありませんよね。私が歯科医師の先生方に伝えたいのは「しっかり学んで、責任の持てる治療を施す」ということ。正しい知識で丁寧に手術を行えば、インプラントは決して悪いものではありません。歯を失った患者さんの口腔機能を取り戻すのに役立つ、素晴らしい方法です。歯科医師全体のレベルが上がればインプラント治療の精度も向上し、患者さんも前向きに治療を受けられるようになるはず。私は「インプラントを受けることが当たり前の世の中」になってほしいと思っているんです。
めざすのは「コンプリートデンティストリー」
デジタル化にも力を入れていると伺いました。
歯科医療の現場ではデジタルの進化がめざましく、当院でも積極的に取り入れています。歯型は口腔内カメラで撮れますし、それをもとにコンピューターが補綴物の設計や作製を行うCAD/CAMシステムも導入しています。インプラント治療用に撮影したCT画像から、正しい埋入角度や位置を計るシステムもあるんですよ。口腔内カメラと顔写真から、矯正時に用いるマウスピース型装置を作ることもできるんです。当院では顎関節のデータも加え、噛み合わせにフォーカスした矯正を行っています。噛み合わせの状態についても、肉眼では見えない領域まで確認できるので、細かな調整にも適しています。いずれもパソコンにデータが残りますから、かぶせ物やマウスピース型装置を失った際にまったく同じものが作れます。これもデジタル化の利点ですね。
ところで、先生はなぜ歯科医師をめざしたのですか?
私の出身は愛媛の南宇和郡愛南町です。九州にも高知県にも近い、愛媛南部の小さな町です。子ども時代は野球少年でした。野球の名門校に進学しましたが、名門ゆえに普通科では単位取得が難しいほどの練習量で、野球は泣く泣く諦めました。プロ野球選手になる夢が途絶え「他に若くても活躍できる職業は何だろう」と考えて、そこで思い浮かんだのが歯科医師だったんです。突拍子もない選択ですが、その時は真剣だったんですよ(笑)。ひょんなことから歯科医師の道に進んだわけですが、長きにわたり研鑽を積み重ね、今さらに大きな構想に向かって進んでいます。今となっては天職であったと実感しています。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
当院がめざすのは「コンプリートデンティストリー」。特に、すべての顎口腔系疾患をパーフェクトに治していきたいと思っています。原因から確実に治していき、後戻りしない治療を提供していきたいですね。知覚過敏や歯のすり減りは、食いしばりや歯ぎしりのある証拠とも考えられます。歯のダメージが表面化する前の徴候ですね。少しでも違和感を感じたら、自己判断せずに検査にいらしてください。今の顎口腔の状態を患者さん自身が知り、深刻な症状が出てしまう前に治療を始めることが、今後の健康につながります。当院では、不調の原因を根本から治し、皆さんの快適な生活をサポートしていきたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とは【インプラント治療】1本/基本手術料5万円、1次手術インプラント埋入23万円、仮歯3万円~、2次手術8万円、上部構造ジルコニア12万円~、仮歯+アバットメント6万円~、シミュレーション5万円、麻酔(局所・全身)6万円
【歯列矯正】基本費用50万円、マウスピース型装置を用いた矯正/10回未満10万円、10回以上30万円
【審美歯科】インレー(詰め物)小臼歯1面6万円~、セラミッククラウン11万円~
※治療法によって料金が異なります。詳細はクリニックまでお問い合わせください。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。