全国のドクター9,186人の想いを取材
クリニック・病院 158,624件の情報を掲載(2024年4月26日現在)

  1. TOP
  2. 香川県
  3. 高松市
  4. 仏生山駅
  5. 吉田歯科医院
  6. 吉田 光典 院長

吉田 光典 院長の独自取材記事

吉田歯科医院

(高松市/仏生山駅)

最終更新日:2021/10/12

吉田光典院長 吉田歯科医院 main

高松市多肥上町。幹線道路から一本入った住宅街の中にたたずむ「吉田歯科医院」には、幅広い年代のさまざまな主訴を抱えた患者が訪れる。院長の吉田光典先生は体とのバランスが取れるような噛み合わせをめざした治療を行うことを重視しており、噛み合わせのチェックや顎関節症の治療・相談のために他県から来院する患者も多い。乳児の頃から発育を意識することも大切と、保護者向けに哺乳瓶の乳首選びや離乳指導にも力を入れる。歯と体の健康はつながっているため、長い間、良くならない体の不調は噛み合わせが原因ということもあるという。「噛み合わせを良くして健康につなげたい」という吉田院長に、診療方針や実際の治療内容などを詳しく聞いた。

(取材日2021年7月29日)

噛み合わせ、顎関節症の診療に注力

長くこの地で診療され、遠方から訪れる患者さんも多いそうですね。

吉田光典院長 吉田歯科医院1

私は高松市内の出身ですが、日本歯科大学を卒業後も、東京で勤務医として働いていました。こちらの恩師から「戻って来たらどうか」と言われたのをきっかけに、帰郷。県内の歯科クリニックに勤めた後、1982年に開業しました。近隣の患者さんの中には3世代で通ってくださる方もいますし、ホームページで知った、紹介でという方など、さまざまな方が来院されます。顎関節症の治療や噛み合わせの相談は他県の方も多いです。東京、京都、大阪、兵庫、岡山のほか、茨城、静岡の方もいらっしゃいます。

診療の特徴について教えてください。

生きるためには食物を取らなければなりません。噛み合わせは歯科治療の基本となりますので、筋反射テストを活用した噛み合わせのチェックを行っていることが大きな特徴ですね。歯と体の健康はつながっているので、全身のバランスを考慮して噛み合わせを診ていくことが大切です。噛み合わせを適切な状態に導くことで、噛み合わせのずれからくる体の不調の改善も期待できます。また小さい頃から発育を意識することも大切ですので、乳首選びや成長に伴った離乳指導もしています。もちろん、歯周病をはじめ、歯の根の先まできちんとお薬を詰める基本的な治療を丁寧に行うことも大切にしています。

顎関節症について詳しく教えてください。

吉田光典院長 吉田歯科医院2

顎関節症は、肉体的・精神的にバランスが崩れて起こる場合と、咬合のみに異常がある場合、またその両方が原因となる場合があり、その影響で体にも歪みが出て全身の筋肉に不調和を来し、顎関節に支障が出る場合があります。歯と筋肉、内臓、脊椎は、それぞれ相関関係にあり、体は地球の重力の影響の中でバランスを保つようになっています。筋肉の力で骨格を維持していますが、異常に緊張していたり弱すぎたりすると下顎骨だけでなく骨格にもずれが生じる場合があります。顎がずれると腰にずれが生じたり、体が歪んでいると下顎骨にも影響したりすることがあるのです。

体とのバランスが取れるような噛み合わせをめざして

先生が、顎関節症の治療に力を入れるようになったきっかけは?

吉田光典院長 吉田歯科医院3

実は、私自身が若い頃から顎関節症の症状に悩まされていたのです。20歳位の時に嚥下障害が出始め、一般医科に相談して異常なしと言われました。すでに歯学部の学生でしたから、学んでいるうちに自分の状態がよくわかってくる。現時点では仕方ないと思ったものの肩凝りにも悩まされました。卒業後、東京での勤務医の時には左足が痛くなり、大学病院の知り合いの先生に診てもらったのですが、検査しても異常はないと。数ヵ月して自然と痛みは治まりましたが、ひどい肩凝りは続いていました。そんな状況の中で、小学2年生の患者さんが顎が痛いと受診された。治療法がわからなかったため大学の教授に相談したところ、筋肉の訓練について教えてもらい、患者さんに指導を続けたところ、痛みの緩和につながったという出来事があったのです。そこから、噛み合わせと体の不調の関係性について重視するようになりました。

そうした経験が、今の診療スタイルにつながったのですね。

はい。その後、体と噛み合わせに関するセミナーや講習会に積極的に参加し、さまざまな専門家と出会い、幅広い学問に接して知識を学びました。家を建てる時も土台がしっかりしないと駄目というように、歯だけではなくもっと全身の状態を考慮して診なくてはと考えるようになりました。歯科医師だけですべてを行うことはできませんから、さまざまな専門家の手を借りることが必要になってきます。肉体的な土台の修正が必要な場合は、その道の専門家が必要ですし、ストレスから歯の食いしばりが起きている場合は、心理的な問題を診る専門家が必要です。患者さんのご意向を伺いながら、信頼できる先生方にお願いし、不調の改善につなげられるようトータルな対応を行っています。

乳幼児の食についても積極的に発信しているそうですね。

吉田光典院長 吉田歯科医院4

生きるために、食べることは必要不可欠。正しい状態で食べることができればよいのですが、不適切な位置で噛み続けると体の不調にもつながります。体の成長の土台をつくる赤ちゃんの時から良い状態で噛めるようにするために、歯科医師が手伝うべきことはたくさんある。乳幼児のうちから伝えていくことが大切だと思うようになりました。当院には乳幼児の栄養相談に来る方もいます。日本では離乳が早い傾向があり、顎が成長過程にある時に適切でない位置で固まってしまう懸念があります。歯科医師も食に関してもっと伝えなければと、掲示物や冊子、ホームページでも情報発信しています。

顎関節症の実際の診療の進め方について教えてください。

大切なのは、噛み合わせと体全体のバランスを整え、噛み合わせを再構築し顎の安定を図ること。まず患者さんとよくお話をした後、口腔内模型を作り、現在の噛み合わせと異常の状態を知ってもらいます。それに関係した体の不具合や自覚症状のある個所を把握し、改善したい問題を患者さんにお聞きします。それに基づき、筋反射テストや筋肉テストを行います。それから、広く一般的に行われている、歯型を採ってオーダーメイドのマウスピースを制作するスプリント療法の必要性、詰め物や義歯の作り直しが必要かなどを調べます。その結果、保険診療を基本としますが、補綴物の強度の問題などで自由診療を勧める時もあります。さらに、体の調整やストレスの問題などで、歯科以外の専門家が必要かを判断しています。いずれも、丁寧に説明し、患者さんのご意向を確認しながら進めるようにしています。

患者の体調にも気を配りながら、その日の診療を始める

先生が診療の際、大切にしていることは何ですか?

吉田光典院長 吉田歯科医院5

どの治療も時間を十分とって、状態・状況を説明することを大切にしています。また、「今日はどこまで行いますか?」と筋反射テストで確認するようにしています。例えば、小さな処置の時でも、歯を2本削るのは避けなければならない患者さんは多いです。ブリッジ治療など、一度に複数の歯を処置しなければならない治療は仕方ありませんが、患者さんが肉体的にも精神的にも無理のない範囲で治療を行うよう心がけています。

先生が歯科医師をめざしたのはなぜですか?

理系の科目が得意だったので、大学の学部では数学や化学、薬学などに興味があり、医学もその中の一つでした。でも、私は血を見るのが苦手なんです。さらに父から、「お前の性格からすると、サラリーマンより自分で何かやったほうがいいのでは」と言われ、そうかもしれないと。手先は器用なほうで、細かい作業をしたり、はんだごてを持つのも好きでした。そういったことから、歯科医師の道へ進むことにしたのです。

最後に、読者へのメッセージや今後の展望などをお願いします。

吉田光典院長 吉田歯科医院6

ありきたりですが、歯磨きをきちんとして定期検診を大事にしてほしいです。また、新型コロナウイルス感染症が流行する今は難しいですが、助産院と連携して開催してきた母親教室をもっと充実させたいですね。内容としては、親御さんに離乳食を持ってきてもらってアドバイスをするといったことを考えたいです。そのほか、若い歯科の先生に、私の培ってきた知識や経験をもとにアドバイスをしていきたいですね。顎関節症に関しては、遠くから相談にいらっしゃる患者さんが多く、ありがたいことですが、微調整が必要なので、通院回数もある程度必要です。患者さんの負担が減るよう、信頼できるお近くのクリニックをご紹介できるのが理想で、夢ですね。患者さんが良くなってくださればいいわけですから、任せて安心のところが近くにあればそれが最良。その方が、元気で楽しい人生を送ってくださることが一番です。       

自由診療費用の目安

自由診療とは

セラミック:9万円、かぶせ物:7万4000円、詰め物:2万6000円〜

Access